平成の大本営発表 ~ メディア総動員による「鬼畜小沢は既得権益集団の敵」
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、本年最初のエントリーは、昨年の大晦日に見たUSTRAM中継について書こうと思っていた。
が、三が日をグダグダと過ごし、昨日の菅直人の年頭会見を見るに至って、そういうわけにもいかなくなった、、、
私はこの会見を見ていて、「かつて日本が戦争へと向かう坂道を転がり落ちて行った時というのは、こんな雰囲気だったんじゃないかナ」と思い始めている。
マスメディアは、もはや総動員体制で小沢一郎の政治生命抹殺と既得権益集団保護という逆コースに邁進し、そこにはメディア間の姿勢の差はない。どうかすると産経が一番まともな記事を書いていたりすることもあるから、もうわけがわからない状態だ。
・【高橋昌之のとっておき】菅首相退陣のカウントダウンが始まる
一方で、昨年暮、朝毎読の編集委員が菅と会食をしたという。
そして、年が明けると「民主は公約を白紙に」(元旦の朝日社説)、「政権公約全面見直しを」(3日の読売社説)と朝読は見事な同一歩調。
昨日の菅直人の記者会見を受けての本日の朝日の社説のタイトルは「首相年頭会見―本気ならば応援しよう」。書き出しは「まずは「その意気や良し」としておこう。今度こそ、ぶれず、ひるまず、掲げた目標をやり遂げてほしい。」で、結びは「もちろん、その環境を整える責任が首相にはある。首相が二つの政策課題とともに、政治とカネの問題へのけじめを掲げたのは当然だ。その第一歩として、通常国会が始まる前に、小沢一郎氏の政治倫理審査会出席を実現する。それがすべての出発点である。」で終わっている。
同じく本日の読売新聞の社説のタイトルは「首相年頭会見 指導力を発揮して有言実行を」。書き出しは「菅首相は今年こそ、首相・民主党代表として指導力を発揮し、有言実行を貫かねばならない。」で、結びは「小沢一郎元代表の政治とカネの問題で首相は、強制起訴された段階で『出処進退を明らかにして、裁判に専念されるのであればそうされるべきだ』と語った。小沢氏の議員辞職まで想定しているのなら、党代表として、離党勧告などの手順をためらうべきではない。ここでも、首相の『有言実行』が試される。」で終わっている。
まことにもって「鬼畜小沢は既得権益集団の敵」なのだろう。
それにしても、昨日の年頭会見における記者連中の質問の、一人をのぞく、そのくだらなさといったらなかった。
※ご覧にならなかった方は↓で完全視聴可能。
・ビデオニュースドットコム
※ちなみに、この会見を「編集」すると↓のようになる。
その、まともな質問をした唯一の記者がフリーの上杉隆である。私はこれを見ている最中にtwitterで以下のごとくつぶやいた。
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上杉氏、官房機密費について質問。
posted at 10:08:43
官房機密費、やる気なし!
posted at 10:09:59
官房機密費こそ政治とカネの問題だというセンスは皆無の菅直人。そして地上波のニュースではこの部分はカットするんでしょうな。
posted at 10:12:40
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で、まあ予想通りメディアは完全スルーだったわけだが、本人が昨日午後、TBSラジオに出演して、この会見について(多少、キレながら?)語っている。
小島慶子キラ☆キラ 2011年01月04日(火) ジャーナリスト 上杉隆さん
※ちなみに、このポッドキャストもTBSラジオのホームページから聴こうとすると、他の番組よりもひと手間多くなっております。
私はこの会見をNHKの生中継で見ていたのだが、会見終了後、スタジオにカメラが戻ると、キャスターと若い政治部の、どことなく自信なさげな若い記者が座ってすぐに解説を始めた。その時の私のつぶやき。
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NHKの解説も小沢。「菅は踏み込んだ発言」だとさ。もう笑える。
posted at 10:20:24
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それに対して@hniimi1949さんからいただいたリツイート。
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会見が終わって2分くらいで政治と金の問題に踏み込んだ、と整理した。あの青二才にそんな能力はなく、上の連中が予め書いた原稿を間違えないで読んだだけだろう。誰か靴でも投げたら何も言えず、面白かったのに。RT “@kappaman: NHKの解説も小沢。「菅は踏み込んだ発言」だとさ。
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本当にその通りですね。
ま、それはともかくとして、2011年はかくのごとく、メディアと菅政権による予定調和、平成の大本営発表で始まった。
と、ここまで書いて「くろねこの短語」さんの本日のエントリーを読んだら、同じようなことが書いてあった。
みんな思うことは同じということだろうが、是非、↓もご一読ください。
・くろねこの短語
「小沢切り宣言」が新聞のトップを飾る情けなさ。
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コメント
いつもお世話様です。何だかんだで2011年を迎えました。ただ明けましておめでとうございますと言える感じじゃないです。
さて、某総理が新年早々、小沢一郎に対して寝言か暴言まがいの事を言っていましたが、この総理の正体が今更ながらだんだん出てきた感じです。この事に関しては次回の書き込み時に時間を割いて書き込みたいと思います。
今回のメインは去年参議院議員になられた有田芳生さんについてです。
私が有田さんに入れた理由は3つ。
1.新党日本の一員として田中康夫とともに2度の選挙を戦ったこと。
2.繰上げ当選を蹴ってまで、同じく新党日本の一員として衆議院選挙に臨んだこと。
3.民主党への移籍のときに、新党日本と民主党との話し合いの上で正式に移籍した事。
もし有田さんが最初から民主党の候補として出馬していたなら自分は有田さんには投票していなかったでしょう。それから有田芳生事務所から封書が来る事があるのですが、有田さんの場合「民主党」というロゴを入れてないところが有田さんの人柄が伺えます。
それからラジオについて。
TBSラジオは他のラジオ局に比べれば、結構踏み込んだ発言をしていて「国会王子」こと武田記者がいるのでまだ安心でしょう。以前は文化放送も聞いていましたが、「梶原しげるの本気でDONDON」が終了してからは、離れてしまいましたね。今聞いているのは、「田原総一朗 オフレコ」くらいです。余談ですが、大竹まことさんが文化放送で一番聴取率を取っていると思いますが、実は知る人ぞ知るTBSラジオのリスナーなんですよね。大竹さんの枠で以前、「やるきMANMAN」(自分もストリームに傾倒する前はこっちのリスナーでした)が4時までの放送だったのに、大竹さんになってから3時30分に短縮されたのは「デイ・キャッチ」への配慮と思うのは自分だけでしょうか。前に「デイ・キャッチ」へゲストで出演したときに「デイ・キャッチ」リスナーだと言っていましたから。
それにしても年末年始のテレビが何とつまらない事だろうか。
長々となってしまいましたが今年も宜しくお願いします。
投稿: 阿部 裕 | 2011/01/05 16:18