大切なのはノイズを出し続けること ~ 11月24日シンポジウム「検察・メディア民主党」
半ば予想されたこととはいえ、沖縄県知事選挙は残念な結果に終わってしまった(私も伊波氏の応援表明ということで、数日前にブログのタイトル部分を黄色に変えてみたのだが、せっかくだからしばらくはこのままでいきます)。とにもかくにも、この結果を受けて菅政権がどのような動きをするのか、、、注視しなければならない。
さて、遅くなってしまったが、11月24日に豊島公会堂で行なわれたシンポジウム「検察・メディア・民主党」について少し書いておきたい。
当日の第1部は小沢遼子氏の司会による、三井環氏、それに民主党から川内博史、辻恵の両議員を加えてのシンポジウムであった。
個人的に民主党にはホトホト愛想が尽きていた私だが、川内議員、辻議員の話を聞いて、いましばらくはこの人たちに期待して応援しようとい気になったものだった(彼らには厳しいヤジも飛んでいたが)。
まあ川内議員については私も知っていたのだが、失礼ながら辻議員のことはあまり知らなかった。
ところが壇上に立った辻議員が「松下政経の人たちが牛耳るような政治では絶対ダメなんだと、、、」といった時には「よくぞ言ってくれたわい!」と思わず拍手をしてしまった(シンポジウム動画の34分過ぎから)。
また、その辻議員の後に登壇した染谷正圀氏による検察審査会の問題点に関する指摘も非常に具体的でわかりやすいものであった(シンポジウム動画の54分ぐらいから ~ 当日の染谷氏の資料はこのエントリーの最後に添付)。
そうして私がこのシンポジウムで一番、考えさせられたのは、会場にいた宮崎学氏が登壇して「ここまで日本を滅茶苦茶にした菅政権は、もはや打倒の対象である。ステージは菅内閣打倒まできいてる」(シンポジウム動画1時間14分あたりから)と言って会場から拍手を浴びた時だった。
確かに菅内閣のやっていることは滅茶苦茶で、これは歴代の自民党政権と比較しても、小泉、安倍、麻生政権に並ぶ悲惨さだと思う。したがって、一刻も早く菅が政権の座を去って欲しいという思いは私にも十分すぎるほどあるのだが、ではその後にどうなるのか?を考えるとハタと困ってしまう。
もちろん、小沢内閣ができれば申し分はないだろう。だが、それは現実問題として当面、あり得ない。となると、むしろ小沢グループを抜いた民主党と自民党とが連立する可能性の方が高いだろう(菅政権にいるのは3年前に小沢の大連立構想をぶち壊した連中ではあるが)。すると、状況はさらにさらに悪化する。
このジレンマをどうすればいいのか、、、これは現時点では本当にわからない。
昨年の衆議院選挙では、長らく続いた自民党政権に対する溜まりに溜まった不満が爆発する形で民主党が政権をとった。だが、その民主党、とくに菅政権のあまりの惨状を見るにつけ、あの政権交代のエネルギーは自民党に戻ることもなく行き場を失い、やり場のない怒りが宙に浮き始めている。
小沢一郎は民主党代表選挙に出馬する前、「この閉塞感のなかにあって、このままではかつてのようにナショナリズムが高まることで、日本はさらに危険な情況になる」と言ったそうだが(有田芳生の『酔醒漫録』~小沢一郎さんの時代認識)、尖閣問題や北朝鮮問題などが勃発し、いよいよその危険性は高まっていると思う。
シンポジウム 第一部 「検察・メディア・民主党」
さて、私はシンポジウムの第1部と第2部冒頭の小沢一郎のビデオレターを見たところで退席させていただいた。
小沢一郎 ビデオレター
シンポジウムは豊島公会堂というキャパの大きい会場であったにもかかわらず、相当な人が入っており、しかもほぼ全員が同じ思いを共有していることで、必然的に熱気もあった。
ただ、これは自らが構成するtwitterのタイムラインにも言えることだが、世の中的に言えば政治や検察に対してここまで意識の高い人というのはきわめて少数派であることも忘れてはならないと思う。
もちろん、その少数派の人たちが一堂に会することができるようになったのはネットのお陰であるが、絶対数としてはまだまだ少ない。したがって、あの場の空気にだけのめり込んでしまうのもまた危険だと私は思う。
いまのところ権力やマスメディアの側は、ネットからの動きについては単なるノイズとして完全無視を決め込んでいる。とはいえ、内心、快く思っていないことは確かだろう。これまで深いところでコントロールできた世論ができなくなりつつあるもどかしさ、恐怖感は絶対にあるはずだ。
そこで大事なのは、こうしたネットを通じてのいろいろな動きを続けていくことだと思う。
一つ一つの動きは小さなノイズであっても、それが重なっていくと大きなノイズになる。
今はとにかくノイズを出し続けることこそが大事なのではないだろうか。
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