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2009/11/13

普天間移設、下地私案の中身と鳩山政権の外交力

またも遅きに失したエントリーであるが、、、

今週月曜日、田中康夫出演のTBSラジオ「アクセス」のゲストは国民新党の下地幹郎で、テーマは普天間基地移設問題だった。
11月8日に行われた「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」に出席した下地は嘉手納統合派ということで評判がよくなかったらしいが、その下地を田中康夫がゲストに呼んだ理由は↓の動画を見るとわかる。

つまり下地は単純な嘉手納統合派ではない。15年の期限付きで嘉手納に統合して、さらに「嘉手納の年間離着陸7万回」+「普天間同3万回」の合計を「嘉手納同5万回」にしなければいけないといっている。では残りは?というと、日本には関西空港や静岡、神戸などムダ空港や滑走路が山ほどあるのだから、そういうところを使えばいい、関空などはB滑走路が空いていて、しかも騒音問題もクリアできるからちょうどいいのでは?というわけだ。
これに対して町村信孝が「関西の人はどう思うのか?」とヤジを飛ばし、それに対して下地は「じゃあ沖縄にずっと負担させていいんですか?」と切り返す予算委員会のシーンはこちら(嘉手納統合に関する質疑は18分過ぎから)。

こうして下地の主張を聞くと、私は田中康夫と同様、十分検討に値する案なのではないかと思う。
もちろん、それでも沖縄県民に納得してもらうのは大変なことだと思うが、しかしどこかで落とし所をつくらなければならない。さらに米軍がくる地方空港の地元では反対運動が起きるだろうが、それも含めて多くの人を最終的に納得させるのは為政者の言葉である。

下地の話でもう一つ興味深かったのは、普天間移設問題に関するこの間の鳩山内閣の閣内不一致について。下地はアクセスでおおよそ以下のようなことを言った。

「オバマ大統領が来日するから政府内で一致しない方がいいという考え方もある。一人の方は『嘉手納統合がいい』と沖縄寄りの考え方を示す。一人は『辺野古がいい』といってアメリカ寄りの考え方を示す。そして鳩山総理は『今は決めきれない、私があとで決断をする』といって立場を明確にしない。それでオバマさんが帰るまではいくという戦略があるのなら、つまり計画的に閣内で不一致をつくっているというのであれば日本の外交は大したもの。
しかし、本当に一致していないのならば、対等な日米同盟といってきたことがまったく機能しないということになる」

いったい鳩山政権が前者なのか後者なのか?
現状では後者のような気もするが、私が政権交代を機にもっとも願うのは前者のような外交をできる国になること。
そもそも外交というのは単純なものではなく、自国の利益を最大限にするべくあらゆる手練手管を駆使するものだ。つまり一筋縄ではいかないのであって、当然、交渉相手の国との緊張感が高まることもあるが、決裂することをうまく回避しながら落とし所を探っていかなければならない。
これは当たり前のことで、どこの国でもやっているわけだが(誤解を恐れずに言えば北朝鮮でも)、その当たり前のことをしてこなかったのが旧自民党政権&外務省である。なにしろ対米隷属一辺倒であとは何もなく徹底的に底が浅い。その旧政権が生んだ最終形が再単純で極めつけの無知であるアホータローだった。
もちろんそのアホーと鳩山とは比較にならない。が、岡田克也も含めて、では外交上手な諸外国を相手に微妙な駆け引き、交渉を本当にできるのかとなると、現時点ではまだ「?」であることは否めない。
その疑念を払拭するためのファーストステップが今回のオバマ来日ということになる。

アクセスのポッドキャストはこちら

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コメント

関西空港案に賛成。
①海上だから騒音・安全問題はクリア
②警備問題もクリア
③海兵隊員も大都市が近くて喜ぶ。
④無駄の象徴、地盤沈下対策費はゼロ。
⑤嘉手納15年は長すぎると思う。

投稿: 野次馬 | 2009/11/18 14:34

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