« 突きつめれば人事 | トップページ | 上半期もっとも面白かったラジオ番組 »

2007/07/06

雑誌広告ー下半期、最大の注目ポイント

ここ数年の雑誌広告をリードしてきたのは間違いなくCanCamである(男性誌ではLEON)。
蛯原友里、押切もえ、山田優という人気モデルを擁したCanCamはJJ、ViViという競合誌をあっという間に抜き去り、実売部数、集広金額とも断トツトップに躍り出た。
ところがここへきてさしものCanCamの部数も減少局面を迎えている。ブームにはいつか終わりがくる。70万部近くあった実売が数ヶ月前から下がりはじめ、ここ最近は40万部台にまで落ちているようである。
もちろんこれはこれで大変な部数だ。ViViは30万部台の半ばをうろうろしているし、JJにいたってはCanCamからトップの座を奪われて以降、ひたすら部数が下がり続け、最新のABC調査では20万部すら切っている。
それに比べれば立派なものだ。そもそもCanCamが爆発的に部数を伸ばす以前の実倍は30万台後半から40万台前半ぐらいのものであったから、現在の状況はあまりにも膨らんだバブルの調整局面と見ることもできる。
また姉キャンが創刊されたことによって読者がそちらへ流れていることは十分に考えられる。ただしこの姉キャンも創刊号は完売したが、その後の部数の推移を見ると決して安穏とはしていられないように見える。
そこで問題はーー。
ここで部数が下げ止まるかどうかということである。止まればCanCamにとっては大したダメージではない。所詮、バブルははじけるもの。遅かれ早かれやってくるものだったと割り切ることもできるだろう。しかもこの数年のCanCamバブルの間に競合誌の勢力図は大きく変わってしまっている。ここで踏みとどまれば依然として断トツのトップであることに変わりはなく、広告面への影響も最小限に止めることができる。
ではもし下げ止まらなかったら。
その時には、いわゆる赤文字系雑誌に大きな影響を与える可能性がある。のみならず雑誌というビジネス全体に波及する可能性すらあるかもしれない。
折しもこの7月、CanCamは編集長が交代するという。一時代をつくった編集長が、その黄金期を若干過ぎたところで退任する。後任の編集長はきわめて難しいタイミングで受けたというしかない。
もちろん部数が下げ止まればなんの問題もない。反転すればなおさらいい。とはいえ、実売70万部の時代が再び来るとは考えにくい。したがって下げ止まったとしても前年同月比で部数を見た場合、おそらく80%ぐらいの数字が続くことになるだろう。
この時、社内から「後任の編集長は何をやっているんだ」という声が上がることは十分に予想される。問題はその時で、キープコンセプトを貫けば「去年より悪くなっているのに誌面を何も変えないのでは編集長をかえた意味がない」と言われるだろう。
一方、誌面を変えた場合。もし部数がさらに下がったら「あんなふうに変えるからいけないんだ」となる。これは間違いない。
と、こう考えていくと、CanCamもここへきて重大なターニングポイントを迎えたといっていいだろう。
そしてこのCanCamの行方は間違いなく雑誌および雑誌広告に大きな影響を及ぼす。
今年下半期のCanCamの動向から目が離せない。
-----------------
sent from W-ZERO3

|

« 突きつめれば人事 | トップページ | 上半期もっとも面白かったラジオ番組 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 雑誌広告ー下半期、最大の注目ポイント:

» [CanCam] CanCamの編集長が交代!? [CanCam専属ブログ]
折しもこの7月、CanCamは編集長が交代するという。一時代をつくった編集長が、その黄金期を若干過ぎたところで退任する。 誰も通らない裏道 雑誌広告ー下半期、最大の注目ポイント この事がもし事実なら、CanCamは10月号あたりからちょっと変わってくるかもしれない ... [続きを読む]

受信: 2007/07/14 16:35

« 突きつめれば人事 | トップページ | 上半期もっとも面白かったラジオ番組 »