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2010/10/05

クイズ「この原稿はどこの新聞社?」 ~ 小沢一郎強制起訴に関する社会部記者の署名記事

さて問題です。
これから本日付朝刊の社会部記者の署名記事を三つ紹介します。
それぞれどこの新聞社でしょう?

(1)
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 東京第5検察審査会が小沢一郎・民主党元代表を起訴すべきだと結論づけた根底には、議決要旨に明記された理念が横たわる。
「国民は裁判所によって本当に無罪なのか有罪なのかを判断してもらう権利があり、検察審査会は国民の責任において、公正な刑事裁判の法廷で黒白をつけようとする制度である」
 検察が起訴を渋っても、無罪か有罪かの決着は公開の法廷でつけるべきだというのだ。こうした考えは、初の強制起訴となった兵庫県明石市の歩道橋事故の検察審査会議決でも示されている。
 検察が100%有罪との確信があって起訴してきたとされるこれまでの刑事裁判とは、真っ向から対立する概念だ。刑事法学者や法曹界の間では、その賛否をめぐる大論争が巻き起こりつつある。「無罪になる可能性が高い人も強制起訴され、冤罪を生みかねない」と懸念する声も多い。ただ一つ言えるのは、一連の検察審査会の起訴議決が、刑事司法のあり方を根本から問い直す可能性があるということだ。
 09年施行の改正検察審査会法で、検察が不起訴にしても検察審査員の判断によって起訴することが可能になり、検察が独占してきた起訴・不起訴の判断に市民の目が風穴を開ける余地が生まれた。同時にスタートした裁判員制度とともに「市民の司法参加」の両輪と位置づけられ、国民から遠い存在だった司法を市民目線から変えていく期待がある。
 有罪率99%に象徴されるように、検察の主張が大方通ってきたのが日本の刑事裁判の特徴だった。密室の取調べで取られる調書を裁判所は重視し、被告が法廷で否認に転じても調書を優先してきたという批判は強い。
 そうした「検察絶対優位」の裁判から裁判所が有罪・無罪を決める本来の姿に立ち戻ることを検察審査会は迫っているともいえる。同時に、「逮捕・起訴イコール有罪」とみなしがちだった社会やメディアも大きな転換を図らなければならない。
 今回は「政治とカネ」の問題で起訴議決に至った初のケースだ。政治不信が高まる中で、実力者として君臨してきた小沢氏の「錬金術」の一端が違法かどうかが公開の法廷で審理される意義は大きい。その裁判の行方は、検察審査会のあり方をめぐる議論にも大きな影響を与えるはずだ。
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※ひとことコメント
有罪率が99%というのは確かに異常だが、その検察があれだけ大掛かりに捜査をしても起訴できなかった事案。検事総長が起訴できないといっているのに、膨大な捜査資料を前にして1週間ほどで「起訴すべし」と結論づけられる素人の集団とは何なのかという疑問はこの筆者にはないようだ。
ちなみに、不動産取得時期と代金支払時期がズレているのが「錬金術」なのだろうか? そうではなくて「添付されている別紙犯罪事実には、検察の不起訴処分の対象になっていない収入面の虚偽記入の事実が含まれている。」(郷原信郎のツイート)という部分が「錬金術」だというのなら、郷原氏は「検察の公訴権独占の例外として検察審査会議決による起訴強制が認められている趣旨に照らして、不起訴処分の対象事実を逸脱した被 疑事実で起訴相当議決を行うことは許されない。今回の起訴相当議決は無効であり、強制起訴手続をとることはできない。 」と言っている。


(2)
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 検察審査会は小沢一郎民主党元幹事長に再び厳しい判断を下した。前回議決時から審査員のメンバーが一新されてもなお、「法廷で判断を」という市民の姿勢が変わらなかったことの意味は大きい。
 今回の議決は、四月の一度目の議決に比べ、小沢氏と元秘書らの供述の信用性をより詳細に検討。その上で、検察の不起訴処分に異議を呈した。強制起訴制度をめぐっては「市民感情で起訴の判断をしてもいいのか」という批判があるが、議決には、そうした声を封じる重みがある。
 国民は長く、検察の判断に一定の信頼を寄せてきた。しかし、陸山会事件をはじめ、兵庫県明石市の花火大会事故などで検察の不起訴が繰り返されても、検察審査会が起訴議決するケースが相次いでいることは、市民が検察の判断を絶対視しなくなっていることの表れと言える。
 加えて、厚生労働省の文書偽造事件の無罪判決や、証拠改ざん事件や不正隠ぺい事件は検察への信頼を崩壊させた。
 日本では、検察が起訴した事件の有罪率は99%。このため、国民には「起訴イコール犯人」という意識があったことは否めない。
 陸山会事件をめぐる二つの議決や検察不信は、“白黒”を判断するのは裁判であるという、刑事司法の本来の姿を再確認させようとしている。
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※ひとことコメント
郵便不正事件の証拠改竄は検察への信頼を崩壊させた。だから小沢の不起訴も信頼できない、と。いやはやすごい論理展開だわ。


(3)
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 今回の起訴議決は「政治とカネ」に対する厳しい市民感覚を反映しており、刑事被告人がほぼ有罪と見られる日本社会の意識改革を迫ったといえる。審査過程の透明化など制度見直し論も浮上。有罪立証に導くハードルも高く、政界や司法に様々な課題を投げかけた。

当面混乱は続く

「(検察審の制度は)公正な刑事裁判の法廷で白黒をつけようとする制度である」。議決書が結論でうたう理念は、「100%有罪との確信」を前提にしてきた検察当局の起訴基準にこだわらず、裁判を真相解明の場と明確に位置付けた。
 日本の刑事裁判は「起訴=ほぼ有罪」がこれまでの社会の共通認識。仮に裁判で無罪になったとしても、起訴による被告や関係者の社会的ダメージは計り知れない。検察内部には「起訴の目的が真相解明になれば公判の性質が変わってしまう」との懸念が強い。今後は捜査のプロと市民の「二重基準」が刑事裁判に混在し、当面は混乱が避けられないのが、わが国の司法制度の現実だ。
 公判段階でも「疑わしきは被告人の利益に」という刑事司法の原則に立ち返ることで、「検察至上主義」からの脱却を図る絶好の機会だ。小沢氏にとっても、自らの潔白を主張する機会を得たといえ、「調書主義」から「法廷主義」という刑事司法の変化を象徴する裁判となるのではないか。
 一方で浮かび上がった疑問点も数多い。

見えぬ検討過程

 議決から約1週間後、大阪地検特捜部の捜査資料改ざん・隠ぺい事件が発覚。逮捕された元主任検事は、小沢氏の元秘書の取り調べも担当したが、事件発覚後に検察審が調書などを見直す議論を再開した形跡はない。
 小沢氏本人の直接的な関与を示す客観的な証拠はなく、立証の柱は、秘書らの供述だ。調書の信用性が揺らぎ、秘書らも無罪を主張する中、調書の信用性をどう検討したのか議決からは読み取れず、審査は不十分との印象はぬぐえないだろう。
 審査過程の不透明さや外部のチェック機能も不十分だ。殺人など重大事件に罪名を限定した裁判と同様に、政治事件の審査を対象外とすべきだとの声もある。無罪判決が出た場合の責任の所在もあいまいだ。
 改正検察審査会法の施行や裁判員裁判、被害者参加制度の導入で、刑事裁判に市民感覚が吹き込まれたのは事実だ。ただ強制起訴はいずれも検察が起訴できないと判断したケース。無罪判決が続出することも予想され、「二重基準」のままでいいのか、あり方を真剣に議論すべきかもしれない。
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※ひとことコメント
上記三つのなかで一番まとも。一部、社の方針と個人の意見(良心)の間で論理がグダグダになるが、それでも他の二つに比べると今回の強制起訴の問題をきちんと指摘している。


さてみなさんいかがですか?
ちなみにこの原稿のそれぞれのタイトルは、

(1)刑事司法を問い直す契機 

(2)法廷判断 強く求める

(3)検察審が生む二重基準

です。

では以下に正解。

(1) 毎日新聞 (署名は社会部長・小泉敬太)

(2)東京新聞 (署名は社会部・飯田孝幸)

(3)日本経済新聞 (署名は社会部・丸山寛朝)

です。

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