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2011/05/15

原発の是非は、小学生以上、40歳以下の人たちに問うべきだ

もはや――
この会社に当事者能力がないことは100%はっきりしている。
東京電力は福島第一原発の2、3号機についてもメルトダウンをしている可能性を認めた。そんなことは素人でもとっくの昔に予想された事態である。
また、1号機の原子炉建屋の地下には高濃度の汚染水が3000トンあり、冠水することを断念したという。小出裕章氏が最初から「水棺は無理」と主張していた通りだ。
そして、この1号機で作業をしていた60歳代の男性が亡くなった。メディアは一斉に「内部被曝によるものではない」と書いている。ハッキリ言って、被曝しているかしていないかなどということは問題ではない。
最重要のポイントは日本一過酷な現場で60歳代の男性が働いているということだ。しかも一昨日、初めて現場に入り、昨日が2日目の作業だったという。

1回の作業時間は3時間だったようだ。それはそうだろう。信じられないほど高線量の放射能の中で作業をするのである。作業員の被ばく線量の基準値を強引に引き上げたとしても、短時間しか作業をすることはできないのであって、それでも3時間が適正とは思えない。
ただでさえ、莫大な人数を投下しなければならないメチャクチャな現場だが、さらに高線量の放射能があるために1人の作業時間は限られる。つまりハンバではない人海戦術を取らなくてはならないわけだが、当然ながらそのような過酷な現場へ望んで行く人はそうそうはいない。結果として菅直人と同じ60歳代の男性までもがかり出されたわけだ。
ここで私はハタと考え込んでしまう。
この現場では想像を絶するストレスがかかる。したがって、できるだけ若い人が入った方がまだしも作業が進む可能性が高い。しかし、これからの日本を担う人材には絶対にそういう現場へ入らせるべきではない。したがって、やはり放射線に対する感受性の鈍い50歳以上の人間が行くべきだ。しかし、ここは放射能が直接的な原因ではなくても、60歳代の男性がたった1日で心筋梗塞を起こしてしまうような現場なのである。
少し前に――
↓のブログにこんなことが書いてあった。九州大学の吉岡副学長の言葉である。

・ジャーナリスト 木下黄太のブログ
福島第一原発のコアな作業員が、二百人程度になってしまっているという情報。
「外国のアレバやGEなんかに、コストは無視してお願いするしかないんでしょう。人間も含めて、物理的にいろんな手が入らないと、なんともならない状態なんだと思いますよ。恐らく数千人単位で人を入れないと、本当に止めることは難しいですから、桁が違う。昔なら、若い人に赤紙が来たものですが、今回は年寄りに赤紙がこないといけないレベルですね。志願者をつのる作業はもっと大切になっていると思います。そうした人の配置をなぜはやくやろうとできていないのか、これは東京電力単体の問題と考えるレベルでは、既になくなっている気がします」(傍線は筆者)

私は昨日の東京電力の昼、夕、2回の記者会見をすべてではないが、ニコニコ生放送で見ていた。
まず、昼の会見では1号機で作業中の男性が倒れたということが発表されていた。すると会見の最後の方で記者が「その男性が亡くなったという情報がありますが?」と質問した。すると東京電力は「確認していないので、早急に確認します」と答えた。記者の情報の方が早かったのだ。
そして夕方。亡くなった男性の詳しい身元を訊かれた東京電力は、「当社とは直接雇用契約はないので、どういった経緯で福島第一原発に来たのかどうかわからない」と言った(↓ビデオの30分あたり)。








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その後、この作業員の方の元請けが東芝であることは明らかにされる。しかし、おそらく東芝もこの男性と直接の契約を結んでいるわけではなく下請け、孫請けへと投げているはずだ。今回の作業の単価は高い。ということは間に入っている業者のマージンも大きなものになる。では、この男性の家族に対してはいかなる補償が行なわれるのか? 恐らく、さほど大した額は支払われないどころか、心筋梗塞ということであれば、それを引き起こした原因がたとえ過酷な作業環境にあったとしても、その因果関係を証明するのは困難であり、ほとんど何の補償もされない可能性が高い。
そして、このような構造こそが、まさしく原発の正体であり本質である。
↑の東京電力の会見を見ていて改めて驚くのは、彼らが世界史的に見ても重大な事故を起こしたという“怖れ”をまったく見せないことだ。もちろん、あたふたするような人間では会見ができないのはわかるが、自らが引き起こした破局事故の現場で働いた作業員について、たとえ直接の雇用契約がなくても死者を出したことについての感情は何一つない。あるのはこの期に及んでもなお、徹頭徹尾、東京電力という会社の組織防衛であり、そのためならばどんなウソでもつくという姿勢だ。
結果、この会社は2カ月間、原子炉から異常な量の放射能が出るにまかせるだけだった。この無為無策が、結果的にさらなる人災を引き起こしたことは明白である。
いつも同じことを書いているようだが、とにかく東京電力に事態の収拾を丸投げするのは一刻も早くやめるべきだ。

同時に菅直人は一刻も早く総理大臣を辞するべきである。「一内閣一仕事」という言葉がある。その意味では浜岡原発の停止で菅直人は十分に仕事をしたといっていい。しかし、選挙での信任を得ていない正統性のない内閣で、この事態を収拾することは不可能だ。
といって、「原発を守る会」なんぞを立ち上げている自民党を政権に戻すこともあり得ない。政治が混迷を深める中、私は期待していた民主党の小沢支持派の議員にも失望している。なぜ、何も行動を起こさないのか? 考えられないことである。

福島第一原発に話を戻すと、今後、2、3号機の事態がさらに悪化すれば、もはや人間の手ではどうしようもなくなる可能性すらある(しかも4号機だってあるのだ)。小出裕章氏の言葉を借りれば「本当にとてつもないこと」が起きているのだ。
このまま最悪の方向へ事態が進めば、首都圏すら危険な状況に陥るだろう(もうすでに十分に危険だが)。莫大な人口を持つ首都圏はいったいどうなるのか? たとえ東京の高級住宅地であろうがなんだろうが、地価は暴落するだろう。住宅ローンを抱える多くの人(私もその一人だ)は、またたく間に自宅の担保価値を失い借金だけが残ることになる。しかも、その家にすら住めなくなるのであって、経済的にもメチャクチャな混乱が起きるかもしれない。
「そんな悪い方向に想像をたくましくしてどうするのか?」と言う人もいるだろう。だが、今日の事態は多くの人が想像力を失った結果起きたものである。
「それでも原発は簡単に止められない」と言う人は少なくない。
この問題については、私はもはや小学生以上40歳以下の人たちに問い、結論を出してもらうべきだと思う。
先日、田勢康弘、田原総一朗、後藤謙二という脳みその腐った3人がテレビで「それでも原発は必要」とわめきたてていたそうだが、この連中はこれまでさんざんいい思いをした揚句、もう少しすれば死ぬだけだ。
一方、今後の国難を背負うのは、すべて若い人たちである。であるならば、この問題は選挙権など関係なく、とにかく彼らに結論を出してもらい、40歳以上の人間はその結論に従うべきである。

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