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2007/03/02

雑誌の危機 (1)

 先日、『ウェブ人間論』(梅田望夫・平野啓一郎共著:新潮新書)を読んでいたら見過ごすことのできないフレーズにお目にかかった。それは梅田氏の以下の発言である。
「もし活字メディアの電子化が進むとすれば、おそらく雑誌がまず危なくなって、ついで新聞、最後が本という順番でしょう。雑誌が一番厳しいですよ」
 この梅田氏の主張は、ここ1、2年、ずっと私の心の中にあった結論と同じである。
 ただし、より厳密に言えば「広告収入がなければ成立しない雑誌」が一番厳しい。おそらくは梅田氏の考えも同じなのではないかと思うが、つまりここで使われている「雑誌」という言葉はイコール「雑誌広告」なのである。「雑誌の危機」とは「雑誌広告の危機」なのだ。
 私が雑誌広告に携わるようになったのはここ5年ほどのことである。そういう意味ではキャリアはきわめて短い。しかしながらまさにこの5年の間にメディアの様相は一変してしまった。それはもちろんWebが出現したからだが、その激変の様子を雑誌広告のサイドから見てきたわけで、これはこれでなかなか貴重な経験ではあった(現在進行形だが)。
 そこで以下に、主に広告から見た雑誌の危機についての私の考えを述べてみたいと思う。
 最初に断っておけば、これがどのぐらいの長さになるのか現状ではわからない。だらだらと長くなってしまう可能性もあるし、あっという間に終わってしまうかもしれない。また私の場合、雑誌よりもむしろ書籍に長く関わってきたので、雑誌ばかりでなく書籍まで含む紙媒体についても考察したいという気持ちは持っている。
 しかしまずは雑誌の話をしたい。そのとっかかりは週刊誌である。
 

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