小沢関連~小沢一郎は官僚とメディア(とくに朝日)の仏敵
今朝の日経の社説を電車の中で読んだら腹が立った。
出社して、何気なく普段は読まない朝日の社説を見たら頭がクラクラした。
他にも小沢ネガティブ情報をさかんに書き立てている。
すごいですね、これ。S教新聞が来る日も来る日も仏敵を叩いて叩いてたたきまくるのとまったく同じだわ。
でも、朝日がちょっと笑えたのは、この社説の下に講談社の新刊発売広告が掲載されていて、その一番右肩が鈴木宗男先生の「汚名-国家に人生を奪われた男の告白」ですよ。
とくに帯に注目されたい。「この国では誰でも明日は監獄の中だ!」。
これは田中良紹の主張ともピタリと一致する。以前にリンクを張った記事だが再掲する。
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田中良紹「国会探検」~予言が現実になった
検察は悪い人間を捕まえる捜査機関ではない。時の権力者にとって障害となる人間を捕まえるところである。ロッキード事件が端的にそれを物語っている。55億円の賄賂が海外から日本の政治家に流れたとされる事件で、解明されたのは田中角栄元総理に流れた5億円だけである。後は闇の中に消えた。ところがこの事件を「総理大臣の犯罪」に仕立てて大騒ぎし、解明されたと国民に思わせたのは検察とメディアである。「本ボシ」は今でも偉そうな顔をしてご活躍だ。
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田中良紹「国会探検」~政治とカネの本当の話(1)
官僚が国民を支配する要諦は「守る事が難しい法律」を作る事である。車の法定速度を守ったら渋滞が起きる。誰も守っていないのが普通である。警察は普通は見逃している。それで国民生活に支障はない。しかし時々警察は捕まえる。運転手は「運が悪かった」と思う。この時々警察の都合で捕まえるところに官僚の「裁量」が働く。官僚は法律違反を常に見逃しながら、都合で取り締まる。警察に歯向かう人間は取り締まられ、警察にゴマをする人間は見逃される可能性がある。
スピード違反だけの話ではない。公職選挙法も「厳格に守った人間は必ず落選する」と言われるほど「守る事が難しい法律」である。「お目こぼし」と「摘発」は警察の思いのままだ。税金も「何が脱税」で「何が節税」かの区別は難しい。政治資金規正法も「守るのが難しい」法律である。みんなで同じ事をやっていても、取り締まる方が目をつけた相手は「摘発」され、同じ事をやっているその他は「お目こぼし」になる。これで政治家はみな官僚に逆らえなくなる。
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しかし、そもそも今回起訴された大久保秘書の公判は維持できるのかどうかすら疑問視されている。
・有田芳生の『酔醒漫録』
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郷原さんは検察が「事件の中身はもちろん、前提となる法解釈や違反の悪質性、政治資金規正法の罰則適用についての基本的な考え方など、重大な疑念についてまったく説明しませんでした」とする。これでは政治資金規正法の罰則適用のハードルが下がり、検察の恣意的捜査で、どんな政治家でも処罰できると指摘。特捜部出身の堀田力さんによる「検察に説明責任はない。政治資金規正法は汚職と同様、政治がカネの力でゆがめられることのないように、という国民の悲願に答える法律だ」とする意見(「朝日」3月20日)は「根本的に間違っている」と断定。「政治資金規正法は、政治家の政治活動がどのような政治資金によって行われているのかを透明化し正しい方向に導くための法律」だからこそ、「規制」ではなく「規正」と名付けられている。汚職と政治資金規正法違反とは同列ではないのだ。郷原さんは「そもそも小沢氏の会計処理は本当に政治資金規正法違反なのか」との根本的疑問の解明へと進む。ぜひ多くの方に読んでいただきたい。
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詳細は↓
郷原信郎の「小沢問題」見解は必読
そして師匠の田原はボロボロだが、今回はきちんとしている高野孟。
・高野論説
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秘書を事情聴取もせずにいきなり逮捕するという前例のない大騒動を演じた挙げ句に、政治資金規正法の「虚偽記載」という容疑でしか起訴できなかった時点で、すでに検察は半ば敗北している。繰り返しになるが、秘書は形式上、2つの政治団体からの献金をそのように“正しく”記載したのであって、それ自体は罪にはならない。となると、その2つの団体が実はダミーで、実質上は西松建設からの違法な企業献金であることを知った上で、秘書が西松側と談合・共謀してそのような偽装を積極的に行ったというストーリーを仕立て上げなければならないが、これはなかなか難しい。
第1に、西松がこの迂回献金の仕組みを作ったのは、これも繰り返しになるが、尾身幸次元沖縄・北海道担当大臣に働きかけて沖縄の公共事業を手に入れることが主目的で、その同じ仕組みを通じて小沢にも金が流れるようになったのはだいぶ後のことである。
第2に、その当時の小沢の資金担当秘書は政界では誰知らぬ者のない“敏腕秘書”の高橋嘉信で、彼がこの仕組みを通じて年間2500万円前後の金が西松から小沢に流れるよう交渉した。偽装の共謀があったとすれば彼であり、大久保はそれを引き継いだだけである。
第3に、その高橋は自由党時代の2000年に小沢の薦めで東北ブロック比例で出馬して当選したが、何らかの理由で次第に小沢と疎遠になり、1期のみで引退・離党。以後地元に留まって04年参院選では自民党候補を支援し、06年には奥州市長選に小沢系に対抗して立候補・落選、さらに昨年には小沢の地元である岩手4区で自民党公認候補として立候補し、小沢と正面切って勝負することを表明している。21日付読売によると、いつの時点かは不明だが、検察はこの高橋を事情聴取に呼んでいて、「献金の仕組み作りの経緯などについて説明を求めたとみられる」が、小沢に個人的な怨念を持ち、しかも間近に迫った総選挙でその小沢に直接闘いを挑もうとする人物が、検察のストーリーづくりに協力して小沢に打撃を与えようとしたであろうことは容易に想像がつく。これはあくまで推測に過ぎないけれども、高橋自身に金にまつわる問題があって、検察がそれを不問に付することを条件に小沢に痛打を与えるような材料の提供を求めるという、一種の司法取引が行われた可能性さえ否定は出来ない。
第4に、企業献金が政治団体を迂回することで尻抜けになっているのは、現行の政治資金規正法の天下周知の抜け穴であり、小沢のケースがダメなら西松から同じようにして献金を受けた自民党議員も、西松以外のゼネコンのみならず企業一般から政治団体経由で献金を受けたすべての議員も、問題になりうる。検察は常に「一罰百戒」的にしか問題を採り上げることは出来ないが、今回ばかりはそれでは世論は納得せず、論理的には、すべての政治家に対するすべての政治団体からの献金を精査しなければならなくなる。それをしなければ、小沢のケースが「特に悪質」であることを論証できないだろう。
こうしたことすべてを乗り越えて、秘書を「虚偽記載」で有罪に持ち込むのは相当大変なことで、検察は公判維持に苦労することになろう。
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詳細は↓
こんなところで辞任してはダメですよ、小沢さん! ——5月総選挙?で「勝てる」という自民党の勘違い
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