この国の最重要課題は「空気」で人を裁くメディア(マスゴミ)を潰すこと
案の定、検査審査会による小沢一郎の強制起訴について、ボロボロといろいろな問題が出てきた。
・ニコニコニュース
小沢氏「起訴議決」に「重大な問題」発覚!
・ニコニコ生放送
【出演】
司会:角谷浩一氏
パネラー
民主党:原口一博 前総務大臣
自民党:柴山昌彦 党副幹事長
社民党:保坂展人 前衆議院議員
弁護士:郷原信郎
緊急特番「徹底討論!民主党小沢氏強制起訴を問う」
・低気温のエクスタシーbyはなゆー
検察審査会「小沢起訴の議決文」が石川議員起訴状を丸写しした疑い
上記のニコニコ生放送の原口一博の話は驚くべきものだ(1時間18分25秒あたりから)。なんと起訴議決が出た後にコメントを求めに原口のところへやって来た多くの記者が、その議決内容について知らなかったのだという。
確かに昨日のエントリーで紹介した毎日新聞社会部長の署名記事を読むと、本当にこの人は起訴議決をきちんと見た上で書いているのか大いに疑わしい。
あるいは朝のワイドショーでこの件について解説しているアナウンサーや、それに対してコメントをしている司会者、タレントにしても、ほとんど議決内容は自分自身では見ていないだろう。
にもかかわらず、彼らはひたすら小沢一郎が強制起訴されたという一片の事実をもって、離党をしろとか議員辞職をするべきだとか、あるいは政治生命はこれで終わったなどとコメントしている。
その目的は「強制起訴」という事実を記号化し、それを操作することで広く国民に「小沢=悪=これで政治生命終了」という空気を吸わせることにある。つまり真実などはどうでもいいのだ。
しかし、それにしても今回の事案は郷原信郎によれば、本当に起訴できるのかどうかも微妙で、たとえ起訴しても誰が弁護士をやっても無罪になるという。実際、そういう懸念をチラリと書いている新聞もある。つまりメディアのなかにはこの案件が無罪である可能性が高いことを知っている人間もいるのである。
にもかかわらず、「強制起訴」だけを大々的に垂れ流す理由は、この一件が小沢一郎の政治生命を抹殺する最後の大チャンスで、ここで小沢の政治力が落ちれば、何年か後に無罪になろうがなんだろうが自分たちの知ったこっちゃないということだろう。
そこで本日の朝日新聞・天声人語を読まれたい。
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起訴される小沢一郎氏は涙した、と報じられた。「これは権力闘争だ」と。だが、起訴を決めたのは権力とは無縁の、氏が言う素人である。公開の法廷で決着させたいという素朴な感覚に、〈闘争〉の計画性やねちっこさはない▼国会での説明を避けてきた小沢氏は自業自得だろう。堂々と証人喚問に応じていれば、「素人」の心証も違ったはずだ。いやしくも政治家なら、お白州の前に赤じゅうたんの上で説明責任を果たしてはどうか▼立つ瀬がないのは検察だ。郵便不正事件では、無理を重ねて無実の民を起訴した愚を問われた。こんどは不起訴の判断を、平均31歳の検察審査会に「有罪の可能性があるのに不当」とやられた。幹部は「好きにやってくれ」と、やけのやんぱちである▼推定無罪とはいうが、一般公務員は起訴されたら休職となる。郵便不正事件で不当逮捕された村木厚子さんは、5カ月も自由を奪われ、復職までの1年3カ月を無駄にした。立法という究極の公務に携わる小沢氏も、「政治休職」するのが筋だ▼昨日の各紙社説は、本紙と産経が議員辞職を求めたほか、毎日が「自ら身を引け」、日経が「最低でも離党を」、読売も「政治責任は重い」と氏に辛い。マスコミだけが世論とは言わないが、今さら「闘争」でもなかろう。この日本にそんな余裕はない▼思えば、民主党の代表と首相になりそこねたのは、国民にとっても小沢氏にとっても幸いだった。景気に予算、対中関係、ねじれ国会。このうえ裁判対策ときては、国も体も持つまい。潮時である。
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検察による証拠改竄で不当逮捕された冤罪事件を例にあげて、「村木さんも休職したんだから小沢氏も政治休職しろ」という。この事件ではさんざん自分たちも検察のお先棒を担いだにもかかわらず「郵便不正事件では、無理を重ねて無実の民を起訴した愚を問われた。」とまるで人ごとだ。
驚くべきメンタリティである。
この新聞社には、自分たちも加担した冤罪事件が一人の人間の人生を大きく狂わせたことに対する反省のカケラもない。
そうして他社の社説も俎上に上げて小沢に辞任を迫る。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とはよく言ったものだが、このメディアが作る「空気」による支配、「空気」による断罪を一刻も早くぶち壊すことが、この国の最重要の課題だと私は思う。
※昨日も紹介した「朝日新聞の戦争責任」という本について、こちらのページに以下のようなことが書いてある。
「 戦時中の新聞は言論統制されていたから、責任は問われないという見方がありますが、現実にその紙面を見るとそれはウソであるとわかる。 統制は確かにあった。しかし、勝利戦報道による売上大幅増加に味をしめ、むしろ統制が求めた以上に率先して戦争を煽りまくり、 結果として軍部をして、負けを認めることが不可能な地点まで追い詰めていったのが真実に近い。」
まるでいまの検察とメディアの関係とソックリだと思うのは私だけだろうか。
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