« 頑張れU-22! | トップページ | 守屋逮捕、そして総選挙 »

2007/11/27

燃料電池と原子力発電

今日の日経の1面右肩は「家庭用燃料電池量産へ 来年度松下が専用工場 荏原・東芝も体制整備」という記事であった。ニュースがあまりないのかなと思って他紙の1面を見てみると「守屋前次官強制捜査」ネタがトップ、他に朝日は「サッカー日本代表監督に岡田」、毎日は「坂出市の3人行方不明事件で知人男性が浮上した」という記事がある。これはそれぞれスクープなのだろう。
ちなみに日経は社会面でも強制捜査への言及はないが、これは特オチというよりもこの疑惑全体への日経としてのスタンスのような気がしないでもない。
ま、それはそれとして燃料電池である。
これが一般家庭へ普及するメドが立ちつつあるというのは、原発に対する危惧を抱く私としては大変に好ましいニュースである。

そもそも燃料電池というのは電池という名こそついているが発電機である。日経の解説を引用すると、

家庭用燃料電池
都市ガスや灯油から取り出した水素と酸素を化学反応させることで電気を作る発電装置。発生する熱は給湯用として使え、実証試験向けの現行装置(出力1キロワット)であれば、一世帯の消費電力の約六割をまかなうことができる。燃料電池を導入すれば、標準家庭の場合、電気・ガスなどの光熱費が年三万-六万円程度(業界試算)安くなるという。また実証試験では火力発電の電力を使う場合に比べて二酸化炭素(CO2)排出を平均二八%減らせる効果を確認している。

となる。
燃料電池に関しては世界中の自動車会社も研究しており、現在起きている自動車メーカーの合従連衡の最重要ファクターも燃料電池に関する技術だ。
基本的にどこのメーカーも自動車というものが燃料電池へ行くという認識は共通しているが、これは当初考えられていたよりもはるかに難しくまたカネもかかる。なにしろ自動車というのは移動手段であるから当然のごとく動くわけで、そのなかで高い安全性を求められ、さらに大きさ、重さについてもクルマの設計上厳しい制限を求められる。また、たとえ技術が確立したとしてもガソリンスタンドのようなインフラの整備が必要で、これにも相当にカネがかかると予想される。
つまり自動車用の燃料電池というのはまだまだ相当に高いハードルがいくつもあるわけだが、家庭用は設置スペースの制約などが少ない分、技術的確立のハードルが低いわけだ。
となると問題は価格なわけだが、日経の記事によれば「現在、一台四百万-五百万円とみられる製造コストも、一〇年ごろには量産効果や部材・使用の共通化によって百万円前後まで下げられる見通し。一五年には五十万円程度を目指している」という。
政府も購入者に助成を検討しているとのことで、普及ドライブがかかればこのペースがさらに早くなる可能性だってあるだろう。
と、こう見ていくと燃料電池は原発よりもはるかに可能性があるように見える。
そもそも燃料電池からは放射性廃棄物のような数千年単位での管理が必要なおかしなものがでない(そもそもわれわれの世代よりもはるかに後世にまで問題を先送りするような廃棄物を管理可能といっているような連中は狂ってるとしか思えない)。また各家庭で発電するために送電ロスがない。原子力発電の場合は遠隔地にある発電所から送電する必要があり、実はこの間のロスは相当なものだという。そのようなムダがない分、つまり高効率である。原子炉のように海水を使ってどんどこ冷やす必要もなく、海水の温度を上昇させるような環境的負荷もまったくない。

原子力発電は、実は現状においても十分に行き詰まっていると私は思うが、もし燃料電池がうまく普及すればこれにトドメを刺す可能性は十分にあるしそうなって欲しいと思う。
ただ、それでもなおかつ原発には大きなリスクがある。それは停止した原子炉をうまく解体できるのか、できたとしてそのときに出た廃棄物をどうするのか、、、
間違いなくいえることは、これは電力会社だけの手におえるものではないということ。彼らは「国策として原子力をやってきた」ことを主張して公的資金の投入を求めてくるだろう。それがどれぐらいの金額になるのかはまったくわからないが、莫大な支出になる可能性がある。では、そのときに国家財政はどうなるのか、、、

結局のところ、原子力を推進している連中のなかにそういったことを真剣に考えている者は一人もいないと思われる。彼らは自分たちが生きている間に問題が勃発しなければそれでいいのだ。あとは知らん顔。
この官僚と業界の癒着が生み出す究極のアノミーは厚労省、防衛庁などおよそあらゆる官庁に共通しているが、問題が桁違いに大きいのが原子力発電だと私は思う。

|

« 頑張れU-22! | トップページ | 守屋逮捕、そして総選挙 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 燃料電池と原子力発電:

« 頑張れU-22! | トップページ | 守屋逮捕、そして総選挙 »