2012/05/07

「こどもの日」に全原発停止
~ 嬉しいけれど、喜べない その1

私の反原発歴は結構古くて、チェルノブイリ以前からである。
1980年代の前半の大学時代、とある一般教養の授業でレポートを提出しなければならなくなった。テーマは自由ということだったので、近所に住んでいた新聞記者の方に相談したところ、「原発はどうか」というヒントをくれた。
当時はスリーマイル島の原発事故の余韻が残っていた頃だったので、いくつかの資料を読んだ。さらに、日本の状況も調べてみた結果、「日本での原子力発電はやめた方がいい」という結論のレポートを書いて提出した。
新聞記者の方には書き上げた時点で読んでいただき、もちろん多分にお世辞も含んでいるものの、過分なお褒めの言葉をいただいた。
が、教授から戻ってきたレポートの評価はBだった。
その時には「そんなものかな」としか思わなかったのだが、しばらく後の授業中にこの教授がわりと唐突に「原発というのは絶対にやらなければならないんです」と言い出した時、「なるほど、この人は原発推進派だったのか。それでオレのレポートはBだったんだな」と妙に納得したものだった。

その後、社会人になってからチェルノブイリの事故が起き、広瀬隆の「危険な話」がベストセラーとなった。「朝まで生テレビ」に広瀬隆や故・高木仁三郎が出てきて、原発推進派とやりあったのもこの時期である。
私は原発関連の本を読んで、「ますます原発はやめた方がいい」と思うようになっていた。すると当時の職場の先輩から「原発の勉強会があるから、行ってみませんか」というお誘いをいただいたので行ってみることにした。
それはわりと名の知れたメディア関係者の集まりで、そこに講師として東京電力の関係者が来ていたのだが、この講師は「日本ではスリーマイルやチェルノブイリのような事故は絶対に起こらない」と力説していた。私的にはその話はかなり突っ込み所が多く、とても真に受けられるようなものではなかったが、周りにいた人はみな一様にその話に納得していた。

そうこうするうちに私は結婚することになったのだが、相手の実家は静岡県島田市だった。
義父は釣り好きな人で、私も釣りは好きだったので、帰省するとよく一緒に御前崎へ行くようになった。
御前崎の目と鼻の先には浜岡原発がある。義父は「原発の近くでは釣りはしない」と言っていた。
ためしに浜岡原発について調べてみると、ここはもともと砂丘だったところで地盤がおそろしく弱い。そんなところに中部電力はドンドン原発を増設しているのだから驚いた。
静岡というのは温暖な気候で海の幸にも山の幸にも恵まれており、将来はこちらに移り住んでもいいなと思える環境だったが、ただ一つ、浜岡原発に近いことが気がかりとなった(最近は、ついに震災瓦礫の処理を始めてしまったが)。

・瀬尾健著 『原発事故……その時、あなたは!』(風媒社)より
<シュミレーション>原発事故が起こったら 浜岡3号炉

1995年にはもんじゅでナトリウムの漏洩事故が起きる。この頃はまだインターネット以前のパソコン通信が全盛の時代。いまよりもはるかにネットワークの規模は小さかったが、それでも反原発系のフォーラムがあり、私はそこの掲示板を見ていたが、そこでの報告や議論は、一般のメディアが報じる内容とはまったく異なるもので、この時点で核燃料サイクルという馬鹿げた夢物語の命脈が尽きたことを実感した。

(その2に続く)

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『東京電力福島第一原発事故とマスメディア』


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