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2008/12/09

“大津波”より“さざ波”を記事にする日経

昨日の朝刊は朝日、読売、毎日ともアソー内閣の支持率急降下がトップだった。朝日の内閣支持率は22%、与党に高めに出ると言われている読売はなんと朝日より低い20.9%、毎日は21%。
これでは「一気に政権末期状態」(朝日)、「首相の求心力 一層低下」(読売)といった見出しが並ぶのは当然である。
他の各種世論調査も軒並み似たような数字で、「首相にふさわしいのは」という問いでも小沢一郎がトップに立っている。
もはやこの政権が立ち往生していることは素人の目にも明らかで、夕刊紙はこの世論調査の結果、自民党内が大混乱に陥っていることも報じている。
そんな昨日、日経の1面には政治ネタはなかった。そして2面を見ると、「民主内 さざ波」というタイトルの記事が社説横で2面のメインになっている。
「麻生政権打倒に向けて攻勢をかける民主党に、さざ波が生じている」という書き出しで始まるこの記事は、参議院での国会対策や小沢の「超大連立」構想をめぐって「その真意をいぶかる声」があり「執行部は不安の芽を摘み取るのに躍起」で、「混乱回避に腐心」していると続き、結びは「小沢氏の求心力はなお強いが、結束の揺らぎにつながる材料は消えない」とある。
どうやら日経では与党を襲っている“大津波”よりも民主党の“さざ波”の方がニュース価値が高いということらしい。
さすがに本日の朝刊2面には「支持率急落 与党に衝撃」という記事が出ているが、まるで特落ち後の後追い記事のようにひっそりとしている。
確かに日経は先週末は世論調査をしなかったのかもしれない。が、それにしてもこれだけ与党にとってボロボロの結果が出るというのは、それなりの原因が多々あるわけで、すでに大半の国民がこの総理大臣と政権与党を見放している。
与党の議員だってそれはわかってる。もはや彼らにとっては次の総選挙での生き残りだけが唯一のテーマであって、与党内の結束もへったくれもない。ただひたすら自分の選挙に有利になることしか考えていない。
そんな状況のときに、「民主の結束の揺らぎにつながる材料」なんぞを記事にしているのだから、この新聞社の劣化も相当に進んでいる。

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