2012/09/07

もし、細野豪志が総理になるなら、試されるのは日本人自身である(追記あり)
+お知らせ

細野豪志の民主党代表選出馬が取り沙汰されている。
現時点では朝日が「見送る方向」と書き、読売は「出馬の意向」と書いていおり、どうなるかは予断を許さない。
ただ、次期総選挙で惨敗必至と言われ政党としては(とくに候補者)、とにかく選挙に有利な代表を選びたいという意識があるのは当然で、となれば野田<細野ということになるのだろう。

少し前、テレビかラジオのニュースで、アナウンサーがさらりと、まるでもうそれが既定事実であるかのごとく「国民的人気の高い細野氏が、、、」と言っていた。
私は瞬間的に「その根拠はなんなんだよ」と思ったが、普通にこのニュースを聴いている視聴者は、「細野=国民的な人気」という何の根拠もない情報を「そんなものかな」と刷り込まれることになるわけで、実に巧みな印象操作である。

しかし、では政治家としての野田と細野は何が違うのか?
福島第一原発の破局事故は収束したと、閻魔大王も腰を抜かすウソをつき、福島、及びのその周辺地域の人びとのことなど一つも顧みずに原子力ムラのパペットと化しているという点については何も違わない。
野田は原子力規制委員会の人事を国会の承認なしに自らの一任で決めるらしい。
民主主義もヘッタクレもない、なりふり構わぬ原子力ムラに対する忠誠ぶりだが、細野とてこのスタンスに変わりはない。

そうしたなかで私が怖いなと思うのは、細野が民主党代表→総理大臣→総選挙勝利となったケースだ。
霞が関や原子力ムラにとって、現状、野田民主党ほど使いやすい政権はない。しかし、次の選挙結果がどうなるかわからない。
そうしたなかで、メディアが風を吹かせて細野総理で民主党中心の政権を継続させれば「細野の政策が承認された」ということになる。
これは恐ろしい事態だと思う。

木下黄太氏は本日更新のブログの冒頭で「細野環境相⇒細野民主党代表⇒細野総理になるのなら、この国は行きつくところまで行ったということになる。」と書いている。

私もまったく同感だが、さらに言えば、細野が総理大臣になった場合、試さられるのは有権者である国民自身だろう(橋下のケースもすでにそうだが)。
次の総選挙は福島第一原発の破局事故後、初めて行われるものだけに、霞が関や原子力ムラは死に物狂いの勝負を仕掛けてくるはずだ。当然、メディアもその意向に沿った「風」を吹かすだろう。
その「空気」に惑わされることなく、きちんと真贋を見抜くことができるか。
まさに日本人が試される局面だが、個人的には甚だ悲観的にならざるを得ない。なぜなら、日本人というのは、世界一、言論操作に弱いから。

※田中康夫「にっぽん改国」(9月6日付)
(下線強調部分はブログ主)
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「チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ。日本という国が崩壊しないように導きたい」。
8月26日付「毎日新聞」掲載の、山下俊一日本甲状腺学会理事長の“呆言”です。「国民の安全を保証する」よりも「行政の面子を優先する」トンデモ“誤用”学者です。
「放射能の影響はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます。これは明確な動物実験で判っています」と「3・11」直後に講演した彼は、福島県放射線健康リスク管理アドバイザーとして県内の子供の甲状腺検査を「差配」しているのです。8月30日、その御仁が副学長を務める福島県立医科大学で開催された「私的懇談会」終了後に細野豪志環境大臣は、来年度から福島県民を対象に「ゲノム=全遺伝子情報」解析調査に着手、と語りました。
翌31日、県内の子供からDNAを採取し、「通常と異なる塩基配列や遺伝子の異常を見付ける」経費を来年度予算の概算要求に盛り込み、「被曝が人間の遺伝子に与える影響について調べる」と環境省は発表します。
平均年齢10歳の県内の子供の3割以上に甲状腺異常=嚢胞が発見されているにも拘(かかわ)らず、「政府としてしっかりと(福島に)向き合っていく。遺伝子の調査は直ぐに不安の解消には繋がらないかも知れないが、人間の根源的な遺伝子を調べる事で将来への予防になる」と胸を張る細野“二股番長”は即刻、霞が関から程近い虎の門病院で、オツムの思考回路をX線CT検査すべきです。
喩(たと)えたなら、洪水の危険性が高い地域にも拘らず、即時実施可能な住民避難も堤防補強も家屋移転も敢えて怠り、数十年後に完成予定のダム建設に向け多額の調査費を計上するが如き。実に本末転倒です。彼も又、「国民の安全を確保する」よりも「業界の利権を優先する」トンデモ“二股大臣”なのでした。
静岡県三島市が選挙区にも拘らず、福島と並んで原発銀座の福井で後援会「福井・豪志の会」が発足、と9月2日付「福井新聞」に意味深な記事が掲載されました。「将来、党代表選に出馬する際には応援する態勢を作りたい」と「設立総会には企業の役員、市議、発起人の後援会関係者ら約120人が出席」しています。電力業界のディープ・スロートが以前、「物心両面で支援したくなる人物だ」と僕に囁いたのを想い出しました。
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<<<追記>>>
その後、細野は民主党代表選出馬を見送るというニュースが流れた。
本人的には伸るか反るかの大勝負を今回は避けつつ、しかし将来の総理候補としての価値は十分に上がったのでそれで十分ということだと推察する。
いずれにしろ、どこかでまた細野待望論が出てくる可能性は十分にある。


──── ! お 知 ら せ ! ────

来る9月11日の夜、複数のブロガー、ライター、ジャーナリストが、京都大学の小出裕章先生を囲んでひと晩、話を聞くという会が催されます。
この模様はUSTREAMで生中継され、またアーカイブもされる予定です。

参加予定者は

ざまあみやがれい!さん
日々坦々さん
@動画さん
たむごんさん
ジャック・どんどんさん
おーちゃんさん
本間龍さん
小野原雅夫さん
鹿島潤さん

といったメンバーで、当ブログ主も参加いたします。
詳細は順次、お知らせいたしますが、お時間があれば、是非、ご覧ください。

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2012/01/14

野田改造内閣 ~ 霞が関による政権交代潰しの到達点

まずは植草一秀氏のエントリーで紹介されていた動画をご覧いただきたい。

野田改造“増税一直線”内閣が発足した。
私の感想はただ一つ、この政権は2009年の政権交代の意義を叩き潰す霞が関独裁の総仕上げ、到達点だなということだった。
私の考えでは、長らく自民党とタッグを組んできた霞が関独裁は、ある時期から「政権交代止むなし」と考えるようになった。といって、その政権がコントロール不能であっては困る。そこで、民主党内に第二自民党勢力を育てることにした。

それはそれでうまくいったが、彼らは自民党の手錬れ議員とは比較にならないほど“お子ちゃま”で、前原なんぞは偽メール事件で大ズッコケしてしまった。
まあ、民主党がズッコケたままであれば自民党政権が続くわけだから問題ないのだが、ここで小沢一郎が登場して代表に就任、民主党をまたたく間に立て直す。

これに驚愕したのが、霞が関独裁を中心とした既得権益勢力だ(もちろんマスメディアもそのコアメンバー)。
民主の“お子ちゃま”たちが主導する政権交代であれば、赤子の手をひねるようなもので、それこそかつての自民党よりもコントロールしやすいが、小沢は違う。
なにしろ、自民党にいれば確実に総理大臣になれたにもかかわらず(というかその前の時点でチャンスがあった)、既得権益勢力に担がれることを潔しとせずに野に下ったのである。
そして紆余曲折の末、民主党に合流、政権交代を目指して打ち出したキャッチフレーズが「国民の生活が第一」。

かつて田中康夫が長野県知事時代に「官は民のパブリックサーバントでなければならない」と演説して県職員の反発を食らったが、およそ官僚というのは国民の生活など知ったことではない(その象徴が現在の福島県であろう)。
そういう連中から見ると、小沢一郎というのは第一級の危険思想の持ち主であり、たとえ民主党が政権をとったとしても、なんとしても小沢総理だけは避けたい。
そうして2009年3月、まさに政権交代を賭けた衆議院選挙の直前に浮上したのが、小沢の「政治とカネ」に関する(ねつ造)疑惑であった。

ま、ここらあたりをクドクドと書いても仕方がないので端折ると、結果として小沢は民主党代表の座を下り、総理大臣の座は鳩山→菅→野田の順となる。。
この間、小沢を幹事長に起用した鳩山は普天間で激しいバッシング(メディア・ファシズム)を受け辞任。あとはもう、小沢から離れることだけがテーマであるかのごとくマスメディアが風を吹かせ、「国民の生活が第一」どころか消費税増税路線をひた走る。

そして、今回の改造内閣。
「国民の生活が第一」を実現するべく小沢一郎が目指した「政治主導」は雲散霧消し、完璧に霞が関が権力を再掌握したと私は思う。それを実感したのが、法務大臣人事である。
今回法相に就任したのは小川敏夫。以下、東京新聞の記事を引用してみよう。

*****
死刑 執行再開の可能性

 平岡秀夫法相が在任四カ月で退任し、後任の小川敏夫氏の同行が早くも注目を集めている。民主党政権では死刑反対の法相などが続き、死刑執行はこの一年半停止状態。前任者は死刑に慎重姿勢だったが、新法相は就任早々「しっかりと職責を果たしたい」と宣言、執行再開の可能性が出てきた。
 国内の最後の死刑執行は死刑反対を高原していた千葉景子法相が一転して命令し、確定囚二人が執行されたが、後任の柳田稔氏、仙谷由人氏はともに約ニカ月で交代。続く江田五月氏は「(死刑には)より深い議論が必要」として約九カ月間の任期中、執行を見送った。
 執行慎重派として知られた平岡氏も最後まで命令を出さず、昨年は一九九二年以来十九年ぶりに執行ゼロの一年に。確定死刑囚は戦後最多の百三十人に膨れ上がる事態となり、法務省幹部は「後任の法相は執行できる人が条件となっていたはず」とみる。(以下略)
*****

私は死刑という制度は霞が関独裁の根幹をなすものだと思う。というのも、死刑というのは法務行政(ひいては霞が関全体)の無謬性を前提としているからだ。
対して、たとえば亀井静香が死刑に反対するのは「自分は警察官僚だったからわかるが、冤罪が起きる可能性は否定できない」という理由だ。
私もそうだと思う。したがって死刑制度は廃止した方がいい(ちなみに私は終身刑論者であり、その方が犯罪の抑止になると思っている)。だが、現に死刑制度はある。
その場合、官僚の無謬性に疑問を投げかけ死刑執行を止めることができるのは政治家だけである。つまり死刑の執行停止は政治主導の象徴となりうるのだ。
が、これは霞が関の独裁権力者たちにとってはあってはならない、かつ我慢のならないことだろう。

私は菅政権で死刑反対論者だった千葉景子が法務大臣として死刑を執行した時、「千葉景子、死刑を執行 ~ 霞が関の高笑いが聴こえる」というエントリーを書いた。
死刑反対論者だった千葉は霞が関に屈服したわけだが(というより、最初からその程度の思想の持ち主でしかなかった)、しかしその後、少なくとも死刑についてはそれなりに民主党政権は頑張っていた(まあ仙谷なんぞは臨時の法相だから評価できないが)。
ところが、それがここへきてついに崩れるのならば、それは霞が関独裁の正真正銘の完全復活であり、しかも自民党時代よりもさらに悪い、なんの歯止めもきかない恐るべき政権になるのだと思う。

ただし死刑の執行権を取り戻した(であろう)官僚が、唯一気になるのは、いわゆる陸山会裁判の行方だろう。
健全な法治国家のために声を上げる市民の会が1月12日に最高検察庁に提出した告発内容は、法務行政が無謬とはほど遠いどころか、恐るべきねつ造をする可能性を示唆している。
この告発の行方がどうなるかはわからないが、霞が関は今後、マスメディアを総動員して「たかが市民団体の告発とは関係なく、小沢一郎は悪である」という大キャンペーンを張ることで、この疑惑の払拭にかかるだろう。

と、こう考えるとはまだまだ霞が関独裁との闘いは終っていない。
「国民の生活が第一」を取り戻せるかどうかの、まさに正念場にさしかかっている。

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2011/12/19

「検察崩壊」〜 田中良紹の「国会探検」

是非、一読を。

・田中良紹の「国会探検」
「検察崩壊」

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2011/09/26

「陸山会事件」判決 ~ マスメディアは「西松事件」に遡って総括すべきである(追記あり)

本日午後、「陸山会事件」の判決が出る。マスメディアは「陸山会事件」と表記し、主に石川知裕衆院議員を中心にした報道をしているように見受けられる(あくまでザックリした印象だが)。
しかし、この事件のそもそもの発端は「陸山会事件」ではなく、「西松事件」なのである。
2009年の3月、小沢一郎の秘書である大久保隆規氏が逮捕、起訴された。
時、あたかも政権交代を賭けた大一番の衆議院選挙前。
民主党代表は小沢一郎であり、何事もなければ総理大臣の座は確約されていた。
そこに起きたのが「西松事件」であった。
マスメディアはこれをきっかけに小沢の責任論を展開、総力をあげて「辞任すべき」という論陣を張った。
当時、有力とされる「政治記者」はこぞって「政治とカネの問題=小沢」とはいう印象操作に狂奔し、新聞記事のリードには、小沢という固有名詞の前にしばしば「西松事件で秘書が逮捕された……云々」という形容詞をつけていた。

たとえば、以下は2009年3月10日の日経の社説である。

*****
 政治の現状にあきれ果てた。これが大多数の国民の実感だろう。経済危機が一段と深刻になっているのに、政治は機能不全に陥っている。日経平均株価は終値ベースでバブル経済崩壊後の最安値を更新した。
 西松建設の巨額献金事件で公設第1秘書が逮捕された民主党の小沢一郎代表への批判が強まっている。先週末に共同通信など各報道機関が実施した世論調査では、辞任を求める声が5―6割に達した。8割前後の人が小沢氏の説明は「納得できない」と回答している。
 麻生政権への視線も厳しい。大きな「敵失」にもかかわらず、内閣支持率は10%台に低迷。世論から不信任を突きつけられたままだ。
 私たちは来年度予算成立後の衆院解散を求めてきた。世論調査の結果は、国民が自民、民主両軍にピッチャー(党首)を代えて決戦に挑む覚悟を求めているようにもみえる。民主党も自民党も危機管理能力を問われており、政治のリセットに向け早急に態勢を整える必要がある。
 民主党内では小沢氏の代表辞任は避けられないとの見方が広がっている。小沢氏は身の潔白を強調しているものの「個々の一つ一つの献金についてはわからない」と述べるなど、説明にはあいまいな点が多い。
 小沢氏は秘書が起訴されることはないとの見通しを示しているが、この前提が崩れれば政治的、道義的な責任は免れない。次期衆院選への影響も含め、民主党は小沢氏の進退問題で賢明な判断が求められる。
*****

あるいはこんな記事も。

・ザ・ジャーナル 岸井成格
小沢秘書逮捕と見るに堪えない政局

さて、ではこの「西松事件」はどこへ行ったのか? すでにこのブログでは何回も書いてきたことだが、なくなってしまったのである。
検察は大久保氏を逮捕、起訴して公判に持ち込んだが、その過程で、なんと検察側の証人が検察の描いた構図を否定する証言をし、結果、検察は窮地に追い込まれた。
そこで勃発したのが「陸山会事件」であり、石川議員とともに大久保氏も再び身柄を拘束された。そして、大久保氏の公判は「西松」から「陸山会」へと訴因が変更されたのである。
しかして、、、
本日の判決では、大久保氏は無罪と言われている。
また、石川議員についても、JNNの大スクープがあったにもかかわらず、それが公判に影響を与えたという話は一切ない(↓動画の3分50秒あたりから)。石川氏の場合は執行猶予付きの判決も予想されているが、実質的には無罪といっていいだろう。


asazuba3 投稿者 thinkingreed

つまりこの2年間の小沢をめぐる「政治とカネの問題」というのは、何の実態もない印象操作、言論操作だったのだ。にもかかわらず、検察審査会による強制起訴議決の末にこれから始まる小沢公判は、この「陸山会事件」の延長線上にある。
いったいこの状況はなんなのか?

歴史に「たら、れば」は禁物だが、もし「西松事件」というでっち上げがなければ、小沢一郎は総理大臣になっていただろう。そして、おそらくは「国民の生活が第一」の公約を実行し、昨年の参議院選挙でも勝利をおさめ、政権は安定したものになっていたはずだ。
そしてまた、もし小沢が総理であったならば、3・11後の、とくに福島第一原発破局事故への対応もまったく違ったものになっていたものと思う。
その意味で、この2年間、政治を不必要に混乱させて国民生活を悪化させ、しかも原発事故での人災的側面を拡大させた張本人は、突き詰めれば検察とメディアだと私は断言する。
にもかかわらず、その張本人たちが↓のような与太話をしているのだから、呆れる他はない。

・おーい、とらちゃん出番だよ!
「対談」橋本五郎・星浩・飯尾潤 なぜ、「政権構想」はここまで空虚になったのか。(鍋常のゴミと、朝日のゴミに、言われたかぁ~ないってもんだ~♪)

いま、「西松事件」→「陸山会事件」の総括を求められているのはマスメディアである。

***************

以上、ここまでは本日、午前中に書いたものである。
そして午後、判決が出た。
結果は3人の秘書、全員が有罪。

これを受けて早速、朝日新聞は、小沢一郎についても「政治的責任」を問う姿勢を示している。

つまり、私の予想は外れたわけだ。
が、しかし、だからこそ私はこのニュースを聞いて慄然とせざるを得なかった。

そもそも、この公判の論告は↓のようなものであった。

・郷原信郎 TwitLonger

郷原氏のこの文章を読むと、氏は少なくとも司法はまともな判断を下すだろうという予想の下に特捜検察批判をしている。ところが、判決はそうではなかった。
私はここに、これまで一応、戦後の日本が装っていた法治国家やら民主主義国家といった素振り、建前をかなぐり捨てた独裁権力の意志を見るのである。
そして、この小沢一郎への弾圧から東京電力の救済まではすべてつながっている。
片や総理の座を目前に冤罪をでっち上げられ、片や人類史上最悪の放射能災害を引き起こし、それが今も続いているにもかかわらず、その会社から一人の逮捕者も出ることはない(しかもこの会社が発表はウソとデタラメだらけである)。これらすべては権力の意志によるものに他ならない。
検察批判のデモを主催すれば痴漢冤罪の罠が待ち受け、電力会社へ抗議に行けば逮捕される国。
しかも、ほとんどの国民がそれに対してさしたる疑問も持たず、わが身にも放射能が降りかかっても怒らない国。
ニヒリズムなのか、はたまた岡庭昇氏が指摘するようにエゴイズムの極なのか、、、
2011年9月26日は、かくも奇天烈な国に生きているということを再確認した日なのであった。

そしてもう一つ。
これから反原発や反検察の運動しようという人たちは、相手が恐るべき独裁権力であることを、まず心にしっかと刻み込み、根性を据えてから行動を起こしていただきたい。


参考リンク
小沢秘書逮捕報道~いま問われているのはメディア自身である

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かくもさまざまな言論操作

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『東京電力福島第一原発事故とマスメディア』

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2011/07/25

「陸山会事件」 〜 二人の元検事によるビフォーアフター

・ビフォー / 川上和雄(←元東京痴犬地検特捜部長)

・アフター / 郷原信郎
「陸山会事件(石川・池田・大久保関係)の検察論告を読んだ。まさに瓦礫のような論告、「読むに堪えなかった」というのが率直なところ。ほとんど、妄想・憶測を書きならべたような三流週刊誌レベルの「論告」を、東京地裁の刑事法廷で恥じらいもなく朗読できる神経が私には理解できないし、特捜検察が、そのような存在になってしまったことは情けない限りである。」
全文はこちら

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2011/06/07

田中良紹の「国会探検」〜 「うそつき」の「もがき」

以下、全文転載。

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 内閣不信任案の否決は菅政権を支持した否決ではない。政治空白を作らずに菅総理を辞めさせるための否決である。そして菅総理が延命のためにもがけばもがくほど自分の首を絞める仕掛けである。ところが案の定と言うか菅総理とその周辺は延命のための「もがき」を始めた。

 鳩山前総理が口頭で今月中の辞任を迫ったとされる合意書には「退陣」の「た」の字もない。しかも内輪の合意書であるため「民主党を壊さない」とか「自民党に政権を戻さない」とかが真っ先に書いてある。これが表に出れば自民党が反発する事は必至である。そこに仕掛けがある。

 その上で不信任案は大差で否決された。大差の必要があったからである。これで菅総理の心に「延命可能」の思惑が生まれた。大差の否決は延命のための「もがき」を誘う。しかしなぜ大差の否決が生まれたのか。それは小沢一郎氏の指示があったからである。「自主判断」の指示がなければ大差の否決にはならなかった。

 合意書には「退陣」が書かれていない。不信任案は大差で否決された。菅総理の表情に笑みが生まれる。そこで菅総理は鳩山前総理との口頭での約束を反故にし、原子炉の冷却停止のめどがつく「来年1月」を退陣の時期と明言した。しかし原子炉の冷却停止が来年1月に出来るかどうかは誰にも分からない。ズルズル延びる可能性もあり、菅総理はいつまでも居座る事が出来る。

 むしろ延命のために冷却停止を引き延ばせば、総理の延命が国家の損失を招く事になる。ところが岡田幹事長や枝野官房長ら菅総理の周辺は「合意書にある事は退陣の条件ではない」と一斉に鳩山発言を否定した。これを鳩山前総理は「うそつき」と呼んだ。現職の総理、官房長官、与党幹事長を「うそつき」と断じたのだから尋常ではない。鳩山発言が本当なら日本は「うそつき」が権力を握った国になる。

 しかし「もがき第一弾」とも言うべき菅総理の発言はメディアにも評判が悪かった。メディアは「総理退陣表明」でニュース速報や号外を出した手前、来年までズルズル居座られると立場がなくなる。「それはないよ」と言う話になった。これを見て鳩山前総理の言う「うそつき」たちは「もがき第二弾」を点火した。退陣時期を8月に前倒しすると言い出したのである。

 民主党代表選挙が9月に行なわれる事から、そこまで菅総理を延命させ、民主党内の菅支持派の体制を立て直そうとしたのである。メディアは「総理周辺が菅離れを起こしている」と書いたがそうではない。菅総理の影響力を削がれまいとする「うそつき」たちの「もがき第二弾」なのである。

 そしてそれも難しいとみるや「もがき第三弾」が点火された。それが「大連立」である。菅総理は鳩山前総理との約束どおり今月中に退陣する。その見返りに「小沢抜き大連立」を図ろうと言うのである。大臣ポストと民主党マニフェストの破棄をエサにして、内閣不信任案で共同歩調を取った自公と民主党内小沢グループの間に楔を打ち込み、菅周辺は生き残り、菅総理も退陣後の影響力を確保しようと言うのである。

 これら「もがき」に共通するのは全く国民の方を向いていない姿勢である。第一弾、第二弾は自分の利益と自分たちの都合だけであった。第三弾は一見与野党が協調する体制を作るかのように見えるが、まったくそうではない。マニフェストの異なる政治勢力が連立を組むためにはそれなりの手続きが必要で、まずは辞めていく総理の側が提案する話ではない。

 自民党の谷垣総裁が「新しい民主党代表が決まらなければその話をする事は出来ない」と言うのはその通りである。それにも増して国民が選んだマニフェストを変えるには国民の理解を得る必要がある。この時期に選挙をやる訳にはいかないから、国会議員が良く良く有権者の意見を聞きながら党内で調整を図っていく必要がある。

 与野党協調の道は「大連立」にあるのではない。これまで協調体制を作る姿勢をまるで見せなかった菅政権に退場していただき、全政治勢力が結集して「復興のための臨時政権」を作る事なのである。マニフェストを変える必要もない。大臣ポストを各党に割り振る必要もない。復興のための組織に超党派で適材適所の人物配置を行なえば良い話である。

 復興のための組織は時限的なもので、復興の道筋が出来れば解散する。しかし現状の菅政権では国民経済にも被災者の救済にも見通しが立たないため、今回の不信任案提出問題が起きた。それが不信任案を可決しようとした与野党の共通認識である。「大連立」を組まなくともすでに与野党には共通認識と協調姿勢があり、政治空白を作らずに復興作業を行う事は出来るのである。

 鳩山前総理の言う「うそつき」たちは「大連立」を提案すれば時間稼ぎが出来ると思っているのかもしれないが、「大連立」で時間を浪費する訳には行かない。しかし「うそつき」たちが「もがいた」ため、ついに自民党の谷垣総裁は菅総理に対して来週中の退陣を要求した。「もがき」によって退陣時期は早まっていくのである。
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リンク元は→こちら

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2011/06/02

郷原信郎 〜 「不信任案可決なら解散」が最悪のメッセージ

TwitLongerより全文転載。

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    「不信任案可決なら解散」が最悪のメッセージ

「菅直人首相は不信任案が可決されれば衆院を解散する意向」と報じられている。この姿勢こそが、菅首相に対する不信の最大の原因であることがなぜわからないのか。
震災、原発事故によって危機的な事態であるのに、復旧、復興を担うべき政治が、内閣不信任をめぐる混迷を続けているという異常な事態が生じているのはなぜなのか。倒閣をめざす自民党に同調する小沢グループの動きの背景には、昨年の代表選以来の民主党執行部との確執がある。その根本的な原因は、その代表選を政権交代後の政策論争ではなく「政治とカネ」の呪文による不毛な政争に終始させ、政権与党なのに深刻な党内対立を抱えてきたことにある。しかし、それでも、このような危機的事態において、倒閣の動きが現実化したり、それが多くの議員に支持されることは、本来はありえない。あり得ないこと起きている最大の原因は、「震災、原発事故対応に全力を挙げる」と言っている菅首相に対して、それは口先だけで、実は「何が何でも自分の首相の地位を守りたい」だけなのではないか、という根深い不信感があることだ。震災後の対応の一つひとつから、そのような不信感を生じており、それが、本来であれば、国民としてすべてを託されるべき存在である総理大臣が支持されないという異常な事態を生じさせている最大の原因だ。
そういう意味で、今の菅首相にとって必要なことは、「権力維持」ではなく震災への対応、被災地・被災者の支援を最優先に考えていることを、自らの言葉として明確に示すことだ。
「不信任案可決なら解散」というのは、全く逆のメッセージだ。今の被災地の状況を考えたら、衆議院解散等という選択肢は出てくる余地はないはずだ。直近の日本の国の運営、政治の在り方を決める上で、最も尊重しなければならないのは未曾有の震災で被災し、国の救援、支援を心待ちにしている被災者の”被災地の民意”のはずだ。その被災地での投票は現状では事実上困難なことが明らかだ。それなのに、「不信任案が成立したら解散だ」と言うのは、震災対応、被災地対応より自分の権力維持の方が優先することを「自白」しているに等しい。
菅首相が行うべきは、「震災後の現在のような状況では解散などできない。だからこそ、不信任案を否決してもらいたい。私にすべてを任せてほしい。私は、皆さんの信任を受け、自らの命を投げ打って震災対応に全力を尽くしたい」と自党議員にメッセージを送ることだ。
現在の内閣の危機の本質は「菅首相の権力への執着への不信感」にある。その執着から自らを解き放つ言葉こそが、結果的には内閣を守ることにつながるはずだ。
「身を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ」菅首相は、今こそ、その言葉を噛みしめるべきだ。
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2010/12/13

菅直人は史上最低、最悪、最大の裏切り政治家である

愛読しているブログ「憂き世の日々に埋もれて、たまには温泉へ」さんが、菅直人について「市民派政治家ということ自体がまったくの偽装だったと判明状態のアホカンに何の期待もすでになく、史上最低の首相の最高ランクと認定するしかない」とおっしゃっている。そのエントリーはこちらだが、私もこの認定には激しく同意する。
菅に比べれば安倍、麻生などというのは可愛いものであって、単にヴァカが間違って総理大臣になったに過ぎないし、小泉(&竹中)がやったことは滅茶苦茶ではあったが、しかし国政選挙の洗礼に耐えたという点では菅よりも評価すべき点がある。
私が菅直人を許せないのは、この男が自分に課せられた使命をずっと隠しながら野党の側に身を置き、政権を奪取すると見事に「野党第一党の有力な総理大臣候補」の仮面を脱ぎ捨てて、本来の「権力に仕込まれたウイルス(あるいはスパイ)」の本性をさらけ出したことである。

かつて、自民党は細川政権誕生前を除けば、どれほど党内抗争をしても最終的には分裂しなかった。
四十日抗争というのは自民党分裂の最大の危機であったが(私の高校時代のことだが、強く印象に残っている)、この時でさえ最終的に分裂はしていない。それは良くも悪くも自民党が政権政党の強み、うま味を熟知していたからだろう。

小沢一郎は細川政権時も、あと何回か連立与党で予算編成をすれば自民党は潰れていたというようなことを言っていた。事情は昨年の政権交代後も同様で、これから次の衆議院選挙までの4年間、民主党主導で予算編成をすれば、自民党という既得権益者の利益代表勢力は潰れたはずだ。
もし昨年、小沢一郎が総選挙の際にそのまま代表を務めて総理大臣の座を得ていれば、今ごろ自民党はぐうの音も出ないほどに壊滅的な状況に陥っていただろう。
ところが、ここでこの国の真の権力は、政権交代はやむを得ない流れだとしても、せめて小沢一郎だけは総理大臣にさせないという決意のもと、「政治とカネ」という事件を捏造した。この結果、小沢は代表の座を降りざるを得なかったが、しかし見事に総選挙による政権交代に導き、その最大の功労者として鳩山政権成立後は幹事長に就任した。
というのも、総選挙による政権交代というのはあくまでも序章であって、既得権益勢力からの決別という大改革の本番はこれからであったからだ。実際、鳩山政権はあたふたしながらスタートしたが、しかし自民党政権とはまったく異なる期待感を抱かせるには十分であり、多少のつまづきは仕方がないものと思えた。
ところが、ここから小沢潰しが本格化する。霞が関という権力の御用をつとめるマスメディアは、小沢の「政治とカネ」というデマゴーグを徹底的に流す一方、鳩山政権を普天間問題で追いつめた。
では、この頃、菅直人は何をしていたのかというと、政権内で副総理の地位にありながら、決して自分は傷つかないように拱手傍観していた。
そして、鳩山政権は総辞職し、菅政権が成立した。
私はあの時の代表選で見せた菅直人の笑をこらえた顔が忘れられない。

さて、私は何ごともうがった見方をするタイプだが、しかし菅直人の総理就任は小沢や鳩山にとっては計算内だと思っていた。というのも民主党にとって、この時点で是が非でも必要だったのは参議院選挙での勝利である。そのためにはメディアによってバラ撒かれたデマゴーグの結果として下がった支持率を回復させる必要がある。そこで菅は「脱小沢」を口にしたが、これは小沢、鳩山にも暗黙の了解のもと、参議院選挙勝利のための戦略だと思っていたのである(田中良紹も同様の見方をしていた)。

ところが菅直人は参議院選挙に勝つつもりはまったくなかった。そして飛び出したのが、消費税増税発言だ。
参議院選挙の民主党の候補者たちは、よりによって味方の大将に後ろから鉄砲で撃たれたのである。私も参議院選挙の候補者陣営にいたからよくわかる。あの選挙での「菅直人はけしからん」という声の大きさは、「小沢はけしからん」という声の比ではなかった(というより後者はほとんどなかった)。
幸い私の支援した有田芳生さんは当選したが、菅直人の撃った弾に当たって当選できなかった候補者は山のようにいる。
にもかかわらず、菅直人はその総括をまったくせぬまま9月の代表選に出馬した。念には念を入れて、小沢に対する検察審査会の2回目の起訴議決日を代表選挙の当日に設定して。
そして、代表選に勝ったとたん、霞が関独裁、対米従属脱却を目指していた小沢グループを与党から追い出し、よりによって既得権益者の手先である自民党との連立に邁進し始めた。
ここまで見れば、菅直人の使命が、自民党政権に対する不満のガス抜きとしての政権交代を実現した後、すみやかに自民党に権力を戻すことだったことは明らかである。つまり、菅直人は国民の政権交代への期待をすべてブチ壊し、霞が関独裁、対米従属のタガの締め直すために育てられた政治家だったのだ、、、
とこれはもちろん大変うがった見方ではあるが、しかしそう考えれば菅直人の総理大臣就任後の奇行の数々は説明はつく。
私は菅直人は史上最低、最悪、最大の裏切り政治家であると思う。

※と、こんなエントリーを書いていたら、東京都青少年健全育成条例の改正案が民主党も賛成して総務委員会で可決され、15日には本会議でも可決の見通しだという。おそらく石原慎太郎は高笑いをしていることだろう。私は都民ではないが、民主党都議団の連中を絶対に許さない。

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2010/11/29

大切なのはノイズを出し続けること ~ 11月24日シンポジウム「検察・メディア民主党」

半ば予想されたこととはいえ、沖縄県知事選挙は残念な結果に終わってしまった(私も伊波氏の応援表明ということで、数日前にブログのタイトル部分を黄色に変えてみたのだが、せっかくだからしばらくはこのままでいきます)。とにもかくにも、この結果を受けて菅政権がどのような動きをするのか、、、注視しなければならない。

さて、遅くなってしまったが、11月24日に豊島公会堂で行なわれたシンポジウム「検察・メディア・民主党」について少し書いておきたい。

当日の第1部は小沢遼子氏の司会による、三井環氏、それに民主党から川内博史、辻恵の両議員を加えてのシンポジウムであった。
個人的に民主党にはホトホト愛想が尽きていた私だが、川内議員、辻議員の話を聞いて、いましばらくはこの人たちに期待して応援しようとい気になったものだった(彼らには厳しいヤジも飛んでいたが)。
まあ川内議員については私も知っていたのだが、失礼ながら辻議員のことはあまり知らなかった。
ところが壇上に立った辻議員が「松下政経の人たちが牛耳るような政治では絶対ダメなんだと、、、」といった時には「よくぞ言ってくれたわい!」と思わず拍手をしてしまった(シンポジウム動画の34分過ぎから)。

また、その辻議員の後に登壇した染谷正圀氏による検察審査会の問題点に関する指摘も非常に具体的でわかりやすいものであった(シンポジウム動画の54分ぐらいから ~ 当日の染谷氏の資料はこのエントリーの最後に添付)。

そうして私がこのシンポジウムで一番、考えさせられたのは、会場にいた宮崎学氏が登壇して「ここまで日本を滅茶苦茶にした菅政権は、もはや打倒の対象である。ステージは菅内閣打倒まできいてる」(シンポジウム動画1時間14分あたりから)と言って会場から拍手を浴びた時だった。
確かに菅内閣のやっていることは滅茶苦茶で、これは歴代の自民党政権と比較しても、小泉、安倍、麻生政権に並ぶ悲惨さだと思う。したがって、一刻も早く菅が政権の座を去って欲しいという思いは私にも十分すぎるほどあるのだが、ではその後にどうなるのか?を考えるとハタと困ってしまう。
もちろん、小沢内閣ができれば申し分はないだろう。だが、それは現実問題として当面、あり得ない。となると、むしろ小沢グループを抜いた民主党と自民党とが連立する可能性の方が高いだろう(菅政権にいるのは3年前に小沢の大連立構想をぶち壊した連中ではあるが)。すると、状況はさらにさらに悪化する。
このジレンマをどうすればいいのか、、、これは現時点では本当にわからない。

昨年の衆議院選挙では、長らく続いた自民党政権に対する溜まりに溜まった不満が爆発する形で民主党が政権をとった。だが、その民主党、とくに菅政権のあまりの惨状を見るにつけ、あの政権交代のエネルギーは自民党に戻ることもなく行き場を失い、やり場のない怒りが宙に浮き始めている。
小沢一郎は民主党代表選挙に出馬する前、「この閉塞感のなかにあって、このままではかつてのようにナショナリズムが高まることで、日本はさらに危険な情況になる」と言ったそうだが(有田芳生の『酔醒漫録』~小沢一郎さんの時代認識)、尖閣問題や北朝鮮問題などが勃発し、いよいよその危険性は高まっていると思う。

シンポジウム 第一部 「検察・メディア・民主党」


さて、私はシンポジウムの第1部と第2部冒頭の小沢一郎のビデオレターを見たところで退席させていただいた。

小沢一郎 ビデオレター

シンポジウムは豊島公会堂というキャパの大きい会場であったにもかかわらず、相当な人が入っており、しかもほぼ全員が同じ思いを共有していることで、必然的に熱気もあった。
ただ、これは自らが構成するtwitterのタイムラインにも言えることだが、世の中的に言えば政治や検察に対してここまで意識の高い人というのはきわめて少数派であることも忘れてはならないと思う。
もちろん、その少数派の人たちが一堂に会することができるようになったのはネットのお陰であるが、絶対数としてはまだまだ少ない。したがって、あの場の空気にだけのめり込んでしまうのもまた危険だと私は思う。

いまのところ権力やマスメディアの側は、ネットからの動きについては単なるノイズとして完全無視を決め込んでいる。とはいえ、内心、快く思っていないことは確かだろう。これまで深いところでコントロールできた世論ができなくなりつつあるもどかしさ、恐怖感は絶対にあるはずだ。
そこで大事なのは、こうしたネットを通じてのいろいろな動きを続けていくことだと思う。
一つ一つの動きは小さなノイズであっても、それが重なっていくと大きなノイズになる。
今はとにかくノイズを出し続けることこそが大事なのではないだろうか。

染谷正圀氏『起訴手続きなき裁判=「強制起訴制度」のからくり』

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2010/09/28

菅政権が抱える「正統性」という問題

先週の「久米宏ラジオなんですけど」のメッセージテーマは「大阪と私」。これを聴いていたら、泥沼に突入している尖閣諸島問題について、「大阪のおばちゃんに交渉させたほうがうまいくいくんじゃないか」というメールがいくつかあった(^_^;)。
ティッシュを配っている人に「あと3つちょーだいな」と言い、電車の座席に10センチの隙間があると「バッグを置かせてえな」と言う大阪のおばちゃん
「ひょっとすると、ホントに大阪のおばちゃんにまかせたほうがいいかもナ」と思うほどに尖閣諸島の問題で菅政権はフラフラのヨタヨタである。
だが、私はこのフラつきぶりを見ていると菅政権の外交能力を云々する以前に、もともと政権の正統性に問題があるのではないかと思う。

そもそも、、、

今月行なわれた民主党代表選は、本来ならば小沢一郎代表の任期終了に伴って行なわれるべきものだった。
ところが小沢代表は昨年3月に「西松建設事件」で秘書の大久保隆規が逮捕されたことでメディアから大バッシングを浴びて辞任し、鳩山由紀夫が代表に就任。小沢一郎は選挙担当の代表代行に就任して衆議院選挙を圧勝に導いた。
では、この「西松建設事件」とは何だったのか? これは前エントリーでリンクを貼った動画の中で田中良紹が述べているように(19分過ぎから)、「郵便不正事件」と同じ経過をたどっているのである。
つまり昨年、小沢一郎を代表辞任に追い込んだ「事件」は現状、まったくうやむやな状態になっているのだ。
その後、大久保秘書は陸山会の4億円不記載問題で石川知裕議員と一緒に逮捕され、地検は「西松建設事件」の公判で訴因変更を申請してこれが認められた。
しかし、「西松建設事件」は、少なくとも歴史的な政権交代を経て一人の代議士が総理大臣に就任する機会を奪ったものである。その「事件」の公判がまともに維持できていなかったといのうであれば、これはもうそれだけで大問題である。にもかかわらずこの事態をメディアはまったく報道しない。

さて、昨年の衆議院選挙の勝利に伴って誕生した鳩山政権は、これもまた普天間問題でメディアからの激しいバッシングを受け、そして幹事長に就任した小沢一郎も政治資金管理団体の問題をまたまた捏造され(何しろこの件で大久保秘書の調書をとったのが前田恒彦なのだ)、結局、この二人は辞任することになる。
そうして出来上がったのが第一次菅政権だが、私はこの政権には正統性があったと思う。なぜなら、その経緯はともかく、民主党として政権運営を安定させるためには参議院選挙にどうしても勝たなくてはいけない必要があったからだ。そのための総理大臣交代は政党政治にあっては間違いではない。

ところが、、、

菅直人はこの大事な参議院選挙に記録的な大敗を喫してしまった。なにしろこの議席数の差は一回や二回の選挙では取り戻せないほど大きなものである。結果、日本の政治はこれから少なくとも十年ぐらいは不安定にならざるを得ない。
であれば、菅直人はこの時点で責任をとって総理大臣と民主党代表の座を辞任しなければならなかった。
ところが菅は代表選に出馬し、本来ならば総理大臣としてこの代表選を迎えるはずだった小沢一郎と争うことになった。そして、メディアによる総力をあげた菅直人擁護と小沢バッシングが功を奏して、この代表選の勝者は菅直人になってしまった。
このような経過を経て出来上がった第二次菅内閣は、露骨な論功行賞人事を行なった。といっても菅が評価したのは衆議院選挙や参議院選挙という国政選挙の論功ではなく、民主党代表選挙という内向きの選挙の論功である。
結果、前原誠司という国交相としてダム問題もJAL問題も何も解決できなかった無能な人物を外務大臣に起用する一方、原口一博や長妻昭(この人物は菅直人を支持していたが)といった政権交代に論功のあった人物を外すという愚行に及んだ。
党役員人事においてもそれは顕著で、枝野幸男は幹事長として参議院選挙に敗北したにもかかわらず、幹事長代理に就任し、担当する分野は選挙だという。
つまり、第二次菅政権というのは、もともと正統性のない総理大臣に対する個人的な論功、信賞必罰の論理によって貫かれているのであって、要するに徹頭徹尾、正統性のない政権である。
尖閣諸島の問題で中国が非常に強気に出る根底にあるのは、そういうこの政権の脆弱性を見抜き切っているからではないかと私は思う。

ところで、、、

この尖閣諸島の問題でメディアが一色になる一方で、大阪地検に関するニュースがどんどん減っている。
いま現在、前田恒彦は身内である検察に匿われている状況にある。そういう状況で関係者が口裏合わせをし、自分たちの組織にとって都合のいいストーリーを作っている可能性は極めて高いだろう。となると次にメディアからこの事件に関する情報が流れて来る時には、すべてこのストーリーに沿ったものになる。
そして、すでにこの件については前田という人物の個人の資質で事態を決着させようというフシが見え始めている。
私は視聴していなかったが、この事件を扱ったNHKスペシャル「堕ちた特捜検察~エリート検事逮捕の激震~」という番組では検察批判の著書ということで画面に露出したのが、江副浩正の本でもなければ佐藤優でも佐藤栄佐久でも鈴木宗男でもない、小室哲哉の本であったそうだ(※)。
尖閣諸島の問題はもちろん大事だが、そこにばかり目を奪われて大阪地検に関するニュースの監視を怠るわけにはいかない。

※参考リンク
・くろこの短語
 「反省なき特捜OB」

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