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2010/08/30

民主党代表選 ~ 小沢一郎は菅&メディアの策動に乗らず、代表選を闘いぬくべきである

この週末のメディアの報道で何よりも違和感があったのは、あれだけ小沢一郎を叩いて菅直人を持ち上げていた朝日新聞が、突如として菅直人の側近中の側近である仙谷由人の政治資金問題を一面トップで書いたことだ。
ちなみに、この件は1年以上前にブロガーが指摘していることであって、朝日のスクープでもなんでもない。

・地獄への階段
【不思議発見!】仙谷 由人議員の政治と金

私は朝日新聞で働いている人に聞いたのだが、この会社には調査報道班というのがあり、ここのグループはひたすら政治資金収支報告書を見るのだそうだ。

・6月23日の私のtweet
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A新聞社にいた人から今日聞いて面白かった話。この会社には調査報道班というのがあり、ひたすら政治資金収支報告書を見てるんだそうな。普段は10人弱だが、組閣があると支局からの応援もくるとか。ずーっと紙の資料を見ていると頭がおかしくなるらしい。
*****

仙谷由人は内閣の要である官房長官である。しかもメディアは「政治とカネ」についてここのところ大騒ぎをしている。
だとしたら仙谷の政治資金収支報告書は穴のあくほど見ていたはずで、この程度の事務所問題はその段階で気づいていたはずだ。にもかかわらず当時、朝日新聞はまったく書かなかった。
その問題をここに来て突如浮上させたからには、何らかの意図がないはずがない。

一方、8月26日のエントリーでも書いたが、25日の夜、仙谷と思われる政府首脳は「小沢氏が立候補して、選挙によって日本の政治に決着がつくのであればいいことだ」と言っている。

・小沢氏 立候補の意欲伝える(NHK)

また、菅直人も「小沢先生が出馬することは大変にいいことだと思っている」と言っている画像が何度もテレビで流れたものだ。
そうしてテレビはまたもや小沢一郎の大バッシングを始めた。
小沢が出馬表明をして以来、私は普段は見ないテレビのワイドショーなどを嫌々ながらも極力見るようにしているが、まあ呆れ返るという言葉では足りない、絶句、慄然とするほどの偏向報道を続けいてる。
田崎史郎や岸井成格といった、そもそも官房機密費授受疑惑のある人物が出演している番組はもちろんのこと、昨日の昼にテレビ朝日でやっていたワイドショーがひどかった。
これはtwiteerでもずいぶんと話題になったが、スタジオに小沢支持派である森ゆうこ議員を呼び、これを司会者以下出演者全員で袋叩きにするという企画である。
そして森ゆうこ(役者不足であったことは否めないが、そういう人物をキャスティングするところに局の意図がまざまざと見える)が政治とカネの問題についての司法判断についての話をすると、この番組の司会である男性アナウンサーは、

「でも、まだ証拠が見つかっていないだけかもしれないじゃないですか」

とのたまったものである。
こうしてテレビが必死に反小沢キャンペーンを張りながら、一方で通信社や新聞社が誘導尋問の「世論調査」をする。となれば当たり前の話だが菅続投を支持する率が圧倒的に高い。これをもって、「小沢は世論と敵対するのか」と迫る。

さらにメディアは「どうしても代表選をやるのなら政策論争をすべきで、泥仕合をやるべきではない」と言いながら、菅陣営からリークされた情報をそのまま垂れ流している。

・小沢代表当時の資金配分を調査…菅氏側

これはtwitterでもつぶやいたが、このような情報を流すのならば「菅首相に近い民主党幹部」は実名にすべきだろう。
が、そもそもここにある2006年から2009年の小沢一郎の代表時というのは、天下分け目の参議院選、衆議院選の期間であるわけで、そこに向かって特定の議員に政治資金を配分するのは当たり前のことだ。
地盤も資金も鉄板の候補にカネをいくら投入しても無駄なのであって、それこそ大量に擁立した新人議員や危ない選挙区に資金を集中するのは当然ではないのか。そして結果として2006年の参議院選も2009年の総選挙も民主党は圧勝したのである。いったいどこが問題なのか。それとも現幹事長の枝野は、自分には大して政治資金が回ってこなかったと不満なのか。

さて、そうして今朝の新聞報道によると、またしても週末に行ったという「世論調査」の菅直人の高支持率を書きたてる一方で、「首相と小沢一郎前幹事長が全面対決することを回避するよう求める声が広がっている」(読売)、「党内に首相と小沢氏の対決回避を求める声があることに配慮した。」(朝日)と、代表選回避の動きがあることを伝えている。
しかもご丁寧に「首相の再選を支持する仙谷官房長官は29日、鳩山氏と会談。仙谷氏は都内のホテルで記者団に、小沢氏との一騎打ち回避の可能性について『(対決回避は)十二分にあるだろう』と述べた。」(読売)、「仙谷氏も同日夕、『深刻な事態にならないように私も努力したい。(対決回避の可能性は)十二分にある』と語った。」(朝日)と付け加えてある。

以上の流れから私が推測することは、、、

まず菅陣営、そしてメディアは小沢一郎が代表選挙に名乗りあげるとはまったく思っていなかった(岸井成格などは100%ないと言っていたらしい)。
ところが小沢一郎(とそして鳩山由紀夫)は菅政権に堪忍袋の緒が切れており、代表選出馬を決意した。
そもそも小沢は細川政権が下野して以来、ずっと選挙による政権交代実現のため、霞が関独裁から脱却して国民の生活が第一の民主主義政権を樹立することために努力をしてきたのである。途中、民主党のレベルの低さ、政治というもののあまりの理解の低さに内心は呆れ果てだであろうにもかかわらず、我慢に我慢を重ねて政権交代を実現した。ただし最終的な仕上げは今年の参議院選挙での過半数獲得であり、ここにおいて真の政権交代が実現するはずった。
ところがその前段階でのメディアによる鳩山-小沢の根拠のない袋叩きに、さしもの小沢もこれでは最重要である参議院選挙での過半数獲得が難しいと判断して鳩山とともに辞任をしたわけだ。
そうして菅直人に政権を託してみたら、この男はものの見事に官僚に寝返っており、よりにもよって仕上げのはずの参議院選挙で想像を絶する負け方をした。
ことここに至れば、小沢一郎が政治生命を賭けて代表選に出馬する決意をするのは当然であって、鳩山由紀夫がそれを支援するのもまた当然のことである。メディアでは「鳩山がなぜ小沢支持になったか理解できない」とわめきたてているが、これほどわかりやすい話はない。

話を戻すと、おそらく菅陣営とメディアは最初は代表選をやっても勝てると思っていたのだろう。
ところが実際に票読みをしてみると勝ち目はない。さらに、メディアは「世論は菅」と書きたてているが、実際のところネット上では真逆の結果が出ているし、自分たちの「報道=洗脳=空気作り」に対する風当たりがかつてないほどに厳しいものであることを、実は感じとっているのではないだろうか。「これはおかしい、自分たちが思っているように世論が動いていない」と。
そうして小沢政権という霞が関とメディアにとっての悪夢が突如、目前に迫ったことを知った時、彼らは窮余の一策として「スキャンダル」を浮上させることで仙谷を辞任させ(おそらく仙谷も納得ずくだろう)、小沢の代表選出馬をなんとしても思い止まらせることを思いついたのではないか。

まあ、以上のようなことを昨晩twitterでつぶやいたところ、「それは考えすぎでしょう」というコメントもいただいたが、しかし今日までの流れを説明できないこともない。

さて、ここで私は小沢一郎氏に言いたい。
そんなことは百も承知であろうが、代表選挙を自ら降りては絶対にいけない。もしそのようなことをすれば、その時こそ敵の思う壺であって政治生命が終わってしまう。
ここは断固として代表選に名乗りをあげ正々堂々と戦うべきである。
そうして、自分たちが勝てばいいとばかりに小狡い手を使って、結果、民主党全体の名誉を棄損することにいそしんでいる菅グループの連中を引きずりおろし、国民の生活を苦しめる元凶である霞が関とメディアを叩き壊して欲しい。
菅直人のおかげで参議院が過半数割れとなり、これからの道は限りなく険しい。
しかし、それをしのいで「国民の生活が第一」を貫くことができるのはあなたしかいない。

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コメント

私どもは私どもの国際特許「ITSS」http://www.sophy.org/ITSS/ITSS-div.htm の公的応用実施件を、公的ゆえに、国に譲渡することにより、「国庫安定・消費税率上げ」問題も、一番うるさく唱えているのが菅氏である「政治とカネ・行政官・報道癒着」に関する諸問題も、「沖縄・普天間」問題も、「クラウド」に関する情報技術安全保障問題も、一挙解決に持ってゆける提案を、自民党政権時代から「省懲りなく」行っています。小沢氏ならば、政治的実力で、きっとかなえてくれると期待しています。

投稿: Kiyoshi_IWATA | 2010/09/02 19:10

民主党を「烏合の衆」と呼んでいたマスゴミが、党の方向性を定めるであろう今回の代表戦のことを、「民意不在」と言い放ち、ここまで否定する理由がサッパリわかりません。

(国が関与したがために)ずるずる引っ張り続ける日航の経営再建問題、ダム見直しも高速道路自由化もいかにも官僚の屁理屈といった理由で、あっさり撤回した民主党の状況に疑問を抱かない国民はいないと思います。


さらには、小沢および菅氏の政治的な目標や政策を整理することも何もせず、「好き嫌い」や「親小沢vs反小沢」の相変わらずの単細胞的な二元論を振り回し、学級新聞も真っ青の低レベルさには、恥もへったくりもありゃしません。

政治部記者達のプロ意識の欠如(もっと低いレベルの意識の問題のような気もします)には、開いた口が塞がりません。記者会見でノートPCをカシャカシャやって、仕事やった気になっているのでしょうか?
(あの「カシャカシャ」音が異様というか空虚というか、今のマスゴミの姿にダブると感じるのは、私だけでしょうか?)

投稿: 悪代官 | 2010/09/01 12:08

出馬するべきだという結論は同じですが、鳩山・菅・小沢という「老害」の滞貨一掃につながると思っているからです。
しばらくブログを拝見していますが、なぜ小沢がそんなに良いと思うのか、説得力のある説明を見たことがありません。
ちなみに、本エントリー冒頭の仙石氏の資金問題、常識的に考えれば反仙石・菅陣営からのリークが引き金になっている可能性が一番高いでしょう。
小沢陣営はリークなどしないとでも?

投稿: えいはぶ | 2010/08/31 19:59

全面的に支持します。正々堂々と代表選に立ち向かい、威風堂々と論争に勝利し、菅およびその取り巻き連中を粉砕すべきである。

投稿: おやじの怒り | 2010/08/31 08:17

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