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2008/05/29

紙媒体を脅かすRSSリーダー

今週の週刊アスキー(私の愛読誌)の連載コラム「ハッコウ人のおしごと」(編集人の福岡俊弘が書いている)を読んでいたら以下のような記述があった。

「戦後60年かけて地道に積み上げてきた出版ビジネスはは、インターネットの出現によって、そのビジネススケールを縮小するにまかせている。指をくわえるか歯ぎしりするか。そのふたつくらいしか出版社には選択肢がないんじゃないかと思えるほどだ。
男性週刊誌はそろそろ底を打ったんじゃないか。業界関係者からそんな話を聞いた。果たしてそうだろうか? ただの『踊り場』ではないのか?」

福岡が話を聞いた業界関係者がどんな人物かはわからないが、「男性週刊誌はそろそろ底を打った」などという認識はノー天気以外のなにものでもないので、おそらく現場を知らない人間の単なる願望なのだろう。
そう思う理由の一つにRSSリーダーの存在がある。

現在、ブログを読むのにRSSリーダーを使っている人の比率がどのぐらいなのかはわからない。
もちろんどんどん普及はしているのだろうが、しかしブログに接しているすべての人を対象にするならば、まだまだその比率は低いだろう。
私はというとgoogleリーダーを使っている。
朝、起きるとまずGmailでメールをチェックしたあと、そのままリーダーにアクセスして寝ている間に更新されたブログを読む。その後も日中から寝るまでの間、ことあるごとにgoogleリーダーで更新されたブログを読んでいく。
さらにその過程で興味深そうなブログを見つければ、これを新たに追加して購読する。
登録したブログはフォルダ分け、つまり興味の対象によってジャンル分けしている。
こんなことをしていると購読するブログの量は増える一方である。自分にとって興味のあること、あるいは考え方が近い人のブログなどは熱心に読むことになり、なんだかんだでgoogleリーダーに接している時間というのは長くなる。

と、こうなってくると、このgoogleリーダーは完全に個人用にカスタマイズされた媒体だと見ることもできる。
そこでもし、RSSリーダーに広告の機能がついたら、つまり一人一人が登録しているブログの傾向を分析して、個人の興味に適した広告を見せることができるようになれば、間違いなく既存の媒体よりも広告効果は高くなるだろう。

もちろん現状でもたとえばGmailには広告が入っている。が、これはあくまでもそのメールに出てくる単語に関連づけられているだけのものだし、メールにはビジネス用や迷惑メールなど、個人の嗜好とは関係ない部分のものも多いわけで効率が悪い。
ところがRSSリーダーとなると、これは購読者側が数多あるブログの中から自分で選んできて登録しているわけだから、個人の嗜好情報の集積である。そこへ向けてのピンポイントの広告が、大きなコストをかけなくても打てるとなれば、もはや既存の、とくに紙媒体との間の勝負はついてしまうのではないだろうか。

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