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2009/11/17

鳩山政権と政権周縁部のブロガ―たちの関係

今年3月、当時の小沢一郎民主党代表の秘書が逮捕されてマスゴミの報道が「小沢は辞任せよ」という論調一辺倒になった時、この逮捕に疑問を持った少なからぬブロガ―がネット上で「小沢は辞任するべきではない」という論陣を張った。
その中には植草一秀や天木直人、白川勝彦のような有名人もいたが、しかし多くは一般の市民だった。そして彼らは、おそらくはお互いに面識はほとんどなかっただろうが、ネット上でトラックバックなどを通じて緩やかに連携していった。
私の非常に大雑把な印象では、このブロガ―たちは決してコアな民主党支持者ではない。しかし自民党の、とくに小泉以降の政権運営に心底呆れ果てており、政権交代を熱望していたところが共通していた。また、反自民でありながら教条主義的な論理を振り回すわけではなく、かといって現実に流されるつもりもない、一人ひとりがきちんとしたビジネスマインドや市民意識を持つ、非常に良質な無党派層だった。さらに既得権益者としてのマスゴミが垂れ流す恣意的な報道に対しても正しい見識を持っていた。
そのブロガ―たちは小沢代表の後継として岡田克也より鳩山由紀夫を支持した。その理由は民主党内の仙石由人、前原誠司、野田佳彦、枝野幸男といったラインに対する不信感、警戒感が根強くあったからである。結果的に民主党の新代表には鳩山由紀夫が就任し、8月30日の総選挙では民主党が圧勝、ついに悲願の政権交代が実現し、鳩山政権が誕生した。
民主党はなぜ勝てたか? もちろん最大の要因は自民党に対する国民の積年の不満の爆発以外にない。また民主党支持者たちの日頃の活動の成果もあったろう。それに比べると私が指摘しているネット上のブロガ―たちがどれほどの役割を果たしたかは定かではない。おそらく選挙全体から見れば大したことはないだろう。
しかし、それでもこの政権周縁部に位置するブロガ―たちの存在、意見というものを民主党は軽視しないほうがいいと私は思う。なぜなら、彼らが発信する主張は、民主党政権が本来、示すべきベクトルとかなりの程度一致しているのではないかと思うからだ。にもかかわらず、そのゾーンの支持者が離れると、おそらく政権は不安定になるだろう。

では鳩山政権誕生から2か月。そのブロガ―たちはこの政権をどう評価しているのだろうか?
これもまた私の大雑把、かつ非常に個人的な見方だが、少しずつ冷めた目で見始めているような気がする。
鳩山政権はたしかに自民党よりもはるかにマシな政権だ。しかし、それはあくまで「マシ」というレベルで、本来期待されていた自民党的な政治(=霞が関独裁)からの脱却が本当に可能なのかというと「?」がつく。しかもその「?」が日々、増えているように見える。
幸いにも自民党が回復不能な状態に陥っているから当面、政権は安泰だろう。が、もし自民党が昭和の時代の強い自民党であればコロリとやられているのではないかと思ってしまうほどに現状は心もとない。なぜそう感じるかというと、閣僚の面々、あるいは政権をとりまく民主党の面々の言葉や行動に重み、深みが感じられないからだ。
そうしたなかで明日、田中康夫が国土交通委員会で前原誠司と「対決」するそうだ。
与党の一員である田中康夫が前原に対してどのように切り込むのかは大変に興味深い。その成り行きによってはブロガ―たちの政権に対する距離がまた変化するだろうが、一方で田中康夫と前原の「対決」に民主党がOKを出したということは、政権の軌道修正を試みている勢力が与党内にいるのではないか?という気もする。ということで明日の質疑に注目したいと思う。


※本日、午後、twitterを見ていたら、田英夫氏の訃報に接した。
 田氏が近年のマスゴミの体たらくをどのようにご覧になっていただろうか? そんなことをふと思った。
 心よりご冥福をお祈りします。

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コメント

本文の文字を、もう大きくしてください。高齢の読者に思いやりを・・・・

投稿: | 2009/12/24 17:17

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