集団的自衛権に反対する保守政治家 その2 ~ 玉澤徳一郎氏
前エントリーにつづいて、もう一つ転載します。
こちらは斎藤貴男氏の新刊『戦争のできる国へ──安倍政権の正体』(朝日新書)に掲載されている玉澤徳一郎氏のインタビュー記事です。こちらも「facebook版 誰も通らない裏道」でよく読まれてシェアされています。
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斎藤貴男氏の新刊『戦争のできる国へ──安倍政権の正体』(朝日新書)を読みました。
ページが進むにつれて暗い気持ちになっていきましたが、興味深かったのは最後に出てきた自民党の元衆議院議員でタカ派で鳴らした玉澤徳一郎のインタビューです。
その発言のいくつかを以下に抜き出してみます(小見出しは「憂えるタカ派」)。
「そこで外国からの誤解を生むのが、麻生(太郎)副総理のナチス発言なんだよ」
「撤回するだけでは意味がない。ああいう発言が出たということを(安倍首相が)どう受け止め、どう処理するのか。本来であれば麻生さんは辞任すべきだと思います。最低でも(首相が)厳重注意せないかん。喩えにせよナチスという言葉を使って憲法改正と結びつければ、対外的には、ああ、じゃあ日本はナチスと同じような考え方で(集団的自衛権の)憲法解釈をやるのかと受け取られるでしょう。そこのところを心配しているのです、私は」
「米国は日本の防衛力増強は要求してきますが、だからといって九条の改正は支持してくれません。私も防衛庁長官になって初めてわかった」
「一番よくないのは、疑惑を持たれたままでいることです。そういう時にナチスはないぜ。日本が戦時中に過ちを犯したのかどうか、ということよりも、世界の人々が戦後、どういう思いで今日を築いてきたのかということも理解しないで喋る国際感覚、歴史感覚のなさというか、あまりにもデリカシーが欠けておる。日本人の独り善がり、知ったかぶりばかりを見せつけてしまっているのが現状ではないかね。
政治家に限ったことではないが、今の世の中は軽すぎるよ。イケイケドンドンばっかりで、あまりにも単純だ。まあ私も時間がかかったが、安倍さんは反対のことばかりやっている。米国もハッキリ言ってよこせばいいんだが。
マッカーサーが占領軍の最高司令官を解任されて帰国して、向こうの聴聞会で、『日本人の民主主義の成熟度は十二歳程度』とやったのは知ってるよな。あれも日本で戦後の右翼が台頭し始めた頃の話です。彼らは当時から懸念していたということなのか」
「あれ(引用者注・憲法第九条)も米国に押し付けられたというのではなく、時の幣原喜重郎総理が言い出したというね。九条の精神は大切ですよ。世界が日本に期待してくれているのは『平和』だ。私は防衛庁長官時代、そのことを実感した経験がある」
「集団的自衛権を軽々しく口にしてはならんよ。自衛隊は日本を、日本国民を守る範囲内で活動すればいい。国際秩序維持のための戦争だって? 申し訳ないけれどもね、それは友好国に助けてもらうしかないと私は思う。世界は戦前と戦後を区別してはくれません。わが国は世界の目を意識して行動しなければならない」
私は自民党という政党は一貫して大嫌いですが、しかし一昔前は真っ当な保守政治家がいたのもまた事実だと思います。
そして、そういう政治家には根本的なところで「戦争はしてはいけない」という考えが根付いていました。
ところが、世襲が進むにつれてどんどん人材が劣化していったのだと思います。
その極めつけの象徴が安倍晋三ということでしょう。
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コメント
保守はどこまで行っても保守。玉澤徳一郎氏みたいのが居たから、安倍晋三氏も生まれてきたの!そこに気付いて欲しいなあ。
主がリンクしているブロガーの殆どが、その「保守」という呪縛から逃れなくなっているんだよね。日々坦々、まるこ、植草(彼なんか逮捕迄されたのに、未だに脱出できていない)、天木(彼も小泉に首にされたのに、都知事選では賛同している)、八木、地獄。もう誰を採っても、皆保守から抜け出せなくて、アベやオザワの呪縛に囚われているんだよ!
まぁ、早い話が洗脳されてるって事だね。
投稿: hotaka43 | 2014/04/10 20:04