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2014/04/19

「消費税増税の影響は軽微」と大宣伝した日本経済新聞が煽る電気料金値上げの影響

通勤電車に乗っていたころ、いつも同じ車両に乗る真面目そうな青年がいた。この青年はいつも熱心に新聞を読んでいたのだが、それは巨大宗教団体の機関紙で、チラリと紙面を見ると、いつもおどろおどろしい見出しが踊っている。
私はそれをみながら、「こうやって毎日新聞を読むことで、洗脳されていくのだナ」と思ったものだった。

ということで本日(2014年4月19日)の日本経済新聞。

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原発停止、経営苦しく 電事連会長、再値上げ「あり得る」

 原子力発電所の稼働停止が長引いていることで、電力会社は再値上げを視野に入れている。北海道電力は2月、昨年9月に続く再値上げを検討していると表明。資本増強などで値上げの回避を模索するが「再稼働か値上げがなければ経営悪化は止められない」との声は業界に根強い。
 電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は18日の記者会見で、各社の再値上げについて「経営効率化で対応できない場合は苦渋の選択としてあり得る」と述べた。
 再値上げを視野に入れているのは北海道電、関電、四国電力の3社。いずれも原子力規制委員会による主力原発の安全審査が長引いており、14年3月期の経常損益が3期連続の赤字となりそうなのも共通する。(以下略)
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毎度おなじみの電力会社による値上げ恐喝の大宣伝。
確かに電気料金が上がるのは好ましくはない。
しかし、一方で原発を再稼働させないために燃料調達費の上昇分の電気料金を上げるというのなら、(いろいろと言いたいことはあるが)私は仕方がないとも思う。

それに、電気料金が今後、上がったとしても一般家庭で言えば月に数百円、まあ1000円以内ぐらいのものだろう。
もちろんそれでも大きいと言えば大きいが、同じく一般家庭の平均支出で(いろいろな計算があるが)6000~7000円になんなんとする消費税増税ついて、ついこの間まで「影響は軽微」という大宣伝をしてきたのが日本経済新聞である。

・植草一秀の『知られざる真実』
消費税増税の影響を懸命に否定する日経新聞の怪

その日経が、電気料金の話になると、とたんにその影響を声高に叫び始める。
今日の日経には、また以下のような記事もある。

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電気料金、地域差広がる  東電の家庭用、北陸電より19%高く 水力・石炭少なく割高

 家庭向け電気料金の地域差が広がっている。東京電力など大手電力9社の5月の平均的な家庭の料金を比べると、最も高い東電は最も安い北陸電力より1383円高く、19%割高になった。東日本大震災の発生前は料金差が小さかったが、原子力発電の稼働停止で格差がついた。企業向けも格差が広がると工場誘致などにも影響する可能性がある。
(中略)
 第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「電気代の格差は消費者負担の差でもある。個人消費を通じ地域の景気にも影響する可能性がある」と指摘する。(以下略)
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1383円の格差でも「個人消費を通じ地域の景気にも影響する可能性がある」というエコノミストのコメントを紹介するということは、日経自身もその懸念があるという立場なのだろう。
だとしたら、消費税増税による影響はとてつもないことになると考えるのが普通だが、日経においてはどうやらそうではないらしい。

さて、しかし原発を停止すれば、前述したように電気料金が上がるのは仕方がない面もある。
だが、福島第一原発の破局事故はいまだ収束のメドも立たないのだから、原発の再稼働など論外であって、要は足るを知る生活をして電力の使用量を減らす努力をするしかない。
これは未曽有の事故を起こした当事者世代として当然の責務だと思う。

なにしろ、もしいまここで原発を稼働すれば、またまた放射性の廃棄物は増えていくわけで、実は後の負担もどんどん増えていく。
しかも、原発のコストが安いというのは、廃炉費用などに一切合切目をつぶっているからにすぎず、それを算入すれば現時点でも原発の運転コストは圧倒的に高い。

以下はロイターに掲載された城南信用金庫・理事長である吉原毅氏のインタビューからの抜粋である。

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「原発のコストの方が低いという人で、いやしくもビジネスマンや経済に携わる者ならば、会計の原則ぐらい勉強していただきたい。コスト計算には、直接原価と間接原価があり、そこで総合原価計算が行われる。原発は、今あるウランを使うだけならば直接原価は低い」

「では、その結果の間接原価はどうなのか。将来の廃炉費用や、使用済み核燃料の保管料や処理費用、工事費や人件費、地代がカウントされているのか。カウントされていない。われわれは今、時価会計で、将来に発生するキャッシュフローをすべて現在価値化し、負債計上している。原発にはそれが入っていない」

「1回事故が発生したら、天文学的なコストがかかる。貸し倒れ引当金の積み立ての考え方を入れれば、とんでもない引き当てを積まなければならない。これは、不採算というのではないか。国家ぐるみの壮大な粉飾決算だ」

「(大手銀行による東電への巨額融資は)第2の住専問題だという気がする。当時も、政府が保証するからとみんなが貸して、最後は損失となった。1980年代のバブル時も金融機関は公共性という考えを放棄し、その後、大きなツケを払わさられることになった。金融機関は、引き返す勇気を持つ必要があると思う」

引用元は↓
インタビュー:原発は国家ぐるみの粉飾決算=吉原・城南信金理事長
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日経の原発関連記事は、すべて原子力ムラによる広報、発表記事だ。
したがって、あくまでそういう視点から読む必要があるし、またそうすると、あちらが何を考えているのかわかってなかなか面白い。
ただし、くれぐれも真に受けないでいただきたいと思うのである。



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