« ドキュメント出版社 その9 | トップページ | ドキュメント出版社 その10 »

2010/08/15

渋滞報道の不思議

先週末から今週にかけて、ラジオやテレビではしきりに帰省ラッシュとUターンラッシュのニュースを流している。
とくに今年は高速道路が土日限定しての1000円であるため、過去最大級の渋滞が予想されるという内容が多い。
ところが実際はというと、もちろん渋滞はしているが、それほど大々的な渋滞にはなっていない。
いまこのエントリーを書いているのは15日の12時台半ばであるが、中央道以外は目立った渋滞はない。

というかこれは以前から気になっていることなのだが、ゴールデンウィークやお盆、年末年始といった大型連休が来るとメディアはヘリコプターを飛ばしたり、あるいは実際に渋滞が予想されている高速道路を中継車で走らせたりしてしきりに渋滞報道をするが、「やっぱり普段とは違う大渋滞だな」というようなケースは私の印象ではほとんどない。
そもそも、これまたあくまでも自分の経験上だが、大型連休最終日というのはそれほど大きな渋滞は起きない。
おそらくそれは多くの人ががその時間帯を避けるからであって、一番渋滞するのは連休最終日前日の晩から明け方にかけてではないだろうか(まあ私も最近はあまり遠出をしないので、これも間違っているかもしれないし、いまはさらに分散化が進んでいるだろう)。

にもかかわらず、なぜメディアは連休最終日になるとお定まりの渋滞報道をするのかといえば、とにかく報道する側の思考回路、パターンが固定化してしまっているからなのだと思う。が、さらに今年の場合、高速料金が昨年同時期の麻生政権時代には平日も1000円だったのに対し、民主党政権の今年は土日限定での1000円となったことによる影響を声高に強調しているように見える。
では、誰がこの施策によって過去最大の渋滞が起きると予想しているかというと、それは国交省の官僚である。つまり官僚から記者クラブを通じて下げ渡された情報が、微妙に民主党の政策批判のニュアンス(空気)を醸し出しながらメディアによって大々的に垂れ流されているわけだ。
もちろん現在の民主党の高速道路政策がいいとは私も思わない。だが、この夏の渋滞報道を見ているだけで、「官とメディアは(空気による世論操作を)相変わらずやっとるナ」と思うのである。

|

« ドキュメント出版社 その9 | トップページ | ドキュメント出版社 その10 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 渋滞報道の不思議:

» Twitter Trackbacks []
[続きを読む]

受信: 2010/08/19 00:24

« ドキュメント出版社 その9 | トップページ | ドキュメント出版社 その10 »