島耕作と麻生太郎-週刊朝日の惨状
今日売りの週刊朝日の表紙を駅の売店で見て唖然とした。
ご覧になった方も多いだろうが、麻生太郎と島耕作が握手をしている。「スペシャル対談 元気だせ!ニッポン」とあって「社長島耕作 VS 首相候補麻生太郎」いうネームがある。
「別にこれが他の媒体ならばなんとも思わないけど、一応、おたくら週刊朝日なんでしょ」
と最初は思ったけれども、まあこれがいまの朝日の姿(といっても朝日新聞出版という新聞とは別会社だけれども)ということなのだろう。ちなみにこの島耕作と麻生太郎の対談は活版ニュースの3本目で、2本目は「小泉が小池を担ぐ本当の理由」という記事である。
「別にこれが他の媒体ならばなんとも思わないけど、一応、おたくら週刊朝日なんでしょ」
とまたまた思ったけど、まあこれがいまの朝日の姿ということなのだろう。
まあ島耕作についていえば、表2見開きの広告がサントリーのプレミアムモルツで島耕作のビジュアルであるため、その出稿条件としてなにがしかのサービスを求められた可能性はある。
この号の広告を見ると表2見開き、表4(トヨタ)以外にまともにカネが取れている広告は数本しかなく、おそらく広告予算は1000万ギリギリぐらいであろう。昨今の週刊誌の売れ行きを考えるとこれはなかなかに厳しい数字で、となるとこの表2見開きで入ってくるカネは大事だ。そこでひねり出した企画なのかもしれない。
が、それにしても、、、
島耕作と麻生太郎の対談などというのは、与太記事以外のなにものでもない(と私は思う)。
目次を見てもトップがサザンオールスターズ、次が前述した小池百合子、そして島耕作対談となんとも天下太平、のどかなものである。
世の中ガソリンは上がるわ、年金問題は解決しないわ、あれやこれやと追わなければならないニュースは山ほどあると思うのだが、そんな雰囲気はかけらもない。ちなみに今週のサンデー毎日のトップ記事は『「国民の怒りをバカにするな! 「負担減」のカラクリを暴露する またやっていた後期高齢「実態調査」の犯罪的手法 』である(Webで見ただけだが)。
この両誌を比較するまでもなく、週刊朝日というのはもはやジャーナリズムどころか、政府与党の広報媒体、提灯持ちに墜ちたと言っていいだろう(田原総一朗の連載コラムなども続いているし)。
ところで、今日は本当は島耕作のことを書こうと思っていた。
私はこの漫画にこそ今の日本のダメぶりが象徴されていると思っている。そうして、この漫画を喜んで読んでいるビジネスマン、あるいは島耕作と同年代のいわゆる団塊の世代の意識が変わらない限り、あるいはいなくならない限り、当分、この国はダメだと思っているのだが、その話はまた次の機会に書くことにする。
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