時代の変わり目?
知事選で田中康夫が敗れた先月、長野ではもう一つ、佐久総合病院総長の若月俊一先生が亡くなるという残念なことがありました。
私はこの若月先生に一度だけお目にかかったことがあります。もう十年近く前のことです。
初めて若月先生のことを知ったのは、住井すゑさんが亡くなったときに放映された追悼番組でした。そこに若月先生が出演されておりました。このとき何よりも驚いたのは、その年齢(当時で八十代半ば)が信じられないほどの矍鑠さでした。
その後、永六輔氏に会ったときに若月先生のことをきいてみると「日本で一番尊敬されているお医者さんで、そのお弟子さんたちもみんな素晴らしい」ということを教えてくれました。
興味をもった私は若月先生の書いた本などを読んで、その後、一度佐久総合病院へうかがいました。
元来が病院、医者嫌いの私なのですが、この佐久総合病院の雰囲気というのはとても印象に残っています。なんというか「自分が病気になっても、こんな病院だったら入院してもいいかも」という気になるような病院だったのです。
さて、若月先生とは2時間ほど話をさせていただいたでしょうか。詳しい内容は忘れましたが、とても興味深い話を聴くことができました。
ちなみに、私が会ったことがある人たちのなかでも、この若月先生、そして前出の住井すゑさん、もう一人本田宗一郎さんのお三方は、強烈な印象を受けた三大老人です。
若月先生とはその後、お目にかかることができないままにこのたびの訃報を聞くことになったのですが、長野県での知事交代の月のご逝去といのうも何か時代の変わり目を感じさせます。
日本の総理は間もなく小泉からアベシンゾーに交代するわけですが、そういえば今年は後藤田正晴氏も亡くなりました。晩年の後藤田氏の発言を見ると、およそ元・内務官僚とは思えないようなリベラルなものです。
と、こう考えていくと、2006年というのは、後から考えてみると、エポックメーキングな年なのではないかという気がします。
なんてことを、秋篠宮家に男子が誕生でした日に考えたりしました(ちなみにこの件でのマスコミの報道ぶりは、西部邁氏的な表現をすれば、「ふしだら」以外のなにものでもないと私は思います)。
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