民主党代表戦 ~ 議員秘書I君への手紙
I君、民主党代表戦、お疲れさまでした。
7月の参議院選挙では有田さんの選対に派遣され東奔西走、そして民主党代表戦でも小沢陣営の下っ端秘書として走り回ったことでしょう。二つの選挙と記録的な酷暑を合わせて、この夏はI君にとって後々まで記憶に残るものになるのではないでしょうか。
それにしても小沢先生の代表戦での敗北は残念でした。
振り返れば参院選、われわれが応援した有田さんは念願かなって初当選、それも民主党の比例区候補としてトップ当選という望外の結果を得ましたが、民主党全体としては参議院での過半数を失う大惨敗を喫してしまいました。
その最大の原因はどう考えても菅総理の消費税増税発言で、実際、選挙期間中は有田さんもその説明に追われたものでした。
選挙後に行なわれた参議院選挙を総括する両院議員総会での菅総理の虚ろな目を見ていると、とても昨年夏に日本の歴史上、初めての選挙による政権交代という“革命”を託された政党の現党首には見えませんでした。
にもかかわらず首相続投の意欲だけは示したこの人物を見て、私は暗澹たる気持ちになりました。
その後、何人かで集まって飲んだ時には「今度の代表選、小沢さんが出て欲しいなあ」「でも出ないんじゃないですか、、、」という話になり、それとは別に失業者である私が冗談で「市議選にでも出ようかな、、、」というと、「小沢新党で出ればいいじゃないですか」とか「無所属小沢系がいい」なんていうバカ話で盛り上がりました。
それからしばらくして小沢先生が代表選に出馬するかもしれない、、、という情報が流れてきました。
実は私は最初にこのニュースを聞いた時点で、今回は絶対に出馬するんじゃないかと思いました。そして、このタイミングで代表選に出るということは、われわれが思っている民主党政権に対する危惧、危機感と同じ思いを小沢先生も持っているはずだと確信しました。
その後、鳩山前首相が調整に入ったりして、一部メディアは出馬回避の方向と書き立てたけれども、その時点でも私は絶対に出馬すると思っていました。だから、代表選挙が行なわれると決まった時には気合いが入って、思わずI君にもメールを送ってしまいました。
※その時に書いたエントリーがこちら↓
・民主党代表選 ~ 断固として小沢一郎を支持する理由
しかし、その直後から予想通り、メディアによる常軌を逸した大々的な小沢バッシングが始まりました。これまでも小沢バッシングという現象は数多く見てきたけれども、スケールの点で過去に例のない、日本のメディア史上でも特筆すべき一人の人間へのバッシングであったと思います。それはまさに、独裁国家において民主化のリーダーを叩き潰す他国の例を想起させるものでした。
「マスゴミという言葉を使うのはよくない」と親しい友人に言われてしまったけれども、でもやっぱり私は総体としてメディアはマスゴミだったと思います。
それほどまでに過酷な状況の中で、それでも闘い抜いた小沢先生や支援した議員のみなさん、秘書のみなさん、地方議員のみなさんにはただただ頭が下がるばかりです。
結果は負けでしたが、しかしこの闘いは決して無駄なものではなかったし、それどころか新たな希望の光が見えてきたと私は思っています。
あれほどまでに大々的にマスゴミがネガティブキャンペーンをしているにもかかわらず、菅、小沢の二人が一緒に立会演説会をすれば圧倒的な小沢コールが湧き上がる。しかも、それが既存メディアとはまったく別のネットというルートからダイレクトに入ってくる。そこにはまさにメディアがマスゴミと言われる所以である意図的な編集の介在する余地はまったくなく、彼らが情報を捏造すればするほど、既存メディアに対する不信(=マスゴミ指数)が高まっていったと思います。
とはいえ、もちろんまだまだテレビ、新聞だけから情報を得ている人が圧倒的に多いことも事実です。一方、ネットの力はまだまだ弱い。それが今回の結果に表れたのでしょう。
しかしながら、実はマスゴミが菅圧勝と書き立てるほどにその差は開いていません。
たとえば、↓の人は私とはまったく違う立場だけれどもこんなことを書いています。
・花岡信昭「はなさんのポリログ」
菅首相の「大勝」は錯覚だ
そもそも長年にわたって一つの国を支配してきた権力を倒すのは簡単なものではありません。まして日本という国は明治以来、官僚が支配してきた独裁国家であって、そんじょそこらのヤワな独裁国家とは違うのです。その権力に対して一度や二度負けたからといってヘコタレている場合ではありません。中南米の反米諸国の根性を見習いましょう!(笑)。
あの金大中だって大統領の座に到達したのは70歳を越えてからです。それを考えたら小沢先生にはまだまだ頑張ってもらわなければなりません。
I君もその日が来るまで今の先生のもとでさらに研鑽を積んで立派な秘書になってください。
とりあえず次の飲み会でI君の一皮むけた姿を見るのを楽しみにしています。
※twitterではつぶやきましたが、このブログでは書かなかったことを記しておきます。
私は有田選対に入った時に民主党のサポーター登録をしており、したがって今回の代表選では投票権がありました。その投票用紙が↓です。
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コメント
管理人さん、皆さん
”名古屋”へ注目して下さい。”減税・地域主権・庶民革命を掲げる”河村市長の『名古屋市議会解散署名』運動です。
是非、声を挙げて下さい。残り7日の署名の成果で、”勝利か失敗か”決まります。
名古屋の河村『庶民革命』と、小沢氏の『国民の生活が第一』とは、同根です。
ウラでは、河村たかしと小沢一郎は繋がっています。(昨年の小沢代表時の、名古屋市長・推薦の経緯。今参院選時の、小沢系のみへの河村氏の選挙応援・・・)
名古屋≪既得権益・似非市民議会の『市議会解散署名運動』を応援して下さい。(僕とネット仲間は23日&24日街頭署名活動の手伝いに東京から行きます。)
★22日(水)には、あの「俳優 菅原文太」も応援集会に名古屋へ来ます。
※参考までに、下記URLを。
【勝手連:第四回フォーラム】河村応援団長「菅原文太氏」が名古屋を斬る!! http://www.kawamura-katteren.com/index.php/archives/152
【名古屋市議会:リコール署名運動 ボランティア、県外からも--河村市長に賛同】毎日JP記事
http://mainichi.jp/chubu/seikei/news/20100907ddq041010011000c.html
投稿: 通称・勝手連 | 2010/09/20 09:33
一々納得して拝読しました。
ネット上での世論調査が話題になりましたが、特に政治にコミットした層を対象とするページは別として、のアンケートをみるとほぼ互角でした。
具体的には、多少の記憶違いがあるかもしれませんが、下記のようでした。
Yahooニュース 小沢46%>菅45%
ロイターHP 小沢42%<菅48%
日経HP 小沢45.4%<菅54.6%
不思議なほど、議員の投票結果に符合しています。
日頃特に強い政治意識は無いが、大手メディア以外の情報も視野に入れている人々の意見なのだろうと思います。付随したコメントなどを仔細に見てみると、政治と金というマスコミのプロパガンダの影響はそれほどでもありません。両派の路線の違いをちゃんと認識しての支持のようです。つまり革命派と修正主義派が拮抗している状態なのでしょう。
では、いわゆる世論調査との差は何ゆえかを愚考してみると、一割は何が何でも小沢嫌いという人がいるでしょう。かの小泉支持が90%に達した時でも10%は反対だったわけですから。あとの二割はマスコミの言うがままに動く人です。これがいわゆる「風」と考えます。それらを差し引いた残りの人々が本当の潮流を作ると考えれば平仄が合うのです。
今回敗れはしましたが、大事な潮流を作る人々の意識に大きな変化をもたらしたと思います。
只残念なことに、小泉竹中のエセ改革路線のトラウマもあり、ツイッターの第一人者津田大介氏が述べているように「手段を選ばず突破することへの素朴な忌避・恐怖感が日本社会にはあるのかもね…」を、打ち破るまでには、もう一歩の努力が必要なようです。
修正主義路線が単なる彌縫策でしかない事を国民の共通認識とするまでにはもう少し時間がかかりそうです。貴ブログのような先見性を持つ方に根気強い発信を続けてくださるようお願いするしだいです。
追伸 小室博士の訃報のエントリーにコメントした「K」は私です。名前欄への入力ミスで失礼いたしました。
投稿: K.T. | 2010/09/19 11:26
昨年より時々拝読していました。カッパさんの記事はその声が聞こえてきそうな、心に響くモノローグです。
昨日、代表選での我が家をスケッチしてみました。
代表選の昼、友人知人たちが集まる。知人、開口一番小沢さん支持する議員いるのか。ええ?菅さん支持なんて言える議員がいるのか、という友人たちで議論始まる。管さん支持の知人は、仕組みをかえるなど出来ないことを言っている、コロコロ変えるのは、まだ三ヶ月だと、なにひとつ良い理由はあげられない。彼の情報源は刻まれ編集されたテレビニュースやワイドショーと新聞見出しのみだった。
小沢支持の友人たちは、マニフェストをかつてに変更した菅さん続投は政権交代が台無しになる。改革が出来るのは小沢氏だ。戦わない政治家はいらない。菅さんの実績は参院選大敗北、、。彼らの情報源は既存メディア+ネット上の情報、週刊誌、書籍と多岐に。さらに候補者の記者会見、討論会、政権政策等のすべてを自分の耳で、聞き、目で確かめ、読んでいた。
結果が出た夕刻、思った通り菅さん当選だった。でももう民主党は信用できないから、支持することはない、と淡々と電話してきた知人。
そして、夜半、残念だったと小沢支持の友人からは、水面下でのいろいろあっただろうが、国民の生活が第一の国に変えたいと言う旗を降ろさずに決心した改革の志高い議員が200人もいたことは、希望だ。戦いはこれからも続く、。国の形を作り替える大事業、簡単進むわけないもの。しっかり応援していきたいと。熱のこもった電話があった。
夜更け、新社会人の青年と、お昼間の友人会合について話す。情報量の違いだね。情報の貧弱な人ほど菅さんで、多い人ほど小沢氏支持だね。僕だって、小沢氏の事知れば知るほど小沢氏しかないと思ってきたからね。小沢氏当選を疑っていなかったらしく、議員は何を考えているんだと、大きなため息。力強い演説を聴いた後、彼の中には小沢ブームが起きている。小沢氏の著作を手配中だ。
菅さんに続投で誰が一番、得をしたのだろう。
勝利嬉しいはずの菅さんのうつろな自信のなさそうな目が気になる。
そういえば、菅さんとオバマさんのツーショット見たとき、なんだか大家さんに挨拶しているみたいだなあ、と日記に書いたことを思い出した。
本当に200人もの改革の志士が顔を挙げたことは日本の希望だと思う。
投稿: Livia2930 | 2010/09/17 12:03
経団連言いなりになっているほうが、よっぽど政治と金の問題だと思いますが。為替介入も、為替差損に対する損失補填です。公的資金注入です。一部の大企業を優遇するために、庶民を犠牲にする政治こそが、最悪なものです。
正直言って民主党自体全く支持していませんし、小沢のことも全く良いと思いません。しかし、「小沢すら弾圧されている」ということが、非常に危険なことだと思っています。小沢を支持はしませんが、擁護します。
弱者が生きられない社会であってはならない、という思いは、管理人さんと同様であります。スタンスは異なってくるのかもしれませんが、その点は共有できると思っています。
消費税増税されたら、多くの企業や個人が野垂れ死にすることになります。低福祉高負担なんて論外です。
なお、民主党内の極右議員が投票黙秘していましたね。党内融和を乱したくないとのことです。日頃さんざん党に不平不満をいっておいて、そういう時だけ言うなよと思います。
投稿: ルーピー | 2010/09/16 20:34
こんにちは。初めてのコメントです。
鳩山さんと岡田さんとの代表戦の頃から拝読させていただいています。
今回の小沢さんは、本当に残念でなりません。テレビで見たのですが、代表戦の前日になっても、有田さんはどちらにするかまだ、決められないといわれていました。一体、これはどういうことなのでしょうか。ご自分が出馬を決意をされたときのことを思えば、悩むことではないのではないかと、、、
マスコミのことをよくご存知の有田さんなだけに、大変残念です。
今後、民主党の議員へは、注意深く投票しなければならないと、参議院のときより、考えています。
投稿: めり | 2010/09/16 17:24
ゴミウリ軍団の日テレ粕谷解説主幹、青山デスクそして辛坊らは異口同音に負けた小沢支持派は縮小し消滅するの一点張り。さぁ次は検察審査会だと手薬煉引いております。その魂胆は自民復権による既得権益保持と民主壊滅か?“ねじれ”を礼賛し自民に菅グループと保守派政党の取り込みを促させ世論操作で解散総選挙に仕向けるはず。
さぁ皆さんで陰謀を潰してあげましょう!
投稿: リキロン | 2010/09/16 16:19
このサイトには初めての投稿になります。有田さん当選後は実際気が抜けたようになりましたが、ようやく民主党代表選が刺激になり戦線復帰です。有田さんのジャーナリスト世界の先達の一人であった山川暁夫氏の論考により、田中角栄のロッキード事件がそもそも米国の陰謀であったと理解してきた私にとっては菅さん支持ははじめからありえない選択でした。有田事務所に来ていた私の旧友たちも全員小沢さん支持で、我が家も夫婦そろって投票したのに、全く残念な結果でした。
「ノーサイド」とは言うものの、今朝のマスコミ報道をチェックする限りは、どこまで本気に挙党新体制を組むのか怪しいものです。半年もつかどうか。せめて有田さんになんらかの場を見つけてもらいたいものです。
では次の飲み会にまた。
投稿: 府中住民 | 2010/09/16 10:52