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2008/02/26

伊集院の重大発表

モノの価値というのは、それが無くなった時に困る人がどれだけいるかによって決まるような気がする。
たとえばいまこの瞬間にものすごくテレビで売れている芸人であっても、その芸人の持っている芸の価値が低ければすぐに次の同じような芸人にとって代わられてしまうし、それで視聴者も誰も困らないだろう。
一方、先日の「久米宏ラジオなんですけど」にゲスト出演していた柳家小三治、あるいは「日曜日の秘密基地」にゲスト出演していた綾小路きみまろといった人たちは余人を持って代え難い芸を持っているわけで、彼らがいなくなったら現実に世の中に困ってしまう人、失望する人が多数いるはずだ。
これは政治家にしても、あるいは様々な商品にしてもすべて同様だと思う。

そこで伊集院光である。
先日の秘密基地のスペシャル版の番組内で、3月を持って番組が終了することを伊集院が表明した。「煮えたぎってた伊集院光」に書いた「当日のお楽しみ」はこれだったわけである(当日の番組表にも「重大発表」と書いてあった)。

ひとことでいえば「残念」である。
それ以外に言葉はないのだが、一方でここ最近、しきりに番組内で「40歳になったので、いろいろとけじめをつける」という主旨の発言をしていただけに、どこかで「番組をやめるのかな?」と思っていたのも事実である。
とはいえリスナーとしてはこれは相当にショックだし、番組に出演している若手芸人はもっとショックだったようだ

ま、40歳というのはいろいろと考える年であることは事実で、「ものすごくうまくいってはいるけど、このまま居心地よくやっているとこれ以上、何もチャレンジしなくなる年になるのではないか?」と考えたりするのはわかる。
おそらくその上での決断であろう。

ただ深夜放送とは異なるリスナー層が日曜日の午後にいることも事実で、たとえばそのなかにはお年寄りもいるかもしれないし、闘病生活をしている人もいるだろう。そうでなくてもこの放送を楽しみにしている人は相当数いる。前回のスペシャルウィークではラジオであり得ない聴取率をとったと前掲の田代32のブログにも書いてあるし、毎週の放送でも同時間帯では秘密基地がずば抜けているという話は聞いたことがある。

つまりこの番組も余人を持って代え難い、非常に価値の高いものだったのである(番組内容としてもパーソナリティの資質としても)。実際、私はこの番組がなくなったら、深夜の散歩時間に聴くものが一つなくなってしまって困ってしまう。
よく伊集院は「大沢悠里のラジオだけを聴くために954にダイアルを固定している人を見たことがあるけれども、最終的には自分もそうなりたい」というようなことを言っているが、彼はすでにその域に入りつつあった。
また前回の放送では「自分でスタジオをつくって1回50円とか100円という投げ銭をもらってラジオをやってそれだけで食べられるようになりたい」というようなことも言っていたが、週1回、秘密基地4時間に100円や200円なら払う用意があるので、インターネットの時代だし、是非ともやって欲しいものである。
そうなったらリスナーからの聴取料にプラスして広告を取れる可能性もある。つまり放送局の既存のインフラを使わずとも生計を立てていくことができるかもしれない。それがうまくいけば、広告だけで収益の取れる、つまりリスナーは無料で聴くことのできるweb放送も可能かもしれない(グーグルがやっているのと同じことですね)。
もちろん、そんなことをしたらラジオのみならずテレビも含めた放送業界から総スカンを食らうわけで、それはそれでリスクは高いが、システムとしてすでにこの時代はそういうことも可能である。

話がそれてしまったが、、、、

今回の「秘密基地」終了で大きなショックを受けている人のなかにはTBSラジオの広告営業も含まれるだろう。
ラジオ媒体の広告がどんどん厳しくなっていくなか、最優良コンテンツが無くなるのは重大事件であり、次の番組に同じスポンサーがついてくれるとは限らない。むしろ「様子を見させて欲しい」という可能性が高い。となればこれは即、広告収入減につながるわけである。

さらに、、、

次の番組をやるパーソナリティ(誰だかは知らないが)にもものすごいプレッシャーがかかるでしょうね。

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