2012/12/15

田中角栄「戦争嫌いの思想」を受け継ぐ94歳の無所属新人と小沢一郎

先週末、埼玉12区で94歳の方が総選挙に出馬するというニュースが流れた。
リンク元(スポーツ報知)はすでにないが、以下のような記事だった。

94歳無所属新人、蓄えた葬式代つぎ込み出馬…埼玉12区
 埼玉12区に無所属新人で立候補した川島良吉氏は、御年94歳。今選挙の最高齢候補者となるおじいちゃんは
「葬式代としてためていた年金を選挙資金に充てた」と覚悟を口にする。
 一方の最年少候補者は群馬4区の民主・青木和也氏。投票3日前の13日に25歳となる。
 94歳ながら、視力1・2を誇る両目は鋭い眼光を放つ。国の行く末を憂う川島氏は、立候補の理由を明快に語る。
「オレの出番だと思ってしまったんですよ」。
 供託金300万円は葬式代にと、ためていた年金から捻出した。まさに不退転。覚悟の初出馬だ。
 政治家を志したことはなかったが、各党の主張を聞くうちに闘志がたぎった。
「右傾化する安倍(晋三・自民党総裁)や石原(慎太郎・日本維新の会代表)から『軍』なんていう言葉が普通に出る。
 橋下(徹・同党代表代行)もムチャクチャ。無条件降伏したのに。日本はどうなっちゃったんだ、という不安がありました
」。
 耳は少し聞こえにくいが、話し出したら止まらないマシンガントークが武器だ。
 第1次世界大戦が終結した1918年に生を受け、第2次大戦勃発の39年に徴兵。中国での7年間の戦闘では多くの仲間を失った。
「オレは戦争で死なず、散々いい思いをした。このままじゃ死んでいった仲間に申し訳ないと」。そんな思いが出馬へと背中を押した。
 先月30日に自宅に親族を集めて「出馬表明」。最初は反対した親族も熱意に負けた。
「友だちに手伝ってもらおうと思ったけど、もうみんな死んでいなくなってた」
 カマド販売業、金融証券業などさまざまな仕事に従事した。今は埼玉県羽生市の自宅で一人暮らし。腰は真っすぐ。足取りは軽快だ。
 炊事、洗濯、掃除から車の運転まで自分でこなす。総務省選挙部管理課によると、94歳は今選挙の立候補者1504人の最高齢となる。
 埼玉12区は民主・本多氏と自民・野中氏の対決に、自民を離党した元県議・森田氏が加わる激戦の構図だ。
「正直勝てるとは思っていない。でも訴えたいんですわ」。
 公約は憲法9条順守、原発反対、天皇を「象徴」ではなく「元首」とすること。
公示直前の出馬決定で活動は出遅れたが、ようやく7日、チラシとポスターの作製に着手した。今後は街頭演説も行う予定だ。
「男ってのはね、やるときゃやんないといかんのよ」―。

※太字下線部はブログ主

この記事を読んだ時には、「素晴らしいジイちゃんだナ、オレが埼玉12区なら応援するナ」と思いつつツイッターに記事を流した(ちなみに私は埼玉4区で、立候補しているのは民主、自民、維新、共産の4人。まったく選択肢がない)。

ところが今週になってから『田中角栄の昭和』(保阪正康著)という本を読んで、この川島さんの居ても立ってもいられない思いがいかなるところから湧き出ているのかがわかり、さらに94歳の出馬に納得したのである。

同書によれば著者の保阪氏は、かつて田中角栄がロッキード事件の一審判決を受ける直前、角栄の地元後援会・越山会の機関紙『越山』の投書欄に投稿していた熱烈な「角栄ファン」32人に会って取材したという。
その中の一人に角栄と同い年の山岸政孝(仮名)という人がいた。この山岸さんの部分を以下に引用する。

 山岸は初対面の挨拶を終えるや、「わしは田中さんと同じ、大正七年生まれなんや。だからその考えがよくわかるんや」とせわしげに話し、そのあとは、「田中さんはそんなわるい人やない、五億円もらったなんて嘘や、いやたとえもらっていてもかまへんやないですか、むしろアメリカから外貨を獲得した功労者や」と矢継ぎ早に話を進めていった。私は時折、メモをとりながら、これまでと同じ田中ファンの類か、と心中でうんざりもしていた。山岸は髪の薄くなった頭の汗をぬぐい、音をたててアイスコーヒーをすすり、田中を感情的に礼賛し続けた。
(中略)
 ひととおりの話が終わって、雑談に移ったが、私に年齢を尋ねるので、四十三歳(当時、昭和五十八年)だと答えると、「兵隊の苦しみはわからん世代やな」と失望の表情になった。しかし、私が昭和陸軍に関心をもち、その内実について詳しく調べていると知るや、山岸は「これはわしらの世代ならみんな心で思うていることなんやが……」と声を低めて、「わしが田中さんを好きというより、尊敬しているというのは、あの人は戦争が嫌いだったと思うからや。あの人は、仮病を使ってでも軍隊を離れた人と思うからや」と言葉を足した。
 その意味はどういうことか、と執拗に尋ねると、「いいか、これはあんまり広言したらあかんことや。あの人は『兵隊なんかやっとられん、戦争なんかで死んでたまるか』というタイプや。だからわしらは信じるんや」という意味の言をくり返した。それをまた私は、メモをとらないという約束で質していくことになったが、山岸との対話がしばらく堂々めぐりを続けたあとに、彼は意を決したように次のような言を吐いた。
「わしらの年代が兵隊検査を受けたのは、昭和十二年から十三年だった。支那事変がはじまったころや。支那に鉄砲かついで送られるなんてまっぴらごめんや。兵隊になったら、でもそんなこと言ってられん。そうすれば、兵隊から抜けだすには三つの道しかあらへんやろ……」
(中略)
田中さんは自分の軍隊体験を克明に話していないし、書いてもいない。わしは断言はせんが、田中さんが好きなのはわしと同じような『戦争なんかで死ねるか』という意思をもっていたように思えるためだ。あの人は、決して日本を軍国主義にはしないよ。それだけは断言できる
(中略)
 田中の年代は、二十歳(大体は昭和十四年か十五年に入営)で兵役に就いた。すでにはじまっていた日中戦争、それに呼応するかのように対ソ連を意識した張鼓峰事件、ノモンハン事件、そしてアメリカ、イギリスとの正面からの衝突では末端の兵士として戦場を体験している。敗戦時はまだ三十歳前だが、それ以後は国土再建という社会の中枢に身を置き、ひたすら物量経済の肥大化の尖兵の役割を担った。この大正七年生まれは、戦争によって九%近くが亡くなったとの統計もあるが、近代日本の軍事政策の犠牲者としての数は、とびぬけて多い世代なのである。
 田中の心中に、自らの世代に課せられた歴史的辛苦が、決して天災ではなく人為的な結末だったとして、その怨念がひそんでいたか否か、私には正確には判断できない。だがこの世代の人びとは、田中の軌跡のなかに自らの人生の苦衷や憤懣を代弁しうると仮託されていたように思えてならないのだ。田中もまたそのことを自覚していた節がある。
 田中の七十五年の人生に凝縮していた真の思いとは一体何だったのか。それをさぐるには、田中は戦争を体験した世代の記憶をどのように共有していたか、あるいは拒否していたかを丹念に見ていかなければならない。そこから〈田中角栄〉の実像が浮かんでくるはずである。

※太字下線部はブログ主。

1918年は大正7年、つまり川島さんと田中角栄は同い年なのだ。
そして、恐らくは川島さんと角栄、そして保坂氏の著書に出てくる山岸さんにはこの世代特有の「戦争はいかん」「戦争は嫌いだ」という共通の思いがあったのだろう。
そういう世代の生き残りである川島さんから見ると、今の世の中は危なっかしいことこの上ないのだと思う。

なにしろ戦争を煽る言葉が「政治家」から普通に出て、それをマスメディアがさらに煽っている。
石原慎太郎というのは、前回の国会議員時代はごく一部の素っ頓狂なタカ派で相手にする人はほとんどいなかったが、いまや「戦争をするぞ!」と喚きたててそれなりの脚光を浴びている。

・くろねこの短語
街頭演説で「戦争するぞ!」と喚く日没の太陽族・・・哀れなり&敦賀原発廃炉となれば、「廃炉こそ新しい公共事業」(田中康夫)の絶好のテストケースになるんだが・・・。

一方、第二次大戦のA級戦犯の孫(この人物自らは福島第一原発破局事故のA級戦犯)は憲法を改正して自衛隊を国防軍にしたいのだそうだ。この男が現状では次期総理大臣の最有力候補だというのだから、恐ろしい世の中である。

そうした中で、田中角栄の流れを汲む小沢一郎は、日本の右傾化に対して強い懸念を表明しているが、マスメディアは相変わらずこのことをまったく伝えない。

しかし、私は今、「戦争嫌い」という田中角栄の思想はとてつもなく重要だと思う。

ある時期まで、朝日新聞や朝日ジャーナルを読むことですっかり洗脳されていた私は、恥ずかしながら田中角栄を長らく悪の金権政治家だと思っていた。

しかし、一方で確かに田中角栄は自民党の中でも軽武装派で、どことなくリベラルな雰囲気があったと思うし(当時はそこに着目しなかったが)、軍隊経験を持つ竹下登にも確実にその雰囲気があった。
さらに竹下派七奉行と言われた政治家の中にも、この角栄の遺伝子を受け継いでた政治家はいた(私見ではそれは、梶山静六、奥田敬和、羽田孜、小沢一郎)。
あるいは後藤田正晴。この人の晩年の発言は、およそ旧内務官僚、警察庁長官経験者とは思えないほどリベラルだった。

こうしてみると、かつて自民党内の最大派閥だった田中派に集まった面々というのは、もちろん角栄がくれる選挙資金や利権のみが目当ての議員もいただろうが、一方で「戦争嫌い」の角栄の思想に共鳴していた議員も少なくなかったのだと思う。

ところが田中角栄はロッキードで潰され、竹下登はリクルートで潰され、いま小沢一郎が潰されようとしている。
つまり保守の側の良質なリベラル勢力は常に検察とマスメディアの標的となり続けたのである。
小沢の場合、対検察との闘いはほぼケリがついたが、それでもマスメディアの攻撃はとどまるところを知らず、手を変え品を変えのバッシングと印象操作が今も続いている。
なかでもその先頭に立っているのが朝日新聞だが、第二次大戦の重大な戦争責任があるこの会社にとって、「戦争嫌い」だった角栄の後継者は仇敵以外の何者でもないのだろう。

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2012/12/03

「小沢体制」を腐すことしかできない日経のお粗末記事

今日の日経朝刊2面(総合・政治)には「未来「小沢体制」で選挙戦 執行部、5人が旧生活 政策も引き継ぐ」という見出しの記事が社説横にある。リードは、

 嘉田由紀子滋賀県知事が結成した新党「日本未来の党」は2日、都内のホテルで衆院選公約と公認候補を発表した。先月28日の結党からわずか4日、公示まで2日しかない状況でつくった急ごしらえの選挙態勢は盤石とは言い難い。準備不足が指摘されるなか、選挙戦は小沢一郎氏が事実上、取り仕切ることになりそうだ。

そして小沢一郎は表には出ないが、幹事長は空席で、「小沢氏は表に出ないが、実質的な幹事長役を担うとみられる。」、「他党は事実上の「小沢体制」に矛先を向ける。」として、以下のように書いてある。

 「未来も小沢氏支配がはっきりしてきた。嘉田氏は選挙用の顔として利用されるだけ」。民主党の菅直人前首相は先月30日、ブログにこう明記した。その上で「小沢氏の『かいらい』でうまくいった例は過去に一つもない」と断じた。自民党の石破茂幹事長も街頭演説で「顔を変えた小沢党が未来だ。そういう政党を支持しますか」と語る。

これには笑ってしまった。なにしろ菅直人は、2010年の参議院選挙で大負けをし、衆参のねじれ解消→政局安定の最大のチャンスを逃した大戦犯だ。つまり、事実は菅直人で「うまくいった例は過去に一つもない」のである。
もちろん、それ以前の代表時代に選挙に少し勝つことはできたかもしれないが、政権を獲ることはまったくできなかった。
そして民主党は前原代表時代に偽メール事件でボロボロになる。それを引き継いだ小沢は2007年の参議院選挙に勝って政権獲得の礎をつくり、2009年の総選挙で政権交代を実現したわけだ。
しかし、小沢自身は検察とメディアが仕掛けた捏造事件によって代表、幹事長の座を追われ、代表の座が鳩山→菅→野田と引き継がれていくうちにどんどんボロボロになっていた。
有権者もそれを知っているから、今回の菅の選挙では、以下の画像のようになる。

2

にもかかわらず、そんな菅のブログをネタにして記事を書くのだから、アホらしいとしかいいようがない。
そもそも選挙を目前にして、そのノウハウを熟知した実力者の手腕に頼るのは、組織論として当たり前のことだ。それがなぜ悪いのか私には理解できない。

石破の「顔を変えた小沢党が未来だ。そういう政党を支持しますか」という問いには、「はい、支持します」と答えるしかない。
なぜなら、小沢一郎の福島第一原発破局事故に対する認識(どれだけカネがかかっても放射能を封じ込め、100万人いるともいわれる被災地域の人たちを移住、避難させるべきだというもの)は、非常に正しいからだ。

一方自民は↓。

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日経のこの記事は「選挙の争点は未来が掲げる「卒原発」か、それとも「小沢体制」の是非か――。他党との攻防は16日の投開票まで続く。」と締めくくられるが、この選挙は同時に「原発、消費増税推進で、前回の総理大臣時代は原発は万全で事故は起きないと断言した「安倍体制」の是非(しかも最後は政権を放り投げた)」、「消費増税、福島第一原発の収束という歴史に残る大嘘をついた「野田体制」の是非」もまた問われている。そしてむしろ「小沢体制」というのは、政策論でもなんでもなく、ただ「好きか嫌いか」という問題でしかない(それはマスメディアの連中が「小沢が嫌」と言ったことが証明している)。

つまり、この記事は全体として小沢を腐すためのものでしかなく、しかも「政治とカネ」というかつての得意ネタは小沢無罪確定で使えなくなってしまったため、残ったネタは「小沢体制」という「問題」だけだったというお粗末な代物だ。もちろん、これは日経だけでなく各媒体とも同様で、マスメディアはこれから「投開票まで」ひたすらこの路線で騒ぐのだろう。

※ちなみにこの記事の下には「首相「最後は自民との戦い」 第三極のブレ批判」という記事もある。「最後は自民と組む」大嘘つきが「ブレ批判」するのは片腹痛いが、それを批判するでもなく書いているこの記事もまたお粗末というしかない。

※本日の関連記事
・誰も通らない裏道(2009/05/08)
小沢関連~日経の「粘着」3連発!

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2012/11/30

自分たちの作った「アングル」をぶち壊す小沢一郎に我慢ならないマスメディア

昨日の日経朝刊1面トップにはビックリした。26日から28日に実施した世論調査の結果が掲載されたのだが、リードでは「自民党は衆院解散直後の前回調査(16~18日)から2ポイント下げたものの23%でトップを維持した。日本維新の会は15%で2位になり、民主党の13%を上回った。第三極が民自対決に割り込む展開が明確になった。」と書く一方で、「滋賀県の嘉田由紀子知事が代表を務める新党「日本未来の党」の結成前に調査した」というのだ。

民自維新がライト、あるいはウルトラ・ライトの路線を打ち出し、日本未来の党がリベラル政党として三極どころか二極をもうかがう状況のなか、日本未来の党が選択肢に入っていない世論調査にいったい何の意味があるのだろうか?
もちろん、カネをかけて調査をしたのだろう(といってもたかだか「福島県の一部地域を除く全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式により電話で実施。有権者のいる1406世帯から865件の回答を得た。回答率は61.5%。」というものだが)。
しかし、これだけ状況が大きく動いたのならば、再調査をするのがジャーナリズムとしての最低限の義務だろう。
ところが、それをしないでこんな無意味な調査結果を掲載をしたのは、要するに「投票先 自民23%、維新15% 衆院選民主13%に後退」という見出しをどうしても打ちたかったのではないかと私は推察している。

そして本日の読売では「民・自は対決鮮明、維新に曖昧さ…政策出そろう」というタイトルで以下のような記事を書いている。

 日本維新の会(代表・石原慎太郎前東京都知事)が29日、衆院選(12月4日公示―16日投開票)の政権公約を発表し、民主、自民と合わせた主要3党の政策が出そろった。
 民自両党は、争点化が予想されるエネルギーや金融政策などで互いに違いを打ち出し、対決色を鮮明にしている。維新の会は、石原氏が率いた太陽の党との合流の影響で、原発政策などに曖昧さを残した。
(※注 太字はブログ主)

サラリと書いてあるが、これはれっきとした「主要3党=民自維新」という刷り込みだ。

また昨日は読売、産経、朝日の社説が日本未来の党や小沢一郎を叩いているが、これについては、永田町異聞さんの素晴らしいエントリーがあるので、そちらを参照されたい。

・永田町異聞
卒原発への小沢関与を嫌悪する大メディアの政治的未熟

2009年の総選挙前、メディアは検察が捏造した「西松建設の巨額献金事件」(当時、マスメディアはこう書きたてた)に乗って、これでもかというほど小沢を叩いた。これは断じて許されないことだが、それでもあの時には一応、「事件らしきもの」があったわけだが、今回はそういうネタもなくなってしまったため、「とにかく小沢はけしからん。けしからんからけしからん」という感情論にまで批判のレベルが成り下がっている(とくに朝日)。

では、なにゆえにマスメディアはここまで小沢一郎を嫌うのか。

プロレスには「アングル」という言葉がある。
ウィキペディアによれば「アングルとは試合前後の物語であり、この出来で試合に対する注目度が変わり、観客動員数に影響を及ぼす。」とある。
プロレスをガチンコのスポーツだと思っている人はほとんどいないわけで、要するに興行である。そして、いろいろなストーリーが錯綜し、それをプロレスメディアがさまざまな団体や個人の立場から書きたてる。

日本の政治というのは、このプロレス興行と基本的に同じだと私は思う。
この際の元締めは霞が関で、その下で自民、民主、公明、社会、共産などの党がそれぞれにキャラクターとアングルを持ち「政治」という興行を国民に見せている。そして、ジャーナリズムはプロレスメディアと同様、そのアングルを書き立てて読者を煽る。

ところが、、、
小沢一郎だけはこのアングルにまったく興味を示さず、ガチンコで闘いを挑んでいる。
つまり、周りがみんな八百長をやっているなかで、一人だけ真剣勝負をしているのだ。

本来、革命政党であるはずの共産党が、なぜ不当な権力によって弾圧された小沢を徹底的に批判的するのか。それは共産党が、霞が関興行のなかで「国家権力に対峙する少数政党」というキャラを与えられ、そこから派生したアングルを演じているに過ぎないからである。つまり、共産党も霞が関興行の立派な一員なのだ。
したがって、この興行の枠組み自体をぶち壊そうとする小沢に対して、自民から共産まですべての政党が反発する。

解散前の党首討論の時、以下のようなツイートを見かけた。

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安倍氏「立ち合いは強く当たって流れでお願いします」
野田氏「了解しました。では流れで少しは踏ん張るよ」
安倍氏「まっすぐぶつかっていきます」
野田氏「途中で投げますよ」
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これには思わず笑ってしまったが、しかしあの党首討論もまたアングルだったと私は思う(たしか二木啓孝は、16日の解散はみんな知っていたと言っていた)。
そして、野党第二党である国民の生活が第一を徹底的に無視し、民主、自民、維新のバトルというアングルで盛り上げようとしていたマスメディアにとって(無論、事実は現在の民主、自民は選挙後に手を組まざるを得ない)、またぞろガチンコ小沢が登場し、思いもよらなかった嘉田由紀子を担ぎ出してきてせっかくのアングルをぶち壊そうとする行為は、もはや我慢のならないことなのだろう。
しかもまた、小沢の手際があまりにも鮮やかだったことが、苛立ちに拍車をかける。

今日の朝のTBSラジオの森本毅郎の番組には小沢遼子が出ており、彼女はきわめて真っ当なことを話していた(そのなかにはマスメディア批判もあった)。するとこれに対して森本毅郎が精一杯の皮肉を込めながら、「いやまあ、しかし小沢さんがなんとなく新鮮に見えてきちゃうんだからねーハハハ」と言い放ったものだった。

さてしかし、では嘉田由紀子氏は、霞が関興行の一員ではないかの? あるいは簡単に取り込まれたりしないのか?
これはその経歴や最近の発言を見るにつけ、まったく問題なさそうだ。
嘉田氏はニコニコ動画の党首討論で、こう言ったという。

ネット・ユーザーの皆さん
嘉田由紀子がなぜ「(国民の)生活が第一」の小沢さんや、「みどりの風」の谷岡さんたちとともに、この新しい未来への政治に船を漕ぎ出したのか、実は滋賀県庁にも、ここ数日、たいへんさまざまな疑問が寄せられました。
その中でいちばん、多かったのが、「旧体制」たる小沢さんに対して、私のイメージが合わないということでございました。
私は、政治家としての小沢さんを尊敬しております。小沢さんは、地域を大事にいたします。たとえば、滋賀県に最初に来てくださった時に、過疎地の沖ノ島に来てくださいました。
私も地域を大事にする。そして、これまで小沢さんを利用した人は自分のために利用したかもしれません。私は、小沢さんの力を日本の政策実現、未来の為に使わせていただきます。

・世に噛む日々
橋下と石原の「野合」とは天と地の差。「小沢=嘉田」合流は歴史的必然だ。

前述の森本毅郎のラジオの中で、小沢遼子は「女性が党首になったこと」だけで十分に評価できると言っていたが、私もそう思う。
3.11以後に感じるのは、女性の原発問題に対する関心の高まりである。さまざまな集会、官邸前のデモにしても、目立つのが女性の姿(それも幅広い年代で)だ。
この女性たちが「卒原発」の嘉田氏の下に集まり、「国防軍」だとか「核武装」といった与太話を撒き散らかしているおバカな、あるいは耄碌した男根野郎どもをぜひとも蹴散らして欲しい。

ちなみに、これも二木啓孝が言っていたが(ただし国民の生活が第一の議員から聞いた二次情報できちんとウラは取れていないと言っていた)、小沢は解党を決めた役員会で、「おい、みんなで嘉田さんのスカートの中へ入ろうぜ」と言ったそうである。

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2012/11/28

早速、嘉田新党の小沢合流を揶揄する天声人語

いつも愛聴している「久米宏ラジオなんですけど」(TBS)には、一つだけ不愉快なことがある。
それは、スポンサーの一つである朝日新聞のCMが流れることだ。
私は放送を生で聴くのではなく、録音して夜、ウォーキングをしながら聴くので、そのCMをスキップできない。
天声人語の一部分のナレーションが流れた後に「朝日新聞の1面コラム天声人語」と言って締めくくられるこのCMはいくつかのパターンがあるのだが、その内容がどれもこれも陳腐である。
こんなくだらい駄文を書き写すためのノートまで販売している会社というのは、どれほどいかがわしいかと思う。
ということで本日の天声人語。

 電卓をたたいて、意外に小さいと思った。滋賀県の面積に対する琵琶湖の割合である。県地図に開(あ)く青い大穴は3割を占める趣なのに、実は17%弱。淀川流域1500万人の水を賄う存在感が大きく見せるのだろう▼水がめの番人、滋賀県知事の嘉田由紀子(かだゆきこ)さん(62)が、卒原発を掲げて「日本未来の党」をつくる。京大在学中から琵琶湖を愛する環境社会学者でもある。若狭湾の原発群で大事故があれば、水源が汚染されるとの危機感が原点にあるらしい▼脱原発を訴える各陣営で、発信力が高そうなのは日本維新の会の橋下徹氏だった。ところが、石原慎太郎氏を代表に迎えるにあたり、橋下氏の歯切れは悪くなる。「仲間を失った」という思いが、嘉田さんの背中を押したようだ▼新党の動きに早速、小沢一郎、亀井静香、河村たかしの各氏ら、ひと癖ある政治家が呼応し始めた。誰の仕掛けか、生臭くもある。衆院選公示まで1週間、どこも「政策より議席」の実戦モードに入った▼雨後の竹の子の第三極はこれで、「強い日本」を志す維新の会と、嘉田さんを顔に、脱原発で手を握るグループに大別される。彼女が言う通り、福島の事故を受けた初の国政選挙で、原子力の未来がとことん論議されないのはおかしい▼かなりの国民が原発からの卒業を望んでいる。しかし、このまま票が分散しては、思いが政治に伝わらない。関西発が続くが、永田町の力学を離れて選択肢が増えるのはいい。琵琶湖が結ぶ絆も、その一つである。
(※太字はブログ主)

検察のシナリオに乗って3年以上にわたって小沢叩きを続ける、歴史的な政権交代における公約を破って正税増税を言い出した勢力を後押しし、この法案成立を「成果」と評し、挙句の果てに自分たちは消費税増税から除外しろと言う、福島で「放射能の影響はニコニコ笑っている人には来ない」などという大与太話をばらまいている人物に「がん大賞」を授与する“生臭い”会社の名物コラムがこれから選挙終了までどんな書きようをしてネタをくれるのか、実は私は結構楽しみにしている。

※昨日はTBSの杉尾秀哉も早速、面白い発言をやらかしたらしい。その話については、今晩会う友人ブロガーに聞く予定。

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2012/11/26

脱原発グループ結集の動きにに対して再び始まった小沢叩き

滋賀県の嘉田由紀子知事が新党を作り、そこに国民の生活が第一、みどりの風、、「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(脱原発)」が合流する動きが出てきた。

これは大歓迎で、脱原発の勢力が一つのグループで選挙を戦うのは大変に結構なことだ。
しかし、こうして小沢一郎を含むグループが動き出したことで、またぞろ小沢叩きが始まる可能性も高い。
今日のTBSラジオ「荒川強啓のデイキャッチ」では、このニュースの解説のために出てきた山田という時事通信の解説委員が、早速、必死になって揶揄するような発言を繰り返していた(クルマに乗りながら聴いていたので定かではないが、山田は「(脱原発グループの結集は)やめて欲しいんですけどね」と言ったような気がした)。

ところで、この小沢叩きの先触れなのかもしれないが、本日の朝日新聞では、性懲りもなく「総選挙・政治とカネ―どの政党が正せるか」と題する社説を書いている。以下はその全文。

 政党交付金の制度ができたとき、腐敗の元凶の企業・団体献金をなくし、清潔な政治を実現するステップだと説明された。
 だが20年近くが過ぎた今も、あて先が個人から政党支部に看板がえしただけで、献金が続いていることに変わりはない。
 骨抜き、とはこのことだ。
 あろうことか、旧来の政治との決別をとなえ、企業・団体献金の禁止を党規約に盛った日本維新の会も、この方針をあっさり撤回してしまった。
 橋下徹代表代行は「ちょっと修正をかけた」という。何のことはない。合流した太陽の党にならった、つまり、企業・団体にすがる古い勢力と同じ道をゆくという話ではないか。
 政治とカネ。今回の総選挙でも忘れてはならない課題だ。
 民主党政権はこの醜聞でつまずき、輝きを失った。
 鳩山由紀夫氏は、母親から毎月1500万円もの金を受けとりながら「秘書に任せていて私は知らない」と述べ、その元秘書は政治資金収支報告書にうそを書いたとして有罪になった。「裁判が終われば使い道を明らかにする」という氏の約束もほごにされ、不信を残した。
 小沢一郎氏をめぐる政治資金事件も同様である。
 本人の無罪は確定したが、元秘書3人は一審で有罪判決をうけた。「収支報告書など見たことがないし、見る必要もない」と法廷で言いきった小沢氏に、国民はあぜんとした。
 民主党には、労組からの違法献金で辞職した議員もいた。にもかかわらず、政治の浄化をうたった3年前の政権公約の実現にむけて、党が一生懸命汗をかいた跡は認められない。
 自民党も相変わらずだ。今回の公約集にも、「政治資金のより一層の透明性を確保する」との抽象的な一文が、言い訳のように書かれているだけだ。
 企業・団体献金の禁止をはじめとして、とるべき手立てははっきりしている。
 政治家が資金管理団体や政党支部など多くの「財布」をもつ現状をただし、金の流れを一本化して見えやすくする。
 会計責任者の「選任」と「監督」の両方に落ち度がなければ政治家本人の責任は問えない。そう定めている現行法を改め、言いのがれを封じる――。
 政党が乱立し、どこも独自の色をみせようと懸命だ。
 今こそ政治とカネについて明確な主張と具体的な改革案を示し、自分たちの姿勢をアピールしてはどうか。政党のやる気、そして国民感覚との距離を測るうえで、格好のテーマである。
(※注太字はブログ主)

民主党が輝きを失ったのは、検察による小沢一郎への冤罪捏造をメディアが総動員で煽ったからだと私は考える。結果、小沢一郎は確定的だった総理大臣の座に就くことができなかった。
朝日社説は「元秘書3人は一審で有罪判決をうけた。」と書いているが、先日の小沢の二審判決では、「政治資金収支報告書への虚偽記入についての小沢氏の故意を否定しただけでなく、更に踏み込んだ事実認定を行い、重要な事項について、実行行為者である秘書の石川知裕氏及び池田光智氏について虚偽記入の故意がなかったと認定した」(郷原信郎が斬る~ 陸山会事件の構図自体を否定した控訴審判決とマスコミ・指定弁護士・小沢氏の対応)のである。
にもかかわらず、そういうことは一切触れぬまま、相変わらず「政治とカネ=小沢一郎」というイメージを刷り込んでいる朝日新聞には「あぜん」とする以外にない。

ところで、昨日の日経朝刊には「引退議員に聞く 大連立頓挫、国に損失 外交修復10年かかる」と題して福田康夫のインタビューが掲載された。この内容が興味深かったので最後にちょっと引用しておく。

 ――第三極の核になっている日本維新の会の橋下徹代表代行をどう評価していますか。
 「いわく言い難しか。万能な政治家はいない。だれか一人に期待するのはやめた方がいい。個人プレーに引きずられてマスコミが右往左往すれば国民が路頭に迷う」
 ――小沢氏と模索した大連立構想は実現しませんでした。
 「小沢氏とは社会保障国民会議を立ち上げるという話はした。すなわち消費税で財源を補填していこうということだ。しかし消費税までは言及していない。連立の話を決めてから政策を議論しようと。その前に党の了承をとってくると言って彼は部屋を出たけど、駄目だった。全部パーです。大連立に反対した人たちは一体何を考えているのか。この3、4年は無駄というか損しちゃったよね、日本は
 ――今後は政治にどうかかわっていきますか。
 「これからは他党ではなく、メディアをチェックする。目先の視点ではなくロングタームで考えてほしいね。たくさん政党ができて、自己宣伝を一生懸命している方が得だという感覚を育ててしまった」
 「異常な状況をつくった政治の責任はもちろん、メディアの責任もある。郵政解散の時は『刺客』に関心がいき、前回の衆院選で民主党はマニフェスト(政権公約)にお金がなければできない政策ばかり羅列したが、できなかった。しっかり検証して分析してほしい」
※(太字はブログ主)

私とは基本的な考え方の異なる福田康夫のインタビューに全面賛同はできないが、しかし傾聴に値する部分も多々ある。
総選挙後の流れは自公民である可能性が高い。そしてきっとメディアはそれをプッシュするだろう。
一方、福田と小沢の大連立は幻に終わった。「徹底的にポピュリズムを排した」という福田と小沢の連立に反対したのは現在の民主党執行部の面々であり、マスメディアであることを銘記しておく必要がある。

とここまで書いたところで今日の小沢一郎の会見映像を「ニコニコ生放送」のタイムシフト視聴で見たのだが、小沢は有利と言われる原発の発電コストについて、廃炉コスト、放射性廃棄物の管理コストがまったく反映されていないことを指摘している。この認識はまったく正しい。
が、それだけに、この石原チンタロー慎太郎・橋下徹の「現有議席で泡沫第三極」とは異なる新たな「脱原発第ニ極」をマスメディアがどう報道するのか。注視する必要がある。

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2012/11/24

本当の勝負は来年の参議院選挙 ~ マスメディアの「生活隠し」と小沢一郎の戦略

本日の日経2面(総合)。社説左には「党の顔 前面に」というタイトルの記事がある。リードは以下のようになっている。

 12月16日投開票の衆院選に向け、民主、自民、第三極がそれぞれ党首級を前面に押し立てる選挙戦略を動かし始めた。民主党は野田佳彦首相(党代表)が消費増税など「決める政治」の実績を訴える。自民党は安倍晋三総裁に加え、地方で支持が根強lい石破茂幹事長との二枚看板で対抗。第三極の日本維新の会は橋下徹代表代行が全国行脚して票を掘り起こす。
そして「民主 野田首相 『国防軍簡単にできない』 決める政治を訴え」、「自民 安倍総裁 『首相は人の悪口ばかり』 石破氏と二枚看板」、「維新 橋下代表代行 『選挙区調整じゃんけんで』 知名度生かし行脚」というタイトルをそれぞれつけて写真つきで書き分けている。

そこで、次に以下のエントリーを読んでいただきたい。

・田中良紹の「国会探検」
「第三極」か「第二極」か

田中良紹氏は言う。

 実は民自公3党はどんなに激しく相手を批判しても選挙後は手を組まざるを得ない運命にある。「ねじれ」で政権運営が全くできなくなるからだ。国民が「政策」の対立なんぞに目を奪われていると「争点隠し」に騙される事になる。「政策」よりも大事なのは数の論理である。「政策」はごまかせるが数はごまかせない。

 仮に次期総選挙で安倍自民党が大勝しても、参議院で民主党の協力を得ない限り安倍氏が政権公約を実現する事は絶対に出来ない。そのため民自公は運命共同体なのである。民自公が怖いのは「第三極」の勢力が伸びる事で、そのためにも民主と自民は対立を強く見せつける必要がある。
(下線強調部分はブログ主)

では、その第三極は維新なのかというと、それは違うと私は思う。
なぜなら、維新は民主と自民が対立していることを前提として存在しているからだ。
そして、民主、自民が衆議院で両方とも過半数を取れない場合にキャスティングボートを握るという戦略だろう。
ところが実際には民主と自民は対立しておらず、参議院の構成を考えれば協力さぜるを得ない運命にある。
したがって、維新が政権の枠組みにもぐり込むことができたとしても、所詮は泡沫ということになる。

では、本当の三極、二極になりうる三極はどこかといえば、国民の生活が第一を中心とした勢力だろう。
なぜなら、原発、TPP、消費税という主要な争点で民主、自民と決定的に対立しているからだ。
しかし、ではこの勢力が今度の総選挙で勝てるかというと、それは難しい。第一、それだけの数の候補者も立てられないのが現状である。

だが、、、
と私は思うのだ。
実は来年は参議院選挙がある。もし、今回の総選挙で国民の生活が第一のグループが二極の足がかりを掴むことができれば、来年の参議院選挙で勝負をかけることができる。
なにしろ日本の政治においては参議院選挙が重要な意味を持つことは近年の政局が証明している。
とすると、小沢一郎は当然、そこまで見据えた上で、動いているだろう。
2007年の参議院選挙で小沢は民主党を圧勝に導いた。それが政権交代への大きなきっかけとなったわけだが、しかし小沢本人は検察が捏造した「事件」によって代表の座を追われ、本当の意味での権力を握ることはできなかった(その後、菅直人を相手に民主党代表選を戦ったが、この時にもし小沢が勝った時のために、虚偽の捜査報告書によって導かれた検察審査会の起訴議決がセッティングされていた)。
そこで小沢は再び参議院選挙からやり直そうとしている。その前段階が今回の総選挙なのだと私は思う。

そして、メディアはそれに感づいているから、必死になって橋下という泡沫を第三極の代表として扱い(それにしても大阪市長という職はどれだけヒマなのか)、露骨なまでの「生活隠し」をしているのではないだろうか。

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2012/11/22

考えてみれば当たり前の話 〜 選挙後の枠組みは自公民

近年の政治の混乱の原因が、参議院の構成(衆議院との与野党の逆転)にあることは、田中良紹氏がつとに指摘されているところである。

日本の憲法においては実は参議院の力が強い。衆議院で過半数を握っていても、参議院が逆転されていると法案は通らない。それを乗り越えるためには衆議院での再議決が必要だが、そのためには3分の2以上の議席がなければならないのだ。

2007年、小沢一郎代表で参議院選挙を戦った民主党は自民に勝利して参議院第一党となった(ちなみに、これはあの前原の偽メール事件でボロボロになった民主党を見事に立て直した成果である)。
するとその後、当時の自民党・福田康夫と民主党・小沢の間に大連立構想が浮上する。
当時は私も「小沢は何を考えているのか!」と腹がたったが、その後、田中良紹氏の解説を聞いて、「なるほど、そういう意図があったのか」と思った。その時に書いたのが、以下のエントリーである。

大マスコミが報じない政局

今、考えてみると、福田康夫(この人物はここ最近の自民党総裁の中ではきわめて真っ当だった気がする)と小沢一郎が組むというのは惜しいチャンスを逃したと思うのだが、それはともかく参議院のねじれ対策が国会運営上、非常に重要なのは確かで、ゆえに青木幹雄、輿石東といった参議院の実力者が、その時々で権力の中枢に影響力を保つことになる。

2009年の総選挙で政権交代を実現した民主党にとって、そういう意味では2010年の参議院選挙は本当に大事だった。ここでごくごく普通に勝てば、自民党はもうぐうの音も出ない状態に陥ったことは間違いない。
そして、それは十分に可能だった。
当時、鳩山由紀夫が普天間移設問題(※注)でメディアの総攻撃を受けて小沢とともに退陣した後に菅直人が総理となったわけだが、この時に民主党の支持率は大幅にアップしている。したがって、そのまま参議院選に突入していれば、民主党は衆参両院で安定的な過半数を得ることができたはずで、おそらく鳩山、小沢もそれを見越して退陣したのだろう。

ところが、、、
選挙前になって突然、菅直人が消費税増税を言い出した。
当時、私は有田芳生氏の選挙を手伝っていたが、戦いを始めた途端に後ろから弾が飛んできたのだから驚いた。道行く人で「鳩山、小沢はけしからん」という人はまったくいなかったが、「菅はけしからん」という人なら山のようにいた。
結果、民主党は大敗し自民党が息を吹き返したわけだ。

こう考えると、菅直人の責任は重大だが(幹事長は枝野)、それにしても不思議なのは、なぜ菅があの時急に消費税のことを言い出したのかだ。私には「わざと負けるために」言い出したとしか思えないのである。なにしろ参議院選挙で勝っていれば政権は安定し、自民党は衆議院選挙に続く大打撃を受けていたはずだ。だったらそれから消費税に取り組むというのが普通の考えだろう。しかし菅はそうしなかった。

そして現在の野田政権。消費税増税という重大な公約違反をした末に解散に打って出た野田は、候補者にTPPで踏み絵を踏ませて純化路線を行くのだという。
かつてメディアは小沢一郎に“壊し屋”というレッテルを貼ったが、それを言うなら野田ほどの壊し屋はいない。2009年に300議席以上を獲得したにもかかわらず、小沢グループが離党し、さらに解散の段階で過半数割れ。選挙後の議席は2桁との予想もある。
にもかかわらず野田が平然としているのは、参議院の数があるかぎり、どんなに衆議院の数が減っても自分たちは無視できないということを知っているからだろう。

数日前、石破茂が「連立という話ではないが、政策が合うのならスピーディーに進めていかないと国民のためにならない。基本的には(民主、自民、公明の)3党だ」「維新の会は参院で議席を持っていない。衆参のねじれの解消には寄与しない」と言ったそうだがこの認識は正しい。
総選挙の結果、自公民を足して過半数を越えれば第三極など必要ないし、参議院のねじれも解消する。

そもそも現在、民主党の中心にいる野田や前原一派は元々自民党に近い連中である。小沢一郎が西松事件という捏造事件がきっかけで代表の座を追われた時には、自民やメディアと一緒になって小沢の足を引っ張っていたし、前原にいたっては「そもそも2009年のマニフェストはおかしいと内心では思っていた」などという始末だ。
そういう意味で、いま野田がやっているのは、選挙後に、より自公と連立しやすくするための、いらない連中の振り落としと見ることもできる。
そして、実はひょっとしてこれが霞が関を中心とした、マスメディアを含めた既得権益集団が描いた「政権交代潰し」の最終的な着地点なのではないと私は考えたりする。

(※注)
鳩山由紀夫の選挙不出馬、政界引退について、マスメディアは一斉に「総理時代に普天間移設問題で信用を失った」と書き立てている。
しかし、沖縄県民の中には鳩山に対して「普天間移設が簡単でないことはわかっているが、県民の総意を初めて口に出して実行に移そうとした人」と評価をする声もあるということを、昨日、ラジオで二木啓孝が喋っていた。

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2012/11/20

小沢無罪判決確定で、最低限の責任も放棄するマスメディア

「陸山会事件」で小沢一郎の高裁無罪判決が出て以降、気がついた時にはテレビで報道系の番組を見るようにしていたのだが、各局に共通するのはその扱いの小ささだ。

たとえばTBSのサンデーモーニング。コメンテーターとして出演している毎日新聞主筆の岸井成格は、2009年3月の「西松事件」以降、小沢批判をしてきた急先鋒である。

小沢秘書逮捕と見るに堪えない政局(2009年4月1日)

上記のリンク先の文章にはこう書いてある。

そしてこれ(※ブログ主注 検察が捏造した西松事件)を許せば、政治資金規正法上、個人に対する企業・団体献金をいくら禁止したって意味が無いから、検察としてはこれを見逃すわけにはいかないという意図なのだろう。これは推測だが、今回の事案でここまでやる、それも公判でやるということは、これ以外になかなか考えにくい。
(中略)
だからこそ選挙全体、政局全体を考えて、小沢代表本人が決断(※ブログ主注 民主党代表の辞任)するべきで、私は「早ければ今すぐにでも」と先週27日朝のテレビ番組でも言ったが、検察が「重大悪質な事案」として公判で明らかにしていく、証拠は固めていくという裁判を抱えた人が、果たして総理大臣になれるのかということになる。

これは当時のマスメディアの典型的な主張で、各媒体が繰り返して同じ内容の報道を垂れ流し(この間、小沢の名前を流す時にはしばしば、頭に「西松建設の巨額献金事件」という語句を付け足した)、挙句に「小沢代表は辞任すべきだと思いますか?」という世論調査をやり、さらに小沢バッシングの風圧を強め、結果、小沢は粘ったものの最終的には総選挙前に民主党代表の座を降り、総理大臣への道を断たれた。

では、岸井が今回の小沢の「陸山会事件」二審無罪判決に対してどういうコメントをするのか? 私は興味があったので、先日の「サンデーモーニング」(TBS)を見たのだが、驚くことに岸井は何もコメントをしなかった。
というか、そもそもこのニュースは番組が始まってから1時間半ぐらいたったあとの1週間を振り返るコーナーのなかでサラッとビデオを流しただけだったのだ。

これには呆れてしまったが、私の見た報道番組は、すべてこれと同じパターンだった。

たとえば「とくダネ!」では、政局が騒がしくなると毎朝のように田崎史郎出演して得意げに解説する。したがって、かつては番組の冒頭から薄笑いを浮かべつつ小沢をボロクソに言うのが定番だったが、二審判決後の「とくダネ!」では田崎がスタジオにいる間にはこのニュースを扱わず、番組開始から1時間半ぐらいたった、やはりフラッシュニュースでサラッと流しただけ。

これは昨日の小沢無罪確定以後もまったく変わらない。

たとえば夕方のTBSのニュース。やはり小沢叩きの急先鋒を務めた杉尾秀哉がコメンテーターのこの番組でも、杉尾は一切無言でVTRを流すだけ(ちなみに、このニュースを紹介した女子アナは「水谷建設の裏金を小沢側に渡した」という捏造証言ビデオを「JNNのスクープです」と言って紹介したのと同じ人物だった)。
NHKニュース9の大越健介も同様だった。

ちなみに、私が見た番組のすべてに共通するのは、

・まず番組冒頭では政局のニュースを延々と流す。それも維新の会が中心のものが多く、また世論調査の結果などを交えて国民の生活が第一の支持率が低いことをさりげなくアピール。
・さらに他のニュースを流し、1日(あるいは1週間)のニュースのまとめの中で「小沢無罪」を紛れ込ませて、キャスター、コメンテーターは一切何も喋らずに次のニュースへ移る。
・VTRの内容は、検察審査会の強制起訴のあり方に問題があることを強く示唆する。

ということ。
つまり、ここには2009年以来の自らの報道姿勢に対する検証の姿勢は一切ないのである。

もちろん、マスメディアにそんなことははなから期待できないことは、こちらも承知している。が、しかし少なくとも自分たちがあれだけ罵倒して足を引っ張った政治家の無罪が確定したのだから、せめてどんなクソコメントでもいいから発言するのが、世論に大きな影響を与えているキャスター、ジャーナリストの最低限の務めであり責任ではないのか。

そういう姿勢が一切なく、自分たちに都合の悪いニュースは横並びで黙殺をするマスメディアは、一方で今日も来るべき総選挙の世論操作に余念がない。

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2012/11/13

陸山会事件控訴審判決 ~ 問われるべきは検察の「クーデター」に加担したマスメディアの責任だ

小沢一郎の控訴審判決は無罪だった。当たり前の判決だが、それが新鮮に感じてしまうところに、この国の病の深さがあると思う。
以下はこの件に関する郷原信郎氏の連続ツイートをつなげたもの。

今日の小沢控訴審判決の要旨を入手して読了。一言でいうと、「指定弁護士惨敗」判決。一審判決では多少、検審や指定弁護士への配慮もあったが、控訴審判決は、遠慮なく正論でズタズタに斬り捨てている。指定弁護士は、控訴したことを後悔しているだろう。一審で止めておけば「惜敗」で済んだのに

予想以上だったのは、控訴審判決が、小沢氏の「虚偽性の認識」だけではなく、石川・池田氏の「虚偽性の認識」の一部も否定したこと。近く始まる秘書公判にも重大な影響を与える。石川氏に殆ど犯意らしき犯意がなかったとすると、秘書事件一審判決の「水谷裏献金隠し」の動機は宙に浮く

今日の控訴審判決、簡単にまとめると、指定弁護士⇒《大恥》、検察・登石(秘書事件一審裁判長)⇒《真っ青》と言ったところか

以下はIWJの岩上安身氏による郷原氏へのインタビュー映像。本エントリーで少し書き起こしもしたが、できればご覧いただきたい。



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「陸山会事件」の一審判決は、「政治的事件の政治的判決」(田中良紹氏)だった。そして今回の控訴審判決。郷原氏は言う。

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(一審、控訴審とも無罪なのは当たり前だが)私もここまでは予想していなかったのですが、単なる無罪判決ではないんですね。私の予想以上の判決でしたね。高裁がここまでの事実認定をきちんとしてくるとは、私も思わなかったですね。

ひとことで言うと、一審判決の段階では、石川さんたち秘書のレベルでは一応犯意があった、違法性、虚偽の認識もあった。しかしそれを小沢さんが認識していなかった可能性があるといって、小沢さんの虚偽性の認識だけを否定したわけですよ。ところが今回の今日の控訴審判決は、小沢さんの虚偽性の認識を否定しただけではなくて、石川さん、池田さんという秘書の、直接、収支報告書を記載した立場の人の虚偽性の認識も、少なくとも一部は明確に否定した。そしてはっきりは認定していない部分についても、「それで説明がつくと考えていた可能性がある」といっているので、これはこれから秘書の事件の公判が高裁で始まりますから、重大な影響があるということになると思いますね。

まあこんなことになるぐらいだったら、指定弁護士さんたちは本当に(控訴を)やめておけばよかったということになりますね。検察にとってももう、とんでもない控訴をしてくれたということだと思いますよ。

一審判決は、まだ多少なりとも検察審査会とか指定弁護士に対して遠慮したんですよ。あんまり正面から否定すると、まあちょっとカッコがつかないんじゃないかと思って配慮してもらっているのに、それをありがたく受け取らないで、『もうちょっとだ』と思ってしまったというね、本当に(指定弁護士は)何を考えているのかという話ですね。冷静に考えてみれば、あそこ(一審判決)はもう本当に善戦だったと。もうこんなデタラメな事件で、あそこまで惜敗の雰囲気を漂わせることができたのは御の字だったと思わなければいけないのに、調子に乗って、その最後のところで負けにされたのが気に食わないといって、正面から一審判決を批判したものだから、今回の控訴審判決では「思い上がるな」という意味ですよね。もう何を考えているのか?と。

ここまで高裁が踏み込んだ判断をするというのは、『ちょっとどうかしてるんじゃないか』という思いがあったと思いますよ。こんな事件で一審判決がこれだけの配慮をしているのに控訴したということに対して。
そういう意味では今回の控訴審判決は、一審、二審とより深まったわけですけどね。検察の無茶苦茶、暴走と比較すると、司法が最終的にはきちんとした判断をしたという、ある意味では歴史的にも意味のある判決なのではないかという気がしますね。
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この判決を受けて、日経の本日の朝刊は「強制起訴見直し迫る小沢裁判」という社説を掲載したが、見当違いも甚だしい。
なぜなら、小沢裁判の最大の問題点は、2009年の総選挙前の時点で、次期総理大臣の最有力候補だった野党第一党の党首が、まったく架空の「犯罪」をでっち上げられたことによってその座を追われたことにあるからだ。
この冤罪事件がなければ小沢一郎は総理大臣になっていたことは間違いない。当時、民主党による政権交代を期待していた人々もそれを当然と思っていたわけで、まさか数年後に野田佳彦などという人物が総理大臣に就いているとは思いもよらなかったはずだ。
ところが検察はその流れを冤罪をでっち上げることで断ち切った。これは民主主義に対する挑戦であって、検察による完全なクーデターである。
したがって、本来ならばこの検察の動きはマスメディアによって徹底的に批判されなければならないのだが、現実の動きはそれとは真逆で、マスメディアは検察に全面的に加担した。

昨日の日経夕刊の社会面には、「陸山会事件をめぐる主な経過」という表組みがあった。これを見るとその始まりは「2010年1月15、16日東京地検特捜部が元秘書3人を政治資金規制法違反容疑で逮捕」となっているが冗談ではない。
小沢一郎をめぐる一連の事件のそもそもの始まりは、2009年3月の「西松事件」である。
まさに総選挙を目前に控えたこの時期、東京地検特捜部は小沢の秘書を「西松事件」で逮捕し、その直後からリーク情報を徹底的にメディアに流すことで、世論のコントロールにかかった。

・誰も通らない裏道
小沢秘書逮捕報道~いま問われているのはメディア自身である

テレビでは政治評論家と称する連中や東京地検特捜部OBが小沢の悪質生を指摘し(郷原氏をのぞく)、マスメディアは小沢の「政治とカネ」を激しく非難した。
さて、ではその西松事件はどうなったか? これは当ブログでは何回となく書いてきたことだが、公判の途中で検察側の証人が検察の構図を否定したため、事件そのものがすっ飛んでしまったのである。
そこで困った検察が持ちだしてきたのが「陸山会事件」だ。

マスメディアに真っ当な感覚があれば、この検察の暴走を追及しなければならないが、ここでもメディアは検察の構図に乗って小沢一郎を叩きに叩いた。

TBSは「水谷検察と石川秘書の現金受け渡し場面」という、まったく架空の捏造ビデオを「スクープ」といって垂れ流した。フジテレビの「とくダネ!」では、田崎史郎というゴロツキ政治評論家がニヤニヤ笑いながら番組のオンエア開始と同時に、えんえんと小沢の悪口を言い続けていたものである。

それが、、、である。
本日のとくダネ!では、冒頭からやれ衆議院の解散だの、朝日新聞出版の橋下への謝罪をさんざんやって、田崎はお役御免。そして、それから1時間以上たってから、小沢のニュースをチラッと流して、司会者もなんのコメントも出さないままコマーシャルへ。田崎はまんまんとトンズラに成功だ。
しかしまあ呆れるのは、田崎にしても、あれだけ小沢叩きをしたのだから、せめて番組で判決に対する感想を述べさせるぐらいはするべきだし、それが言論人としての最低限の義務だろう。ところが「逃げた」ということは、田崎にとってもフジテレビにとっても、それだけ今回の判決は都合が悪かったということだ。

そして本日の朝刊。日経は前述のような社説を掲載したが、論点をすり替えつつもそれはそれで、さすがに今回はまずかったという雰囲気が節々に見える。社会面には「『筋書きありきだった』検察元幹部、反省の声」という見出しの記事もあり、「当時の捜査を知る元幹部は『誤った見立てに基づくストーリーありきの捜査だった』と指摘した」などと書いてある。自らの責任は棚に上げてはいるが、さすがにこれまでのような論調で小沢を叩くのは気が引けたのだろう。

ところで、私が購読しているのは日経だけ。そこで他の新聞についてはネットで社説を読んでみた。
結果、読売も毎日もどうしようもない内容だったが、なかでも頭抜けてひどかったのが朝日だ。
というのも、読売にも毎日にも、一応、検察の捜査に対する苦言がかろうじてある。ところが、朝日にはそれすらなく、依然としてただひたすら小沢を叩いているのである。
以下がその社説だが、この目を覆うばかりのひどさを「国民はしっかり見ている」。

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小沢氏無罪―政治とカネ、いつまで

 政治資金収支報告書にうその記載をしたとして強制起訴された小沢一郎衆院議員が、東京高裁であらためて無罪となった。
 追加の証拠調べがなく、結論は予想されていた。高裁は、実際に報告書をつくった元秘書らについても、わざとではなく、認識不足から一部誤って書いた可能性があると結論づけた。
 元秘書らは検察によって起訴され、一審で虚偽記載の故意が認められた。高裁の別の裁判長のもとで、あすから二審が始まる。そこではどう判断されるのか、行方を見守りたい。
 刑事責任の有無をはなれ、事件は「政治とカネ」をめぐる多くの疑問や不信を招いた。
 今回の判決も、問題となった土地の取引が本来報告すべき年に報告されなかったこと、元秘書が公表を先送りする方針を決め、不動産業者らと調整したこと――などを認めている。
 金や資産の流れをそのまま明らかにして、国民の不断の監視の下におく。それが法の精神ではないか。何億円もの動きについて、事実と異なる報告がされていた点に変わりはない。
 疑惑が指摘された当初、小沢氏は会見で身の潔白をあかす書類を示して追及をかわした。後にそれは、日付をさかのぼって急きょ作成したものであることがわかった。捜査や公判を理由に国会での説明から逃げ続け、一審の法廷では「関心は天下国家で、収支報告書は見たこともない」と述べた。
 こうした行いは国民と政治との距離を広げただけでなく、小沢氏への失望を呼び、活動の幅をせばめる原因にもなった。
 その自覚と反省を欠いたまま、新しい政党をつくって「第三極」の結集をうったえたとしても、広範な支持を得るのはむずかしいだろう。
 なげかわしいのは、他の政党や国会議員も同じだ。
 事件によって、「秘書に任せていた」「法律の知識がなかった」ですんでしまう制度の不備が、再び浮かび上がった。ところが、かねて課題の企業・団体献金の廃止をふくめ、見直しの動きは起きていない。
 抜け穴の多いしくみの方が楽だし、どうせ国民は忘れてしまうさ。そんな甘えがないか。
 氏が政治の中心にいるときは思惑ぶくみで事件を利用し、後景に退けば知らんふりを決め込む。政局優先のご都合主義が、既成の、とりわけ大政党への不信となって表れている。
 衆院の解散が近い。政治とカネというこの古くて新しい問題に、各政党はどう取り組むか。国民はしっかり見ている。
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2012/10/26

震災復興、福島第一原発処理は重点政策でない石原新党に大騒ぎをして、「国民の生活が第一隠し」をするメディア

石原慎太郎が都知事の座からトンズラして、新党を立ち上げるという。
その重点政策は日経によれば、

・硬直した官僚支配構造の打破
・国の会計制度改革(財政への複式簿記やバランスシートの導入)
・衆院選挙制度の中選挙区制導入
・米軍横田基地の軍民共用化
・尖閣諸島の実効支配を強化
・自主憲法制定

だそうだ。都庁で役人に言われるがままをやってきた人物が、国政で官僚支配を打破できるはずもないが、何よりも驚くのは、この重点政策の中に、福島第一原発の処理や住民の避難、そして東北地方の震災後の復興という、本来、最重点にしなければならない政策が皆無なことだ。

自主憲法を制定して尖閣諸島の実効支配を強化、、、ってアホか。
いま問題なのは、福島を中心とする広範な「領土」が東京電力のお陰で失われつつあり、しかもそれが放置されていることである。しかもこの破局事故は収束もしていない。
にもかかわらず、そのことがまったく眼中にないのだから、石原新党は「耄碌ジジイ集団」と呼ぶしかない。

石原はまた、「国民の生活が第一の小沢一郎代表に関して『組むことはないだろう』と突き放した」(日経)そうだが、こんな耄碌ジジイ集団と組みたい勢力があるとしたら、同じレベルのアホというしかない。

「この国は堕落し退廃しきった老人たちが、勝手気ままに引きずりまわし、国民がそれについて何を言おうと耳をかそうともしない……」
丸山邦男著 『遊撃的マスコミ論』 遊撃的人物論-石原慎太郎 より)

これは石原が最初に参議院選挙に出馬した時の立候補宣言の一部だが、今の石原そのものである。
ところが、本日の日経では、石原が都知事職を放り投げたことを批判するでもなく、1面、総合、政治、社会、ついでにスポーツ(これは五輪誘致)まで入れて書き分ける念の入れようだ。

一方、昨日結党大会を開いた野党第二党の国民の生活が第一の記事はというと、、、

生活 結党大会で公認24人紹介
 ■生活 「国民の生活が第一」は25日、都内のホテルで結党大会を開いた。小沢一郎代表は「国民のための政治、政策を実現するため愚直にひた向きに努力する」と述べた。次期衆院選の第2次公認候補として、新人を含む24人を紹介した。

これだけ。
最近、「生活隠し」という言葉があるそうだが、これはもう意図的と言われても仕方がないだろう。

私は昨日、気弱な地上げ屋さんのオフ会に参加をしたが、結党大会帰りの人の話によれば、大盛況だったという(4000人以上集まったとのこと)。
それをここまで矮小化するのは立派な言論操作だが、裏を返せばそれだけメディアは国民の生活が第一が気になって仕方がないということでもある。

関連リンク

・世に噛む日々
新党結成だけが本当に辞任の動機なの?レイシスト石原サン。

・くろねこの短語
レイシスト知事、遁走・・・よほどやましいことがあったのか、たとえば尖閣で儲けたとか・・・。

・憂き世の日々に埋もれて、たまには温泉へ
ゴロツキハシゲが気に食わない記事執筆者を「抹殺する」と公言したのに、それを追及する姿勢もないヘタレそのもののマスゴミと警察。傲慢老害イシハラチンタロウが辞任のアホ騒ぎ

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