小沢関連~ネットとメディアの関係
小沢一郎の事情聴取見送りはどうやら決定的のようだ。
・時事通信
小沢代表聴取、見送りの公算=「必要性なし」-公設秘書の違法献金事件・東京地検
・毎日新聞
違法献金:小沢氏聴取、当面見送り 東京地検
毎日の「当面見送り」というのが笑えるが、ともかくこの件では小沢まで到達しない(するはずもない)。
つまりやはりこの捜査は郷原信郎氏が指摘しているがごとく、ガダルカナル化していたのである(※)。
※ここで郷原氏の指摘にリンクを張ったが、トップページ以降は無料会員登録をしないと読めなくなっている。掲載当初は全文が読めたから、途中から登録制にしたのだろう。郷原氏の文章にアクセスが集中したので、「こりゃ、無料登録会員を増やすチャンス」とでも思ったのだろうか。
大久保秘書の拘留期限が切れる24日、それでも検察は起訴をするのだろうが、その内容が政治資金規正法違反だとすれば、これはやはり国策捜査の誹りは免れない(それすら郷原氏は難しいと言っているが)。
「明らかに違法だから逮捕された」と国会で得々と答弁した男は、再度、国会できちんとその発言の真意を述べなければならない。
しかし、ことここに至ればもっとも問われるべきはメディアである。
24日以降、リーク情報を垂れ流してきたメディアはどのような報道をするのだろうか。
たとえ形式犯であっても大久保秘書が起訴されれば「小沢は辞任しろ」という論陣を意地でも張る可能性はある。
が、もう一つ、これまでの自分たちの報道はすべて棚に上げて、検察批判を繰り広げる可能性もあると思う。
どちらにせよ、今後、ますますメディアから目が離せない。
そうして今回の小沢関連報道は、数年後にメディア産業凋落の歴史を振り返ったとき、エポックメーキングな出来事として記録されているのではないかとも思う。
・四家正紀「カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ」
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マーケティング的には「マスメディア・企業発の情報が鵜呑みにされなくなった→生活者が、他の「目利き」生活者が発信する情報を重要視するようになった→ではどうしましょう」の流れだと思います。
これについては、僕だけでなく多くの人がいろんなことを言っていますよね。
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マスメディア不祥事というと、もうこの手のネタは最近枚挙に暇がなくて、小林さんが取り上げたバンキシャ捏造問題だけでなく、毎日新聞waiwai事件・テレビ朝日ウソバスターやらせブログ事件・NHK職員が放送前情報を元に株取引事件と、いま思い出しただけでもこれだけあります。中川財務大臣(当時)の朦朧記者会見問題もありましたね。
こういうことが続いて、しかも情報はソーシャルメディアで共有されてアーカイブされる。
上記の事件、ネットがなかったころだったらすぐに忘れ去られますが、いまなら検索すれば情報がざくざく出てきます。それこそ大量の「会話」が発生し、引用可能な状態で保管されているのです。
評判というか、権威が落ちないわけがありません。
ただ、「仕事として取材し一次情報を媒体に載せられる」「巨大なインフラを持つ」マスコミのパワーが極端に落ちるわけではなく、みんなブログなどで突っ込みを入れながら視聴購読できるという、つまり情報を相対化できるようになってきたということだと思います。
ひっくり返して言うと、マスメディア発の情報は、ネット上の目利きにとってのネタとして重要なのだと。
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一方でこんな発言もあります。
――インターネットの台頭も大きな構造変化ではないですか。
それは違う。多くの人が誤解しているが、インターネットはしょせんハード。問題は、そこにどういうソフトを流すか、だ。たとえばニュース番組。そのソフトの価値を決めるのは、ニュースを集めて選択して価値判断して流す主体が誰なのか、ということ。読売でいえば150年新聞をつくってきた信用であり、その信用と一緒になって55年番組をつくってきた日本テレビの信用。これを直ちにやろうと思っても、何兆円かけたってできない。もし、ブログに書いてある内容をそのまま信じてしまうような人がいるなら、よほど客観的な考え方ができない人だろう。
氏家齊一郎・日本テレビ放送網取締役会議長――テレビ広告はさらに減る、生き残るのは2~3社だ(2) | インタビュー | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン
個人的には、ブログに書いてあることも、テレビで報道することも、相対化せずに「そのまま信じてしまう」のは客観的な考え方ができていないというだけの話だと思いますが、それはそれとして、今回のバンキシャ捏造問題、ちゃんと検証したうえで、150年+50年の信用を守るために氏家取締役議長ご自身で記者会見してご説明いただきたいと切に願います。
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詳細は↓
マスとWOMの関係と マスメディアの今後
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