参議院選挙 ~ ズッコケ軍団の奇跡 その1
昨年の衆議院選挙は個人的に非常に悔いが残る闘いだった。
それはこちらのエントリーにも書いたが、「本当に人事を尽くしたか?」と問われた時、自分の中で自信を持って「イエス」と答えられなかったからだ。
とくに私が印象に残っているのは選挙戦の最終日の夜。選挙戦を終えて帰宅の途につくと、相手陣営は大山駅前で運動員が最後のお願いをしていた(最終日は20時で街宣車のマイクを止めなければならないが、クルマ自体は走らすことができるし、駅前等で「お帰りなさい!」と声をかけるのは違法ではない)。
それを見た時に、「うちはやらなくて良かったのかな」という思いが心をかすめた。
とはいえ、選挙期間中のあまりの反応の良さを思い返すと、その時点では「だから負ける」という気はしなかった。
その結果が最高惜敗率での落選。
以来、心の中に「やるべきことをすべてやったら結果は違っていたのではないだろうか。自分たちは甘かったのではないだろうか」という悔いがずっと残っていた。
ところが1年を経ずしてリベンジのチャンスがやって来た。だから最初に心に決めたのは、「今回は絶対に悔いの残る闘いにしない!」ということだった。
とはいえ、、、
前回は衆議院選挙、しかし今回は参議院の全国比例区である。
衆議院選挙はわかりやすい敵(相手候補)がいて、選挙エリアも板橋区(東京11区)とはっきりしていた。
ところが今回の選挙エリアは全国なのだから、いったいぜんたいどこをどのように回ればいいのかさっぱりわからない。もう雲をつかむような話である。
しかも選挙制度もわかりにくい。全国比例区は政党名でも個人名でも投票ができるが、比例区の名簿には順位がついておらず、当選は得票した個人票によって決まる。つまり、敵はむしろ民主党の名簿登載者ということになるのだが、この仕組みについて知っている人がそもそも少ない。
そうしたなかで「有田芳生」という名前を有権者に書いてもらわなくてはならないわけだが、実際のところは有田さんが参議院選挙に立候補しているということ自体をどれだけの人が知っているかも疑問であった。
しかも昨年の衆議院選挙、そして前回の参議院選挙では新党日本からの立候補だったのに対して今回は民主党。もし前2回の選挙、とくに衆議院選挙で民主党から立候補していれば確実に勝てたはずである一方、今回の選挙では民主党自体が逆風にさらされている。
もう、ないない尽くしとはこのことだ。
にもかかわらず民主党の選対本部長である石井一氏は「30万票取れ!」と言ったという。これを聞いた時、私は内心、
(゚Д゚)ハア?
と思った。
ちなみに前回の参議院選挙での有田さんの得票は159,814票、衆議院選挙は板橋区内だけで113,998票であったがこれは1対1の闘いの結果であり参考にならない。してみると、30万票というのは想像を絶する途方もない数字であった。
しかも有田事務所はスタッフの数が圧倒的に少ない。どのぐらい少ないかというと、区議選でももう少しスタッフがいるだろうというほど少ないのである。
今回、テレビの開票番組中にいろいろな陣営を見たが、まあどこもかしこもものすごい数のスタッフがいる。ところが有田事務所は前回の衆議院選挙はもうちょっといたかな?というぐらいに少ない。
では少数精鋭かというと、それがそういうわけでもない。集まったスタッフは若者にしても私にしてもどことなく問題ありげな(何しろ私なんぞは50を目前にした失業者である)、他の候補者陣営に行ったらそれこそつまみ出されてしまいそうなズッコケた面々ばかりである。
ご存じのとおり、選挙というのは人海戦術という側面がいたって強い。とくに選挙戦開始直後はポスターやチラシに選管の証紙を一枚一枚貼らなければならないのだが、これが数十万枚ある。もちろんこういう作業については支援してくれるグループもあるのだが、それにしてもスタッフの絶対数が少ない。
そこで私はこれまで選挙などというものにはまったく関心のなかった妻にも「事務所に来ないか」と言ってみた。すると彼女は友だちを一人誘ってやって来たのだが、当初は一日限りのつもりだったらしい。
ところが、、、
山のように積まれたポスターとチラシ、それを前にしてシコシコと証紙を貼っている人数のあまりの少なさに、「ホントにこれでダイジョウブなの? 選挙って期間限定でしょ?」と思い、二人とも愕然としたらしい。
しかもこういう地道な作業をやると彼女たちは速いが、スタッフは何しろズッコケ気味である。こうなると彼女たちの心の中に「いくらなんでもこのままこの人たちを放っておくわけにはいかない」という気持ちが芽生えてしまい、結果、一日限定どころか証紙が貼り終わるまでずっと事務所にやって来ることになる。
そんななかで17日間の選挙が始まった。
つづく
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コメント
応援していましたよ。
田中とは喧嘩別れしたのかなとおもいながら。
こんなにおおくの票をとるんだったら、他の人にいれればよかったかもとおもいながら。
これからの政治活動、日々金のかからないツイッター、ブログで広報してください。あと、ニコ動、Ustの報道にもでてください。このほうが、よほど正確に思いと行動が伝わります。
投稿: | 2010/07/14 08:39
おめでとうございます。
暑くてみんなバテている中、しかも宗教団体のネガキャンペーンがあったりで大変でしたが、良かったですね。
投稿: ishii | 2010/07/13 12:58
おめでとうございます。応援した甲斐がありました。
失礼ながら上位で、ましてやトップ当選とは思っておらず、予想が出ていたら安心して他の人に入れたかもしれません(笑)
これからも市民目線での発信を続けてください。
投稿: キメラ@大阪 | 2010/07/13 12:40
お疲れ様でした。良かったですね。
12名程紹介カードで協力しました。私は確実な人を紹介しました。北海道帯広市の方は十勝出の民主党議員さんの後援会の方ですが比例の有田さんの為に何かと協力してくれました。
ただ、ハガキが届くのか遅かったので期日前投票が始まるまでにほしかたと言う人もいました。これからが大変です。投票してくれた人たちの目が光っています。支えて上げて下さい。
投稿: skm.hse | 2010/07/13 11:48