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2008/11/07

筑紫哲也氏の訃報

筑紫哲也氏が肺ガンのために亡くなったという。
筑紫氏といえば朝日ジャーナルの元編集長、そしてTBSニュース23のキャスターとして有名であるが、私がもっとも筑紫氏らしかったと思うのはテレビ朝日で放送されていた「こちらデスク」だった。
この番組が放映されていたのは私がまだ中学か高校ぐらいの頃であったはずだが、ほぼ毎週見ていたと記憶している。内容も面白かったが、むしろスタジオでタバコを吸いながら(今では考えられないが)、あるいは水割りらしきものを飲みながら議論をする新聞記者、なかでも筑紫氏のことを単純にカッコイイなあと思ったものである。
当時、この番組に対しては政治からの圧力も相当なものがあったはずで、そのことについて書いた筑紫氏の原稿も食い入るように読んだ。

朝日ジャーナルでは、編集長をやっている時よりも、むしろそれ以前、確か副編集長として立花隆氏とともにロッキード事件に取り組んでいた頃の方が輝いていたと思う。
先日、筑紫氏が編集長になって最初の号の朝日ジャーナルを偶然にも見る機会があったのだが、この号はまだ表紙も誌面も前編集長までの体裁そのままで巻頭特集は「よみがえれ、不良精神」というタイトルの藤田省三氏と筑紫氏の対談であった。
その後、筑紫氏は大胆な誌面改革をして浅田彰を初めとするニューアカ・ブームを作り出した。また田中康夫のファディッシュ考現学も筑紫氏が編集長の頃に始まったと記憶しているが、この連載は私が田中康夫という人物に注目するきっかけとなった。さらに立花氏のロッキード裁判傍聴記も当時は熱心に読んだものだが、ただ誌面全体のテーストは、筑紫氏が意識的に朝日色を薄めようとしたことで本来朝日ジャーナルが持っていたいい部分までが失われてしまった印象があった。
なので私は筑紫氏の朝日ジャーナルよりも、その次の編集長だった伊藤正孝氏(故人)の朝日ジャーナルの方が好きだった。

話は脱線してしまうが、田中康夫は新党日本の候補者としてなぜ有田芳生に声をかけたのだろうと最初は思ったのだが、よくよく考えてみるとこの2人は伊藤正孝氏でつながっていた。

さて、筑紫氏はその後、再びテレビの世界に戻り、ニュース23のキャスターを長年続けたわけだが、正直、私はこの番組はあまり見なかったし(もちろん時間がないこともあるが)、たまに見ても筑紫氏の発言には「?」を感じることが少なくなかった。そもそもこの番組は「こちらデスク」と比較すると圧倒的につまらなかった。

とはいえ、個人的に非常に影響を受けたジャーナリストの死はやはり残念である。
折しもアメリカではオバマが次期大統領に決まった。
筑紫氏はこれを見届けたのだろうか?
どんな感想を持ったのだろうか?
是非、聞きたかった。

筑紫哲也氏のご冥福をお祈りする。

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