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2017/05/01

ビッグデータ時代の共謀罪

共謀罪の真の目的が、政府にとって好ましからぬ思想の持ち主(その中には反原発や反米軍基地は当然含まれる)を監視して取り締まることにあることは、もはや明らかである。
もちろん法案が成立したからといって、すぐにバシバシと取り締まるわけではなかろう。しかし、これによってさまざまな運動の動きが鈍る可能性は十分にある。
つまりボディブローになるわけで、しばらくしたところで見せしめ的に共謀罪を適用すれば、さらに足は止まることになる。

大変に危ない法案なわけだが、もしこの法案とビッグデータが結びついたら、これはさらに恐ろしいことになるように思う。

たとえば私はAmazonで日常的に本を購入しているが、その傾向によって思想傾向は明らかになるわけで、そのデータを集積して分析すれば、政府が言うところの「一般人でない人間」というのは容易に特定できる。
これは花見の時に地図や双眼鏡を持っている人間をマークするよりもはるかに簡単だ。

などと思っていたら、ちょうどビデオニュース・ドットコムで中央大学の宮下紘准教授の「ビッグデータに支配されないために」という映像があった(ダイジェスト版)。

このなかで宮下准教授がとくに強調しているのは、「一番正確で危ないデータはDNA情報」「DNAの配列を見て、この人は○○政党支持ですと導き出される。これは客観的に性格で本人の意志によって変えることができない。なおかつその子孫にまで予測ができる」ことの危険性である。
となるとこれを敷衍すればDNAのプロファイリングから事前に「危険思想の持ち主」を特定することができるわけで、それはすでに十分に可能な段階に入ってきているわけだ。

いくらなんでもそこまではやらないだろうと思う人もいるかもしれないが、、、

「ホッブスは、国家とはリヴァイアサンであると言った。これは正しく万古不易の明言です。国家権力が自由に動き出したら、それをくい止める手立てはありません。なにしろ近代国家には、軍隊や警察という暴力装置がある。また人民の手から財産を丸ごと奪うこともできる。さらに国家の命令一つで、人民は徴兵され、命を戦場に投げ出さなければならない。こんな怪物を野放しにしておいたのでは、夜もおちおち寝ていることはできないでしょう。」(小室直樹)

これがまさに国家の本質である。

「だからこそ、近代西洋文明は持てる限りの知恵を振り絞って、この怪物を取り押さえようとした。その1つが 罪刑法定主義であり、デュー・プロセスの原則だったりするわけですが、そうしていろいろな法律でがんじがらめにしてもなお不安は残る。そこで法律や制度でぐるぐる巻きにしたうえに、更に太い鎖をかけることにした。それが憲法というわけ」で「憲法とは国家を縛るための命令」(いずれも同前)なのである。

これがまさに立憲主義のエッセンスなのだが、「日本人の多くは、国家権力のことを『お上(かみ)』と呼ぶくらいですから、国家は本来、善であると考えている。ここに大きな誤解がある」(同前)上に、現在日本の総理大臣は「立憲主義は古色蒼然たる考え方」と嘯き、さらに「憲法を国民を縛るための命令」へと書きかえることを自身の政治活動の最上位に置いている人物である。
この状況で国家権力が共謀罪を手にすれば、行き着く先はDNA情報によって「一般人」と「一般人でない人間」が選別される社会なのではないだろうか?

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