バカなのか?「職人」なのか?
まずはこちらのコラムをお読みいただきたい。
さて、遅きに失したが、どうしても書きたかったのが9月21日日経朝刊の「核心」についてである。
タイトルは「鳩山内閣 本気の政治主導 『投票による革命』始まる」。
筆者はもちろん(なぜ「もちろん」なのかはさておき)「客員コラムニスト 田勢康弘」。
まずは書き出しがスゴイっ!
「佐藤栄作首相以来の政治を見る『職人』の筆者にとって鳩山由紀夫首相は22人目となる。」
いきなり自分を「政治を見る『職人』」と権威づけである。
私の知る限り、本物の職人さんというのはきわめて謙虚で、権威づけのために「自分は職人でござい」などとは言わないものである。むしろ一流の人でも「自分はまだまだです」などと言うものだが、この人は違う。
で、こちらの「職人」(自分で職人という言葉にカッコをつけているのが面白い)は、「(鳩山内閣の)全体の人事を見て、ああ、政権交代とはこういうことなのだと、目からうろこの思い」なのだそうだ。その理由は「これまではそれぞれの省庁と一心同体の族議員が閣僚に選ばれるのが普通だったが、新政権はその役所がもっとも嫌う人物を充てている」からだとして、長妻昭厚労相や岡田外相、そして鈴木宗男外務委員長を例に出している。
どうも「職人」の視点は素人と大して変わらない。
「総選挙の結果は『投票による革命』ともいうべきものだった。」
そんなことは選挙前からさまざまなブログで書かれていたが、「職人」はまるで自分が選挙後に発見したかのように大上段から振りかぶる。しかして、その後に続く文章はというと、、、
「民主党に投票した人たちの多くは『一度やらせてみよう』とか『自民党にお灸(きゅう)をすえる』ぐらいの気持ちだっただろう。これほどの大差がつくと思わずに、いわば『自覚なき投票行動』の結果が政権交代となった。」
投票日の相当に前から日経を含めてすべての新聞、そして雑誌が民主党圧勝予想を出していたけれど、その揺り戻しもないままに圧勝したわけで、有権者は十分に自覚していたんではないですか? それとも新聞や雑誌の予想などというのはそもそも誰も見ない、あるいは信用していないという前提に立っているのか?(w
「首相と新閣僚の記者会見を深夜テレビで見ていて、従来とずいぶん変わったな、と感じた。役所が用意したメモを読み上げていると思われる閣僚はいなかったし、自分の言葉で語っており、きちんと熱意がった伝わってきた。記者会見もオープンで外国人記者や雑誌なども加わっていたようで、メディアも変化が求められている。」
下線部の部分は確信犯で書いているのだろう。
「事務次官ら官僚の記者会見を行わないことに批判もあるようだが、閣僚より役人のいうことのほうが信じられる、と思ってきたメディアの姿勢も、官僚政治に力を貸してきたのは否めない。」
政治を見る「職人」はなにしろ高みに立っているので、人ごとのように書くのが特徴。
そうして「職人」は迷走する。
「一方で不安材料をあげたらキリがない。自民党政治との断絶をめざす政策は、いずれも実現は簡単ではない。子ども手当、高速道路無料化、温暖化ガス排出量25%削減、補正予算執行停止、沖縄基地問題……。(中略)すべての閣僚が、目の前の課題を解決しようと躍起になったら、大混乱は避けられない。
さりとてマニフェスト(政権公約)に書き込んだことは簡単には変えられない。ただし政権を担当してみたら、いかにマニフェストの内容の一部に問題があるかがわかった、というようなこともあるだろう。そのときにどのような対応をするかだ。」
別に新政権は躍起になるわけではなく、これまでウソとデタラメばかりだった霞が関の独裁政治を変革すべく、キッチリと地道に取り組むだけ。そのために鳩山総理も「時間が欲しい」と言っているわけである。ついでにいうと、田勢康弘こと黒河小太郎が大プッシュしていたコイズミ政権、その目玉だった郵政民営化の見直しや、それに付随してかんぽの宿問題の追及なども新政権はどんどんやるわけだが、それについては触れたくないようだ。
さらに「職人」の文章はこう続く。
「ひとつ注文がある。国際社会は鳩山政権誕生で、日本が変わるかもしれないと期待している。国内政策ばかりに集中するのではなく歴史に残るような外交をも展開してもらいたい。それには祖父鳩山一郎元首相の因縁もあり、ロシアとの関係を一層、緊密なものにするように動いてはどうか。(中略)内政は大胆に、外交は慎重かつ前向きに取り組むことが大事だ。」
「閣僚が課題を解決しようとして躍起になると大混乱」などと言っておきながら「内政は大胆」に、そして「ロシアに取り組め」と、それこそ大胆な注文をする外交は「慎重かつ前向きに取り組むことが大事」と指摘する「職人」。なんだかわけがわからない。
もちろん日ロ関係を改善することは悪いことではないが、日経はことあるごとに「アメリカの機嫌を損ねるな」と念仏のように唱えているだけに、新政権が日ロに動いたら大騒ぎすることだろう。
「鳩山政権が高い人気を背景にどこまで掲げる政策を実行に移せるか。国民がすぐに成果を求めるのは禁物だ。
政権は交代したけど、暮らしも景気もさっぱり良くならない、だから政治には期待できない、という負のスパイラルに戻ってしまえば、毎年首相が交代する従来の日本になってしまう。この間に自民党が臥薪嘗胆(がしんしょうたん)、どのような変貌(へんぼう)を遂げるか。それこそが政権交代が珍しくない当たり前の政党政治が実現するかどうかを決める。」
まだ、日本の歴史上初めての選挙による政権交代が起きたばかりで「さあ、これから」という時なのに、最後はタイトルとはかけ離れて早くも自民党へのエールで締めくくっている。
こういう文章を読むと、改めて冒頭のコラムの最後の一文を噛みしめざるを得ない。
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もはや新聞やテレビを目にしなくても困ることは全くない。むしろ目にすると判断を誤る事が多く有害である。実社会から得る教訓を政治と重ねてみる方が政治を正しく読み解く事が出来る。記者達には自民党と同様に再生の努力をして貰うしかない。一番良いのは競争に身を晒すことだ。記者クラブ以外の人間と質問を競い合うようになれば、バカな質問は出てこなくなる。そうしないと銀行と同様の破綻が待っている。
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コメント
あまり話題にされていませんが、この前の選挙で、『アエラ』誌に、数字まで挙げて、自民党が勝利する、と宣言した政治評論家がいました。その後も、のうのうとテレビに出ています。「恥を知れ」と言いたいです。
投稿: 暁前からの飛翔 | 2009/10/01 06:02
八年~十年位前だと思いますが、朝日新聞を取っていた頃に何度読み返しても、何を言いたいのか頭に入ってこない記事がありました。ホントに解りにくい文章で、読者に対して不誠実だなと感じたのを覚えています。
投稿: 五目釜飯 | 2009/09/28 21:46
バカではないです。
大バカです。
投稿: 田舎のオヤジ | 2009/09/25 15:34