取材直前の逮捕劇~「検察史上類を見ない犯罪」の真相~ (ザ・スクープSP 100516)
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かつて日曜午後のTBSラジオは黄金の時間だった。
「伊集院光 日曜日の秘密基地」(2000年10月8日から2008年3月30日。それ以前の2年間は「伊集院光 日曜大将軍)という番組は、どんなに誉めても誉め足りないぐらい素晴らしい番組で、13時から17時までの4時間、まさに聴き逃すことができなかった。
私がラジオをパソコン録音しようと思ったそもそもの動機もこの番組にある。
日曜日の午後というのは、クルマに乗って聴いていることが多かったわけだが、目的地に到着するとクルマを降りなければならない。そうなると、「この続きはいったいどうなったんだろう?」といつも思う。しまいにはどうしても最後まで聴きたくなり、それから録音をするようになった。
ある時、この番組をスポンサードしていた企業の宣伝部の方と話す機会があったので、早速、番組に話を振ってみると、「とにかく聴取率表を見ると、伊集院さんの番組って突出しているんですよね。すごい数字なんです」と言っていたものだった。
が、残念なことにこの番組は2008年3月で終了してしまった。が、私は今でも時々、この番組の録音ファイルを聴いてみることがある。それぐらい惜しい番組だった。
さて、この後番組を受け継いだのが「爆笑問題の日曜サンデー」である。スタート当初は何回か録音してみたが、秘密基地とはその面白さが比較にならず、あっさりと録音も、またクルマの中でもあまり聴くことはなくなってしまった(ちょうど不景気の時期に入り、日曜日といえどもあまりクルマに乗らなくなったということもあったが)。それでもスペシャルウィーク(聴取率調査週間)の内容はなかなかに面白く、最近はこの時期だけ時々録音して聴いていただけだったのだが、、、
先日の日曜日は偶然、13時過ぎにクルマに乗ったため、日曜サンデーを聴いてみた(というより私のクルマは基本的にエンジンがかかるとTBSラジオが流れるのである)。
この番組の最初のコーナーは「ラジオ サンデージャポン」という時事を扱う、つまり午前中に爆笑問題がテレビでやっているサンデージャポンの延長戦上のコーナーである。
私はここを途中から聴き始めたわけだが、その内容がすごい。まあ、とにかく爆笑問題、そしてアシスタントの外山恵理、そしてニュース解説をする人物の4人で鳩山由紀夫を罵倒しまくるのである。私は数キロもクルマを走らせないうちに腹が立ってきてクルマを道路の脇に停め、ツイッターで「クルマの運転中だったがあまりにもムカついたからクルマを停めた。爆笑問題と外山恵里の日曜サンデー、聴くに耐えない。一刻も早く伊集院に戻せ!」とつぶやいた。
さらに、三宅雪子議員については「いつギプスを外すか難しいですね」などとせせら笑い(私はこの三宅議員の問題については、押し倒した方を擁護して、押し倒された方を罵倒する報道に、恐ろしささえ感じる)、谷亮子の民主党からの参議院出馬については罵倒。その一方で、自民党から出馬する三原順子については「相当に勉強しているらしいですよ。そういう人もいるんだから、票集めのために出馬する人と一緒にしてはかわいそう」などと太田光が言うと、田中裕二は「東国原知事も勉強してましたよねー」などとアホ発言。
この空気を、前日、大橋巨泉から「日本一の女子アナ」などとおだてられた外山恵理が、うまく民主党罵倒の部分ではせせら笑いを入れてサポートする始末である(外山恵理も永六輔の介護をやっている時にはいいが、時事ネタでは相当な民主叩きを平然と入れてくる。そういうテクニックがあるという意味では、確かに日本一の女子アナかもしれない)。
私はラジオのダイヤルを文化放送に切り替えた。
そうしてクルマを運転しながら、どうして爆笑問題はこんなになってしまったのだろうと思った。
昔はそれほど嫌いではなかった、むしろ好きだったのに、、、
実は、この爆笑問題のように「最初はいいナ」と思っていたが、あっという間に転んでしまった人というのは他にもいる。
テリー伊藤もその一人である。
私はテリー伊藤が書いた「お笑い大蔵省極秘情報」という本を読んだ時に驚いた。この本に登場する大蔵官僚の、まあなんと傲慢なことか。当時から私は日本は霞が関の官僚による独裁国家だと思っていたが、その中でもトップに位置する大蔵官僚の本音が見事なまでに引き出されている。
これまで、目を皿のようにして新聞を読んでいたとしても、あるいは必死になってテレビやラジオのニュースを聴いていたとしても、大蔵官僚というのがここまで傲慢であることを教えてくれるものはなかった。
この本が出版されたのは1990年代の中ごろだったと思う。当時はまだパソコン通信の時代だったが、私は参加していたフォーラムの会議室(掲示板のようなもの)に、「これが本当のジャーナリズムじゃないかな」と書き込んだことを今でも覚えている。
ところが、テリー伊藤もその後、どんどんおかしな方向へ進み、爆笑問題と並ぶ自民擁護、民主罵倒の急先鋒となった。
さらにもう一人。小林よしのりについても前二者と同様のことを感じるのである。
「週刊SPA!」が「週刊サンケイ」から衣替えをし、小林よしのりのゴーマニズム宣言が連載され始めた当初、私はこの漫画を高く評価して毎週、楽しみにしていた。漫画家の立場から権力の本質を見抜き、最後にゴーマンをかまして落とすというスタイルは新たな権力批判の手法だナとさえ思った。
また、SPA!では不掲載になったという雅子妃結婚の際のゴーマニズム宣言を読んだ時は、これは平成の時代の風流夢譚ではないかと思ったりもした。
ところが、この小林もその後、急速に右傾化していく。
当時、私がこの過程を見ていて思ったのは、小林よしのりはゴーマニズム宣言を比較的軽い気持ちで始めたのではないかということだった。さほど思想的に深いわけでもなく、なんとなく自分の思っていたことをそのまま漫画にしたのではないか、と。ところが、これが意外にもウケた。
一方、この漫画の影響力に危険な匂い、危ない芽を感じた人々がいた。それが、ものすごく大雑把に言うと「権力」だったのではないかと思う。私の想像では、彼らは「これはなんとかしないといけないナ」と考えた。そうして権力に付随するメディアが総力をあげて小林よしのりを取り込んだ。これに対して小林はもともと深い思想があったわけではないので、簡単に取り込まれてしまった、、、というのが私の見方である。
そうして、これはテリー伊藤や爆笑問題にも共通しているのではないかと思う。
もともとマスメディアに属する連中は、権力からすればいかようにでもコントロールできる(現在、メディアに登場する記者連中を見れば一目瞭然)。しかし、時々、そのコントロールの及ばないところから意外に権力の急所を突いてくる人物が出てくることがある。
日本の権力=霞が関というのは、とにかく国民を、そして世の中を自分たちの目の届く範囲の中で思い通りにコントロールすることだけを常に考えている。彼らにとって想定外の出来事が起きることは悪なのである。したがって、自分たちの頭の中で描いているシュミレーションを壊すような危ない芽はとにかく摘んでおく。それだけでなく、自分たちの側に引き込んで、逆にそのキャラクターを最大限利用してコントローラーの一部として利用しようとする。
そうして取り込まれたのが、爆笑問題、テリー伊藤、小林よしのり(他にもたくさんいるが)、、、といった面々なのだと思う。
しかし、権力にとって新たな不確定要素が登場した。それがネットであり、そこで繰り広げられるWeb言論だ。これについては、もはや制御のしようがない。しかもドンドン増殖している。
何もかもコントロールしたい権力にとって、これほど腹立たしいことはないはずだが、とにかくどうしたらいいかわからない。
仕方がないので、現在は自分たちの手の内にあるマスメディアや御用文化人といった国民コントロール装置のボリュームを最大限まで上げて、増殖するWebに対抗しているということなのだと思う。
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本日はまず最初に訂正である。
当ブログで何度か書いたことについて誤りがあった。
それは西松建設「事件」における大久保公判の訴因変更について。
検察側が申し立てたこの訴因変更を、裁判所はまだ認めていないのだそうだ。
・違法献金事件:「訴因変更」で立ち往生 大久保元秘書公判(毎日新聞)
この記事を読むと、「検察側は『やむを得ない措置』と反論」とのこと。
それはそうだろう。このまま訴因を変更できなかったら、検察は大惨敗の可能性が高いのだから。
そうなれば、そもそもあの「西松疑惑」自体がなんだったのか?という話になる。
この件に関する郷原信郎氏の解説は↓。
・郷原信郎:裁判所が検察の訴因変更請求を認めないのはなぜか
なお、この件を私に最初に教えてくれた↓のブログも是非参照されたい。
新聞を購読していない者にとって、もはやブログこそが重要な情報源であるが、おそらくかつてのように日経を購読していたとしても、この件は気がつかなかったのではないだろうか。
・日本がアブナイ!
小沢秘書の訴因変更、地裁の許可いまだにおりず。東京地検は、焦り気味?
今回は、この後に続いて当ブログで実施中のアンケート調査について書こうと思っていたが、それは次のエントリーで。
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官房機密費の実態(1)
官房機密費の実態(2)
官房機密費の実態(3)
ここで「評論をしている方々には盆暮れに、みなお届けをするというのは額までみんな書いてありました、、、」という証言が出てくる。
官房機密費の実態(4)
官房機密費の実態(5)
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@asahi_tokyo 様
拝啓
貴社、ますますご清栄のことと存じます。私は貴社の@asahi_tokyoというtwitterアカウントをフォローさせていただいていおります@kappamanと申します。
さて、本日午後、twitterを見ていたら、
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ryjym: 「説明責任」 RT @asahi_tokyo: ありえませんね。 RT @morita0: 朝日の星浩氏が官房機密費をもらっていたというのも事実無根? RT @asahi_tokyoうちの記者に関してそのようなことはありえません。RT @pinool:
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というようなやり取りが目に入りました。
このとき少々、疲れてイライラしていた私はちょっと乱暴に、
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読者は十分に疑惑を抱いているんだから、あんたらの大好きな説明責任を果たせよ RT @ryjym: 「説明責任」 RT @asahi_tokyo: ありえませんね。RT @morita0: 朝日の星浩氏が官房機密費をもらっていたというのも事実無根? RT @asahi_tokyo
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とリツイート(RT)してしまいました。このつぶやきに関しては、言葉づかいが不適切であったことをお詫び申し上げます。
しかしながら、その後、私以外にも複数の方がRTをされていらっしゃいます(以下、つぶやきの重複部分は筆者の判断で一部削除)。
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kono_chiha 全然説明になってない。疑惑はますます深まってる。RT @kappaman: 読者は十分に疑惑を抱いているんだから、あんたらの大好きな説明責任を果たせよ
fujifuji_filter RT: @kappaman: 読者は十分に疑惑を抱いているんだから、あんたらの大好きな説明責任を果たせよ RT @ryjym: 「説明責任」 RT @asahi_tokyo: ありえませんね。RT @morita0: 朝日の星浩氏が官房機密費をもらっていたというのも事実無根?
tezukakaz 私も詳しい説明を求めたい所です。RT @kono_chiha: 全然説明になってないRT @kappaman: 読者は疑惑を抱いているんだから説明責任を果たせ
polityy ないことを証明しろ、それが説明責任だとやったのがメディア。だからメディアはないという説明責任を果たせるんだと思うんですがね。 RT @fujifuji_filter @kappaman
biwawa 疑われるだけで悪なんでしょw?RT @fujifuji_filter RT: @kappaman:
katsukaishu調査もしないで「ありえません」と即答する態度はいただけないわなー 一応ジャーナリストのくせに RT @kappaman: あんたらの大好きな説明責任を果たせよ RT @asahi_tokyo: ありえませんね。
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このような流れを見て、私は再び、
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kappaman 市民目線ではクロと思われているのは重大 RT @biwawa: 疑われるだけで悪なんでしょw?RT @fujifuji_filter RT: @kappaman: RT @ryjym: RT @asahi_tokyo: ありえませんね。RT @morita0: 星浩氏官房機密費
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とつぶやきました。するとまたさまざまなRTがあり、
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egg_rice さっ、貰ってないのを証明してね 説明責任!説明責任!_・)ぷっRT @kappaman: 市民目線ではクロと思われているのは重大 RT @biwawa: 疑われるだけで悪なんでしょw?.
tezukakaz それじゃあ、あたかも星浩氏が機密費を貰って無いかのようじゃ無いですか(笑)結局貰ったんでしょ?RT @rinkoro: RT @polityy: ないことを証明 RT @fujifuji_filter @kappaman @ryjym: @asahi_tokyo:
kono_chiha なんで「ありえない」と断言できるのだろ?ありえない理由を説明して欲しい。RT @biwawa 疑われるだけで悪なんでしょw?@fujifuji_filter @kappaman @ryjym @asahi_tokyo: ありえませんね。
tezukakaz 貰って無いといっている訳で無いのがミソですRT @kono_chiha: なんで「ありえない」と断言?RT @biwawa @fujifuji_filter @kappaman @ryjym @asahi_tokyo: ありえませんね。
kono_chiha なるほど~w。RT @tezukakaz: 貰って無いといっている訳で無いのがミソです @kono_chiha @biwawa @fujifuji_filter @kappaman @ryjym @asahi_tokyo: ありえませんね。
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この問題についてですが、ことの発端は、長らく政権与党の立場にあり、とくにそのなかでも田中角栄の木曜クラブ、竹下登の経世会の系譜に連なり、一時は権力を極めたとも言える野中広務氏が、官房長官時代に機密費を政治評論家にも渡していたと暴露したことにあり、これについては御社も記事にしております。
しかもこの件は前任者からの引継ぎ事項であるとのこと。ということは、野中氏もまた後任の官房長官に引き継いだはずで、少なくとも自民党政権時代に長らく続いた慣習であったことをうかがわせます。
官房機密費というのは御社の皆様なら全員がご存知の通り、官房長官の自由な裁量で動かせるカネのことで領収書も会計検査院の検査も不要です。つまり時の政権が弾力的に運用できるカネなわけです。
私はそういうものも必要だと思いますが、しかし多くの人が指摘しているように、このカネがまた一方で国民の血税から捻出されていることは紛れもない事実であり、したがって運用にあたっては本来、高いモラルが必要とされるはずです。
ところが、この血税がよりにもよってジャーナリズムにも流れていたとすれば、これは大スキャンダルであると愚考いたします。
折りしも昨年来、小沢一郎氏や鳩山由紀夫氏をめぐって、いわゆる「政治とカネ」の問題がマスゴミマスメディアを賑わせています。
政治にカネがかかることは事実なわけで、自らの政治信条を貫くためにカネを作ることは何ら問題はないと私は考えます(アメリカの大統領選挙においては政治資金の多寡も勝敗を分ける重要なポイントです)。しかして、その資金がきちんと収支報告書に記載されていれば問題はないわけです。
鳩山氏についてはお母さんから多額の小遣いをもらっていたということで、まあ一般人とは異なる金銭感覚ですが、そもそも鳩山家というのは実業で資産を築いたわけで、その資産の中から出ていたカネということであれば、悪質性は低いと私は思います。
また小沢氏に関してですが、頭の悪い私には、マスゴミマスメディアに関わる諸氏が口を揃えて糾弾するような悪質性がどこにあるのかさっぱりわかりません。
昨年3月、当時、民主党代表で次期総理大臣が確実だと思われた小沢氏がマスゴミマスメディアの批判によって最後は辞任に追い込まれた西松建設事件の大久保秘書の公判は、最近になってひっそりと訴因が変更されたと聞いております。
次期総理大臣確実の人物のクビを取った事案にもかかわらず、この件をきちんと継続的に報道しているマスゴミマスメディアはほとんどないように見受けられます。
そして、石川知裕議員の4億円不記載「問題」。この「問題」」も私の知る限りでは単純で非常に形式的なミスによるもので(最近はミスですらないという意見もあります)、ましてこの件で小沢一郎氏を起訴に追い込むことは不可能というのが、マスゴミマスメディアには登場しませんが、ネット上での議論では支配的です。
事実、検察は起訴できませんでした。しかして、検察審査会にわれわれ一般人にはまったく素性が明らかにされない市民団体が申し立てをし、結果、起訴相当の結論を出しました。この結論を導き出した検察審査会の人たちは法律には素人であるにも関わらず、プロの法律家が出した結論を覆したわけです。
私は市民目線なるものをあながち否定する者ではありませんが、一方で、誤った情報に左右されやすいポピュリズムは大変危険なものだと考えており、だからこそジャーナリズムの存在が重要だと思っております(そもそも読売や産経といった媒体は、市民運動的なポピュリズムを常々冷笑、揶揄していたと記憶しています)。
しかし、今回の「市民目線の結論」をもって、マスゴミマスメディアは右から左までいっせいに小沢一郎氏を糾弾しました。
少し前のエントリーでも全文を掲載させていただきましたが、再び御社の社説を掲載させていただきます。
******
「起訴相当」―小沢氏はまだ居直るのか
政治資金規正法違反の疑いで告発されていた民主党の小沢一郎幹事長について、検察審査会が「起訴相当」と議決した。無作為で選ばれた審査員らは議決理由で「起訴して公開の裁判所で事実関係と責任の所在を明らかにするべきだ」とし、「これこそが善良な市民としての感覚」と述べた。
正式な起訴に至るかどうかは、検察当局の再捜査やそれを受けた検察審査会の2度目の審査を待つ必要がある。予断は控えなければならない。
ただ、今回の議決は、不透明な金銭の流れなど、疑惑が浮上して以来、多くの人が抱いていたのと同様の疑問を列挙した。そのうえで、小沢氏は秘書らと共謀し、政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたと強く推認できると結論づけている。
議決書だけでは具体的な証拠内容やその評価がいまひとつはっきりせず、検察や裁判所が従来とってきた事実認定の厳格さとは比べられない。
しかし「『秘書に任せていた』と言えば、政治家本人の責任は問われなくて良いのか」という指摘は、先の鳩山由紀夫首相に対する検察審査会の議決同様、国民の声を代弁するものだ。
このいら立ちや閉塞(へいそく)感を生んだのはほかならぬ小沢氏である。検察に対し強硬な対決姿勢を見せたかと思うと、不起訴処分が出た後は「公平公正な検察の捜査の結果として受け止める」と述べ、「嫌疑不十分」との裁定を無実の証明であるかのように扱う。国会での説明を求められても一切応じない。
民意に正面から向き合おうとせず、居直りというほかない態度をとることへの拒否感、嫌悪感が、政策の迷走とあいまって、鳩山内閣や民主党の支持率を押し下げている。時がたてば忘れられるのではなく、時がたっても手を打たず、自浄作用を働かせないことへの不信が深まっているのだ。
信頼回復のために取り組むべき課題は山ほどある。企業・団体献金の禁止はもちろんだが、それだけではない。政治家が資金管理団体や政党支部など数多くの「財布」を持ち、見えにくくしている資金の流れを透明にするにはどうすればよいか。審査会が問題提起している政治家本人と秘書の関係をどう整理し、責任をいかに果たすのか。
こうした議論を避け続けてきたことへの怒りは臨界点に達し、政治の足元を掘り崩そうとしている。小沢氏がめざした二大政党による政権交代のある政治も、ようやく形が整ったと思ったとたんに、両党から有権者が離反し、溶解が始まっている。
議決を受けて小沢氏は幹事長続投の考えを示したが、大局に立った判断をすべきだ。一刻も早く国会で説明する。それができないのであれば、幹事長職を辞し、民主党の運営から手を引く。無駄にできる時間は、もうない。
******
今回、この社説を再読すると、御社は「善良な市民としての感覚」を大変に重視しておられる立場のように拝察いたします。
であるならば、御社に向けられた少なからぬ「善良な市民としての感覚」に対して、きちんとした説明責任を有すると愚考いたしますが、いかがでしょうか?
それとも、ネット上などでこの問題を議論している人々は「善良な市民としての感覚」を持ち合わせていないという判断をされているのでしょうか?
ちなみに私は御社の新聞はもう15年前に購読をやめ、その後は日経を読んでおりました(それも昨年11月にやめました)。しかし、両親が戦後民主主義を標榜していたこともあり、子ども時代からある年齢まで、つねに朝日を読んでおりましたし、中学ぐらいの時から「朝日ジャーナル」も読んでおりました。
かつて当ブログでこのようなエントリーを書いた時には、2ちゃんねるに投稿されている方々から「この人(私)、いい具合にアサヒってるねえ」などとずいぶん揶揄されたものです。
実は私は御社の報道スタンスにはかねてから相当な疑問を持っていましたが、しかし世間一般では朝日寄りと見れていたのかもしれません。
が、とくに昨年3月の大久保秘書逮捕以降の報道ぶりを見るにつけ、私は御社を含めた、ほぼすべてのマスゴミマスメディアに対して、強い「いら立ちや閉塞(へいそく)感」を感じております。
そして今、野中氏の発言によってジャーナリズムと政治の「不透明な金銭の流れなど、疑惑が浮上して以来」、ネット上では多くの人が、複数の政治評論家、タレント、新聞記者に対して官房機密費が流れていたことが「強く推認できると結論づけて」おります。
そして、「このいら立ちや閉塞(へいそく)感を生んだのはほかならぬ」マスゴミマスメディアのみなさんに他なりません。
にも関わらず、「民意に正面から向き合おうとせず、居直りというほかない態度をとることへの拒否感、嫌悪感」が、紙面の迷走とあいまって、マスゴミマスメディアへの信頼感を徹底的に「押し下げている」と愚考します。
しかも、「時がたてば忘れられるのではなく、時がたっても手を打たず、自浄作用を働かせないことへの不信が深まっているの」であって、これが新聞離れ、テレビ離れを引き起こしているのではないでしょうか?
マスゴミマスメディアのみなさんが「信頼回復のために取り組むべき課題は山ほどある」と思います。
自民党政権時代に官房機密費をもらっていた人物が、今、鳩山政権を過剰、かつ異常に叩いているのだとしたら大変な問題であって、この不信感を取り除くためには徹底的に内部調査をし、また野中氏を含む歴代の官房長官を取材してそういう事実があったのかなかったのかを公表すべきです。
また、その場合は、単に自社内で行うのではなく、社外の有識者に委託した第三者委員会のような形を取り入れるべきで、たとえば郷原信郎氏などはその最適任者ではないかと愚考します。
「こうした議論を避け続けてきたことへの怒り」が「臨界点に達し」、マスゴミマスメディアの「足元を掘り崩そうとしている。」のが今日の状況だと思われます。
御社は「一刻も早く」星浩氏のみならず、全政治記者の、それも過去から現在にいたるまで可能な限りすべての人に対して調査をし、それを完全にオープンな形の会見で説明するべきです。「それができないのであれば、」ジャーナリズムの旗を降ろし、新聞経営から「手を引く」べきで、「無駄にできる時間は、もうない。」と言えるでしょう。
長くなってしまいましたが、最後に補足すれば、もし民意はそんなことを望んでいない、自分たちを信頼しているということであれば、お得意の世論調査をしてみてはどうでしょうか?
もはやネット世論だけでなく、多くの知識人の方々もマスゴミマスメディアの堕落ぶりを嘆き、新聞購読を停止している事態を考えると(たとえば小林信彦氏)、本当に残された時間はありません。
大変プライドの高い方々に対して、一般市民がその目線で失礼なことを書き連ねて、お怒りかもしれません(あるいは完全スルーされてしまうのでしょうか?)。
末筆ながらお詫びをするととに、御社のますますのご発展を祈念しております。
敬具
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しかしながら、RSSリーダーには、この投票フォームが反映されないようです。
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よろしくお願いいたします。
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普天間基地移設問題で鳩山政権は窮地に陥っているらしい。
「らしい」と書いたのは、私が熱心なメディアウォッチャーではなく、したがって新聞もテレビのニュースもほとんど見ないからで、情報を得るのはもっぱら自分が信頼しているブロガーやtwitterからなのだが、どうもここへ来て右からも左からも、与党からも野党からも鳩山由紀夫という人は評判が悪いようだ。
確かにこのポッポ総理、宇宙人と呼ばれるだけあってつかみどころがない。
普天間基地問題について言えば、あまり深く考えることなく安直に「最低でも県外」と言ったことは間違いなさそうだ。
つまり、極めて軽い気持ちで藪をつついてみたのだと思う(意図的につついたのだとしたら大したものだ)。ところが、そこから顔を出してきたのは蛇どころではない、まるで「千と千尋の神隠し」に出てくるオクサレ様だった。
米軍基地問題を抱える地域以外の日本人はほとんどまともに考えてこなかった基地問題、そもそも日米安保、あるいは日米同盟とは何なのかという問題、そしてそれに付随するドロドロした「日米利権」、そういう利権と結託した腐りきったマスメディア、、、とこれらが渾然一体となった現在の普天間問題は、まさにオクサレ様そのものだった。
ポッポとしては軽い気持ちで藪をつついたつもりが、出てきたこのオクサレ様を見てビックリ仰天しているのが現在の状況だと思う。
そうして私は「政権交代が実現して、しかもこの優柔不断な鳩山という人が総理大臣になって本当に良かったナ、これは時代の必然だったんだろうナ」と思うのである。
もちろん、この問題を解決することができなかったら、鳩山由紀夫は政治家として失格だ。だが、自らも認める「愚か」さゆえ、オクサレ様が姿を現してしまった。軽い気持ちで藪をつつかなければ、こんなことにはならず、表向きはもう少し安定して政権を運営することができただろうが、ひょんなことから封印が解かれてしまったのである。
しかし、、、
一方でこの複合的な問題を一つ一つきちんと解決して乗り越えないかぎり、実は本当の意味でのポスト霞が関独裁時代は来ない。
だとしたら、鳩山由紀夫だけでなく民主党、いや与党のすべての面々が、「千と千尋の神隠し」の主人公・千尋のごとくヘドロまみれになりながらも、この問題を正しい解に導かなければならない。それができなければ、鳩山連立政権は自民党政権と何も変わらないことになる。せっかくオクサレ様を誘き出したのに(私はそこまでの部分はとても評価している)、そのオクサレ様にやられてしまっては話にならないのである。
ではそれは可能なのか?
チャンスは十分にあると思う。
その一つの理由は当ブログでも繰り返し主張しているように、ブログやtwitter、USTREAMというネットメディアが登場したことで、マスメディアによって繰り返し流されるデマゴーグが即座に修正されること。もちろん、それでも既存メディアの媒体力というのはバカにならないが、ここへ来て意外とも思える所から援軍が登場した。
それが野中弘務によって明かされた官房機密費のジャーナリストへの配布という問題だ。
マスメディアに毎日登場してはデマゴーグを撒き散らかして世論操作に加担する御用評論家、御用ジャーナリストの面々。この連中、なんのことはない、直接、カネをもらってたんですね。
独裁権力、既得権益を何としても維持して、美味しい汁を吸いたい連中が、マスメディアという装置を使って世論操作をする、その際にメディアに登場する連中には官房機密費からギャラを払う、、、
言われてみれば「そんなことだったんだろうナ」とは思うけれども、しかしここまであからさまにやっていたことを官房長官経験者が証言しているのだから、この事実は重いなどというレベルのものではない。
すぐさまその評論家の実名を公表するべきである。
が、あれだけ小沢一郎に対して「政治とカネ」の説明責任を喚き立てていた連中が、自らに降りかかってきたカネの問題については完全スルーのガン無視である。
一方で、毎日新聞は岸井成格(※)なる人物を主筆にしたそうだ。
もはや潰れかけた新聞社が誰を主筆にしようが知ったことではないが、しかして自らもテレビに出て政局を得々と語り、政治とカネの問題を追及するのならば、この岸井には是非ともきちんと政治評論家と官房機密費というカネの問題を主筆という立場で徹底的に究明して欲しいものである。
※岸井に関する当ブログのエントリー
・小沢関連~小沢秘書逮捕と見るに堪えない「原稿」
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