浜岡原発の停止要請 ~ 当たり前のことがやっと一つ実行されただけのこと
遅ればせながら菅直人が中部電力浜岡原子力発電所の運転停止を要請した件について――。
個人的に妻の実家が浜岡から30km圏内にあるので、まずは少し安心したのだが、全体として見れば、当たり前にやらなければならないことがやっと一つだけ実行されたに過ぎない(中部電力は抵抗する姿勢を見せているが、これはポーズだろう)。しかも、その当たり前すぎることすら、福島における信じられないほど大きな犠牲がなければ実現しなかったのだから、諸手を挙げて喝采という気分にはとうていなれない。
以前にも書いたが、かつて一度だけお目にかかった故・高木仁三郎氏に、「やはり浜岡はとくに危険ですか?」と聞いてみたところ、氏は少し黙ったあとに「どこも同じですね」とポツリとおっしゃった。
確かに浜岡の危険度は高い。だが、では他の原発はどうなのか。
あまり名前が出て来ないが、四国電力の伊方原発だって中央構造線の真上にあることが知られている。
いしだ壱成オフィシャルブログ
・今だからみんなで考えたいこと。
若狭湾に面した福井県には原発銀座と呼ばれるほどたくさんの原子炉が建ち並び、おまけに「もんじゅ」まである。
青森には六ヶ所村もある。
では、以下のページをご覧いただきたい。これは防災科学研究所のHi-net地震観測システムによる最近の震源のマップである。これの地域を「日本全国広域」に、「最新30日間」に設定したのが、以下のページだ。
要するに地震国にとって、原発の安全な立地場所などないのである。
しかし――。
国の隅々にまで行きわたった原子力産業の利権システムを考えると、早々、簡単に全国の原発が止まるということもないだろう。
その意味では、たとえ浜岡が止まったとしても、日本が神頼み国家であることに変わりはない。
ただ、浜岡が止まった場合、これを動かすことは二度とできないと私は思っている。なかには、「防潮堤などの対策を施した上で、二年後には動かすのではないか」という意見もあるが、それはおそらくない。
なぜなら、その頃にはますます福島の状況が悪くなっているはずだから――。
そして、時間とともに次第に日本の原発が停止に追い込まれていくのではないかとも実は思っている。
日本は世界でもっとも完成された霞が関による独裁国家であるというのは当ブログのかねてからの主張だが、かつて似たような構造の国としてソ連という国家があった。私はこの国家が崩壊したそもそものきっかけはチェルノブイリにあるのではないかと思っているのだが、少なくとも時系列としてソ連がチェルノブイリ後5年で崩壊したことは事実である。
そうして同じように――
日本の完成された独裁システム(=利権システム)も、人類史上稀に見る福島での破局的事故をきっかけに崩壊するのではないかと思うのだ。
私は無神論者であるが、その時までに再び原発を襲う地震が起きないことを願っている。
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コメント
「国会議員全員クビ」
まだ内閣不信任案出さないのか。
あきれたバカ議員ぞろいだ。
政局ごっこは政治不在の証明だ。
こんな世界一恥さらしな三権+マスゴミ癒着談合嘘つき泥棒くそ政府なんぞ日本にいらん。
東北の復興に官の力は百害あって一利もない。
民の力だけで復興させる。官からはいままで談合や天下りで貯め込んで肥え太った私腹を全部吐き出させて莫大な賠償金を国民へ支払わせてやる。
地位協定もさっさと破棄しないと今度は日本が狂犬米軍が仕出かしたリビア攻撃やUBL暗殺等の悪事の仕返しテロ標的にされてしまうぜ。原発もいっぱいあるし、日本国民にとって危険極まりないバカ政府の火遊びオバマ隷従植民地外交だ。
投稿: 通りがけ | 2011/05/08 11:43