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2011/10/05

731部隊と山下俊一

以下に書くことは、すでにネットでは少なからぬ人が指摘していたが、私は迂闊にも気づいていなかったーー。

まずは信濃毎日新聞のこちらのニュースから。

*****
・10人の甲状腺機能に変化 福島の子130人健康調査
認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)と信大病院(ともに松本市)が、福島県内の子ども130人を対象に今夏行った健康調査で、10人(7・7%)の甲状腺機能に変化がみられ、経過観察が必要と診断されたことが3日、分かった。福島第1原発事故との関連性は明確ではない。旧ソ連チェルノブイリ原発事故(1986年)の被災地では事故から数年後に小児甲状腺がんが急増しており、JCFは今後も継続的に検査が受けられるよう支援していく方針だ。
 調査は原発事故から逃れて茅野市に短期滞在していた子どものうち希望者を対象に7月28日、8月4、18、25日に実施。130人は73家族で生後6カ月~16歳(平均年齢7・2歳)。医師の問診と血液検査、尿検査を受けた。
→記事の続きはこちら
*****

このニュースは私が読んでいるいくつかのブログでも取り上げられていたし、また小出裕章氏も以下の放送のなかで、この検査結果を問われて感想を述べている(6分過ぎから)。

しかしながら、肝心の福島県は県民の血液検査をすることに、まったく積極でないという。そして、その中心にいるのが山下俊一である。

・低気温のエクスタシーbyはなゆー
〔子供の甲状腺悪化〕福島県は楽観論一色「血液検査やらない」

私が上記のエントリーを読んで強く思ったのは、これではまるで福島県の人々を人体実験しているようなものではないかということだった(もちろん、そういう意見は以前からあったが)。そして、そこに第二次大戦中の旧陸軍満州第七三一部隊(通称731部隊、あるいは石井部隊)と共通する感覚を感じたのである(731部隊については、ネット上で検索をすればいくらでも出てくるので、詳しくご存知ない方は調べてみていただきたいが、要するにこの部隊は中国人、ロシア人、朝鮮人、、、他多くの国の捕虜に対してまったくもって非人道的、かつ大々的な人体実験を行った。そして人体実験を行う際、捕虜は「マルタ(丸太)」と呼ばれた)。

・真実を知りたい
石井部隊-”マルタ”生体実験

しかも、この731部隊の人脈というのは戦後も少なからず生き残り、多くの機関、組織へと入り込んで戦後史の都度都度で顔を出す(その一つが薬害エイズ事件である)。

・誰も通らない裏道
偽装、ミドリ十字、、、(1)
偽装、ミドリ十字、、、(2)

山下俊一に話を戻すと、この男が福島でやろうとしていることは、繰り返しになるが731部隊がやった行為と非常に似ている。そこでためしにネットでいくつかのワードを入れて検索をかけてみた。すると、山下俊一は重松逸造なる人物の直弟子だということがわかった。
この重松逸造とは何者かというと、放射線影響研究所(放影研)の理事長をつとめた経歴があり、1991年にチェルノブイリ事故への安全宣言を出した人物であった(参考:ウィキペデア・重松逸造)。

・ざまあみやがれい!
1991年「チェルノブイリ安全宣言」発表した重松逸造氏(IAEA事故調査委員長)を糾弾したドキュメンタリー動画(一部文字おこし)

では、さらに放影研とはどのような組織か? ホームページの沿革にはこう書いてある。

「財団法人放射線影響研究所(放影研)は、日本国民法に基づき、日本の外務省および厚生省が所管し、また日米両国政府が共同で管理運営する公益法人として1975年4月1日に発足しました。
前身は1947年に米国原子力委員会の資金によって米国学士院(NAS)が設立した原爆傷害調査委員会(ABCC)であり、翌年には厚生省国立予防衛生研究所(予研)が参加して、共同で大規模な被爆者の健康調査に着手しました。(以下略)」(下線太字はブログ主によるもの)

ABCC-放影研の歴史

また、↓の資料の19ページも参照していただきたい。

「放影研ニューズレター」

ここには、こう書いてある。

「放影研の研究成果は、放影研の前身である原爆傷害調査委員会(ABCC)の研究成果と深く結びついています。ABCCは1947年に設立されましたが、当時は財政・運営ともにほとんどが米国によるものでした。日本側は主に、厚生省国立予防衛生研究所(予研)の人材を、広島・長崎のABCC内に設置された予研の支所に派遣することを通じてABCCにかかわることとなり、広島と長崎の予研支所長であった槙 弘博士と永井 勇博士は、ABCCの準所長も兼任することでABCCの方針決定に関与していました。」(下線太字はブログ主によるもの)

なるほど、これでわかった。
この国立予防衛生研究所(通称・予研。現在は国立感染症研究所)こそは厚生省の関連施設で、731部隊で生き残った人脈が深く入り込んでいる組織である
(ちなみに、今年に入ってからも↓のようなニュースがあった)

・47ニュース
新宿区戸山の人骨」発掘開始 731部隊との関連指摘も

つまり、山下俊一の経歴を少し手繰れば、即座に731部隊の人脈に突き当たるのだ。そして、その731部隊こそはありとあらる人体実験をやった悪魔の組織であった。
その組織の系譜に連なる人物が今、福島で壮大な人体実験をしようと張り切っている。
まさに「悪魔の飽食」の復活である。
私はその事実に、この国の底知れぬ闇の深さを見て慄然とした。

Gwngos

かくもさまざまな言論操作

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『東京電力福島第一原発事故とマスメディア』

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戦後日本の思想

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コメント

「戦後の底知れぬ影を見て慄然とした」は同感です。
市民オンブズマンとして「孤立を恐れず発信」を続けて8年目。戦後日本政治の裏側をCIA秘録をもとに暴き出した「パックスアメリカ-ナと日本の植民地化」(宇沢弘文)は必見。

http://warabij.ti-da.net/c162011.html

更に72年本土復帰直後からの国策「公印偽造による裏金づくり」。目的は沖縄に基地を永久に固定するため。オスプレイ配備で揺れる宜野湾市での1億5千3百万円の税金泥棒はその証。

http://warabij.ti-da.net/c161227.html

地元新聞も報道しません。誰も通らない裏道にふさわしい情報だと考えています。情報拡散をよろしく。

投稿: 市民オンブズマン豊里 誠美 | 2012/10/29 06:05

市民オンブズマンとして「孤立を恐れず発信」を続けて8年目。
「この国の闇の深さをみて慄然とした」はまさに同感。人の命よりもおカネが大事な「銭どぅ宝」のシステム温存しがらみ共同体。その背後にあるアメリカの陰を描いたCIA秘録を基にした「パックスアメリカ-ナと日本の植民地化」(宇沢弘文)は必見。ブログ「わらびジャ-ナル」の「内なる敵」で発信。
http://warabij.ti-da.net/c162011.html
さらに、72年本土復帰後の沖縄県内で行われていた国策「公印偽造による裏金づくり」。目的は基地の沖縄への永久固定化。オスプレイ配備でゆれる宜野湾市での1億5千3百万円の税金泥棒はその証。
http://warabij.ti-da.net/c161227.html

地元新聞も報道しません。誰も通らない裏道にふさわしい情報だと考えています。情報拡散(沖縄口ちゃ~ひるがい)をよろしく。

投稿: 市民オンブズマン豊里 誠美 | 2012/10/29 05:52

こんな奴らを許すわけにはいかない

投稿: | 2012/05/18 17:02

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