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2014/04/15

今日もまた原発推進を社説で煽る日本経済新聞

植草一秀氏は、「消費税増税の影響は軽微である」とするキャンペーン記事を頻繁に1面に掲載する日経を問題視している。

・植草一秀の『知られざる真実』
消費税増税の影響を懸命に否定する日経新聞の怪

これはもちろん、原発問題についても同様で、消費税問題で財務省の意向を汲んだ記事を書きまくっているように、原発についても原子力ムラの意向を汲んだ記事を書きまくっている。

ということで本日(2014年4月15日)の社説。

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CO2削減へ議論を深めよう

 地球温暖化の防止策について話し合う国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第3作業部会が最新の報告をまとめた。
 二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出を世界で大幅に減らすため、太陽光や風力、原子力などCO2排出が少ない「低炭素エネルギー」を最大限活用する必要があるとした。
 高効率の火力発電所やハイブリッド車などエネルギーを効率的に使う技術が世界的に普及しつつある。しかし人口増加と経済成長が効率改善を上回り、CO2は増え続けている。このままだと、世界の平均気温は今世紀末に産業革命前に比べて4度ほど高くなり、豪雨や干ばつが頻発し食糧供給などが脅かされる。
 悪影響を最小限に抑え気温上昇を2度未満にとどめるには温暖化ガスの排出を2050年時点で今より40~70%減らし2100年にはゼロか、マイナスにしなければならないという。
 なまやさしいことではない。木材などのバイオマス発電の拡大やCO2を回収して地中に埋めるCCS(炭素回収・貯留)の実用化にも挑まねばならない。原子力も含めた低炭素エネルギーを3~4倍に増やす必要がある。
 原子力には放射性廃棄物の処分問題があるなど、エネルギー技術はそれぞれに課題を抱える。導入を拡大するには、社会が受け入れやすいよう新たな技術開発や改良に努め、課題を克服する必要がある。環境にやさしいエネルギーを消費者が選べるなど円滑な拡大を促す仕組みづくりも重要だ。
 削減努力が足りず温暖化が進む場合に備えて悪影響の軽減策も今から考えておかねばならない。
 世界各国はIPCC報告を参考に、30年ころまでの中期的な温暖化ガス削減目標を決め来年3月末までに国連に提出する。
 日本も改めて議論を深めるべき時だ。産業構造や生活スタイルの将来像を描き、世界とともに温暖化を抑止する日本にふさわしい目標づくりを進める必要がある。

注 太字は引用者

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個人的にCO2悪玉説については疑問ではあるが、今は触れないでおく。

私がこの社説で問題だと思うのは、国連がどのような報告をしようとも、未曽有の原発破局事故が現在進行中であるという認識がまるでないことだ。

「このままだと豪雨や干ばつが頻発し食糧供給などが脅かされる」というが、すでに福島第一原発事故により、首都圏への食糧供給を支えていた福島の農業、漁業は大変なことになっている。
まあ、この国はでは、これを「風評被害」ということにしたいようだが、しかし今もって広大な地域は立ち入ることができず、ここでの農業、畜産業は壊滅したわけだし、漁業も汚染水の問題が深刻になる一方のなかで、ますます厳しくなることは間違いない。

こうした事実をまったく捨象して「原子力も含めた低炭素エネルギーを3~4倍に増やせ」と言うのである。
しかして前エントリー(嘘を100回言ってデッチ上げた“真実”の大嘘がバレても、また新たに100回嘘をつく日本経済新聞)で書いたように、日経は「太陽光や風力は発電効率が悪く、原発のように一日中発電できない。」と主張している。

つまり日経の真意は、「とにかく原発をドンドコ増やせ」という以外にないわけで、これはイコール原子力ムラの悲願だ。そして、その悲願の根本にあるのは、エネルギーの安定供給ではなく、単に電力会社の経営問題であって、それはつまり麻薬中毒の患者が麻薬をやめたら死んでしまうから、とにかくクスリをくれというのと同じである。

いま求めれられるのは、CO2の議論を深めることではなく、目の前で起きている原発事故が現在から将来にかけてどれだけの影響を及ぼすのかについての議論を深めることだろう。

私は電子書籍データの校正、検品をしているので、いろいろな分野の本を読まねばならず、なかには日本経済について書かれた本もずいぶんある。
こういう本を読んでいてなによりも不思議なのは、福島第一原発事故が経済にどれだけの影響を与えるのかということがどこにも記されていないことだ。

小出裕章先生は「東京電力が何回倒産しても、たとえ日本の国家が破産しても贖いきれない被害がすでに出ている」とおっしゃっている。
原発に対してはいろいろな立場があり、小出先生はもちろん有名な反対派だ。
3.11前は、推進派と反対派が「破局事故は絶対に起きない」「絶対に起きる」という点で対立していたわけだが、これは事実によって後者が正しかったことが証明された。
であれば、少なくとも反対派の声を傾聴することが正しい姿勢であり、また将来に対する責任でもあると私は思う。

日本のメディアは日経のみならず、電力の安定供給=経済成長のためには原発稼働するしかないという立場である。が、一方で福島第一原発の収束、処理だけでいったいどれだけのカネがかかり、それがどれだけの経済的損失なのかということ、言ってみれば「原発破局の経済学」がまったくといっていいほど研究、検証されていない。

したがって、議論を深めるならば、まずここからなのであって、それは「原子力には放射性廃棄物の処分問題があるなど、エネルギー技術はそれぞれに課題を抱える」などというように他の技術と軽々しく比べるようなものではない、ずば抜けて大きな問題である。

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