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2010/01/05

報道操縦

今年の元旦の新聞というのを今日になってざっと見た。
なるほど噂には聞いていたが、朝日、読売、産経、東京が1面に小沢一郎の資金管理団体問題を持って来ている。
しかもその中身となると、各紙とも「関係者への取材でわかった」と判で押したように同じ調子で書いているが、要するに東京地検特捜部からのリーク情報を垂れ流しているに過ぎない。
つまりは特捜部による「報道操縦」である。
相場操縦は立派な犯罪であるが、こうした報道操縦もまた犯罪的ではないだろうか。
おそらくリーク現場での検事たちは必ずしもはっきりとした物言いはしないのだろう。ヒントをつぶやき、それに対して記者がストーリーを作るとそれを否定しないといったことの繰り返しのはずである。そうやって踊らされる記者は、裏を取る術もないまま記事を書く。結果、特捜部の思い通りの“空気”を作ることができるわけだ。
それにしても、なぜこれほどまでに東京地検は小沢一郎をしつこく追いかけるのかというと、結局は昨年の3・3大久保秘書逮捕が無理筋だったからではないだろうか。
当時の郷原信郎の解説では、事件日照りが続いていた特捜部は、なんとか成果を出さなければ、、、と追いつめられたなかで大久保秘書の問題を立件したという。しかし、やはりこの問題を“事件”にするにはあまりにも無理があった。それは当時、郷原信郎がくどいほど指摘していたし、ここでも述べている。
このままいけば東京地検特捜部は大失態である。そこで、再度、小沢に狙いを定めて粗さがしをして、なんとか“成果”をあげないと特捜部の死活問題とばかりに目の色を変えているのがいまの状況ではないだろうか。
にもかかわらず、相変わらずリーク情報を垂れ流す記者クラブメディアは末期症状であり、臨終が近づいている。

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検察問題・三連弾!検察には人事で対抗していくしかない

・湘南の片田舎から
シリーズ「刷り込み報道はなぜ可能か...1」(ポシャる)

・日本がアブナイ!
元旦の小沢報道&年末の前原、鳩山報道で、検察他の情報リークの問題を考える

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佐藤優×高野孟:この国の主導権を握るのは誰か ── 官僚 vs. 政治家の仁義なき戦い

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コメント

告発をした「世論を正す会」は、背後関係も個人か団体かも全く不明。昨年11月4日に東京地検に告発し、早々に受理されたところをみると、検察に顔が利く人物が絡んでいる可能性が高い。司法記者クラブのメンバーも案外この人物を知っているのではないか。「鳩山由紀夫を告発する会」にも同じメンバーがいるかもしれない、と〈永田町異聞〉氏が書いています。
佐藤優さんがおっしゃる通り、国家の主人は誰なのか?をはっきりさせないと・・・。

投稿: ishii | 2010/01/06 16:04

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 昨日は、3年+αぶりに、記事の更新をお休みしました。  ブログを訪れて下さった方々には、すみませんでした。m(__)m  ただ、これで、気が楽になったところもあるです。・・・で、結局 のところ、心軽やかに、ほぼ毎日、更新しそうな予感も。(^^ゞ  最新の記事(10個)のコーナーはヨコの欄に。 *印のついた報道記事は、文末のMore部分にあるです。   この年末年始の報道を見ていて、「はぁ・・・(-"-)」とため息 をついてしまうことが何度もあった。  特に1月1日に... [続きを読む]

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