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2010/10/21

小沢問題があぶり出す「恐ろしい国・日本」の仕組み

昨日、弘中惇一郎弁護士が小沢一郎の弁護を引き受けるというニュースが流れた。
これは久しぶりのグッドニュースだと思う。なによりも、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とばかりに、やりたい放題やっているメディアに対して一定の歯止めになるだろう、、、

その数日前には、小沢一郎側が申し立てていた強制起訴議決の執行停止を東京地裁がアッサリと却下した。
私はこのニュースを見て、「やっぱりこの国は恐ろしいナ」と改めて思った。
というのも、この決定を下した裁判長に検事の経歴があることをネットで知ったからだ。

かねて私は当ブログで「日本は北朝鮮などとは比べものにならない、高度に洗練された独裁国家である」と主張してきた。その日本的独裁のエッセンスは民主主義の皮をかぶっているという点にある。
したがって、一見するとすべての事柄が民主主義的な法手続きに則って行なわれているように見える。
が、実はその随所に巧妙な罠が仕掛けられているのが日本的独裁の特徴だ。

総理大臣を目前にした有力政治家でさえも、罪を捏造することで権力の座から引きずり下ろすことができる国・日本。
しかも、最終的に検察が起訴できなくても、法律に則って選ばれた(年齢不詳の怪しげな)一般人が「起訴するべき」という議決を出せば起訴されてしまう国・日本。
「いくらなんでもこれはおかしいだろう」ということで、その議決の停止を求めても、法律に則って(元検事、つまり検察の身内である人間が)それを却下する国・日本。
一見すると、すべては法手続きに則っているが、そのすべてに作為がある。だが、民主主義的な手続きを踏んだ結果なのだから小沢は政治家を辞めるべきだと主張するメディア。しかし、そのメディアが流す情報は権力と一体化した記者クラブによってしっかりと統制されている国・日本。

見事といえばこれほど見事なシステムはない。
しかし、だからこそ国民はまさかこの国の本質が独裁であるとは思いもしなかった。ゆえにこのシステムによって被害を受けた人や少しく疑問を持った人たちでさえ、「これでは民主主義国家とは思えない」という民主主義を前提とした感想を述べるしかなかった。

しかし小沢問題は、完璧なシステムに隠れている独裁の罠のありかを逐一国民に教えてくれる。その意味では、小沢一郎氏には大変申し訳ないが、今回の氏をめぐる一連の問題は非常に有意義だと思うのである。

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コメント

そろそろ日本国民も本気で行動しなければならないときが来ているようです。

投稿: タケゾー | 2010/10/23 16:18

審査会召集に重大な疑義(以下検察庁Q&Aより)
【検察審査会の構成】
Q9 検察審査員の任期はどれくらい?
A9 任期は6か月で,いつから始まり,いつ終わるかは,第1群から第4群までのうちどの群の検察審査員・補充員として選ばれたかによって異なります。
第1群;前年12月28日までに検察審査員・補充員が5人ずつ選ばれ,任期は2月1日から7月31日。
第2群;3月31日までに検察審査員・補充員が6人ずつ選ばれ,任期は5月1日から10月31日。
第3群;6月30日までに検察審査員・補充員が5人ずつ選ばれ,任期は8月1日から翌年1月31日。
第4群;9月30日までに検察審査員・補充員が6人ずつ選ばれ,任期は11月1日から翌年4月30日。
※検察審査員候補者は,各検察審査会ごとに第1群から第4群までの4つのグループに分けられる。
その2:【審査会議】
Q50 会議の期日の通知は,会議の何日前ころにあるのですか?。
A50 最初の会議の通知は,1か月くらい前にあります。それ以降は開かれた会議の席上で検察審査員の方々の都合も考慮して決めています。
上記により、第1回議決は4月27日で1群と4群の審査員で構成。(召集期日は確認していないが、妥当と思われる)
第2回議決は10月4日であり、2群と3群の審査員で構成され、読売、毎日ノ報道により、吉田弁護士は実際の審議は8月の月始めとある。この審議委員の招集は、上記Q&Aに矛盾する。やはりこのような会議招集は役人仕事からして1月程度の準備は必要と考える。検察事務に情報開示させたいものだ。これは、民主代表選と関連があるのだろうか。

投稿: 魑魅魍魎に加えられない男 | 2010/10/22 16:37

総選挙の国民審査では最高裁裁判官を全員不信任投票して日本の司法から追放しよう!

投稿: 通りがけ | 2010/10/22 07:36

本当にその通りだと思います。
この一連の問題がなければ、私なんかが権力の隠された構造をはっきりと認識することは出来なかったでしょう。
でも、小沢氏が国民を覚醒させる爲だけの人柱で終わったら、あまりにももったいない。何とかして現状を打破したい思いです。

投稿: K.T. | 2010/10/21 21:49

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» 恐ろしい独裁国家・日本の仕組み [途上にて]
正に、その通り。全く簡潔・明瞭に今の日本の現状を指摘している。 [続きを読む]

受信: 2010/10/27 23:48

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