最近、おもしろかったこと
2月11日にOn Airされた伊集院光の「日曜日の秘密基地」の録音を聴いていたらゲストに田原総一朗氏が出ていました。この田原と伊集院、アシスタントの竹内アナのトークだったわけです。
伊集院はラジオを長くやっているだけにトークは非常に上手です。まして自分の番組でもあるわけで、当然、仕切も上手なわけですが、今回に関していうと最初から最後まで主導権を田原氏に握られ、野球で言えば0-10の完敗、相撲で言えば一度も攻めることなく土俵の外に押し出されてしまいました。
これは伊集院自身も相当ショックだったようで、その後の放送でもメロメロになっていました。おそらく後に引く負け方だったろうと思います。
では、なぜ伊集院は田原氏に完敗してしまったのか。簡単に言えば田原氏のかましたハッタリ、罠に見事にはまってしまったのです。そうなってしまった原因は、伊集院の中にある「田原という人はいつも政治家や官僚と論争をしたり、あるいは論争を仕切っているすごい人」というイメージだと思われます。
私は少しだけ田原総一朗という人を知っているのですが、普段、会って話しをしていると普通のおじさん、というよりも冴えないオッサンです。視聴率が悪かったり本があまり売れていなかったりするとしょんぼりしているし、どちらかというと小心の部類に入ると思われます。
つまりテレビで見せる姿というのは本人の本質とはかけ離れており、ある意味で芸人の“芸”の部分なのです。その芸を光らせるために普段から強面イメージを作り、トークの技を磨いているわけです。
で、そういってはなんですが、よくよく聞いてみると実は田原氏の話というのは案外と中身がありません。またポジかもしれまション的には非常に体制的です。役人や政府与党相手に喧嘩を売っているようで、実はうまく相手の意を汲む流れを作ってやっているケースがしばしばあります(そういう意味では非常に危険ともいえます)。
田原氏は「ジャーナリスト」というよりも「ジャーナリストという芸人」だと私は思います。そこがわかっていれば伊集院もあそこまで完膚無きまでにやられることはなかったでしょう。
おそらく田原氏は「今日はまた見事なまでにうまくハマッたなあ」とニヤニヤしながらスタジオを出たことだと思います。そして私はその田原-伊集院対決を聴きながら、実は「田原さんってやっぱり大したもんだなあ」と妙に見直したりしたのでした。
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