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2014/04/10

集団的自衛権に反対する保守政治家 その1 ~ 村上誠一郎氏

以下は、「facebook版 誰も通らない裏道」にアップしたところ、思いの外多くの人に読まれ、またシェアされたので、引用を少し付け足して、こちらにも転載しておきます(その2もあり)。

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「世界」(岩波書店)5月号の特集は「集団的自衛権を問う」です。このなかで、自民党の村上誠一郎代議士のインタビューが掲載されています。是非、詳細はご一読いただきたいですが、こちらも少しだけ抜き出してみます。

「閣議の決定で解釈を変え、それに基いて自衛隊法を改正するということは、下位の法律によって上位の憲法の解釈を変えるという、絶対にやってはけいけない「禁じ手」です。これは誰がどう言おうと認められない。仮にこのような「無理筋」のやりかたで自衛隊法などを変えたとしても、違憲訴訟が続発することになるでしょう。
 なぜ私がこの動きに反対しているかというと、学生時代に読んだ『ワイマールの落日』という本のことが記憶にあるからです。加瀬俊一さんという戦時中から外交官だった方が書いた本です。ここに書かれていることは、民主的であったワイマール憲法のもとで、ナチス・ドイツが全権委任法を議会で成立させ、実質的にワイマール憲法を葬り去っていった歴史です。安倍さんの解釈改憲は、それと同じ愚を繰り返す危険性がある。だから私は反対しているんです。
 多くの方は、今回の集団的自衛権の問題を憲法九条だけの関係で考えていますが、私はこの問題は決してそれだけではないと思う。安倍さんは「憲法は不磨の大典ではない」と言うけれども、「平和主義」と「基本的人権の尊重」、そして「主権在民」、この三つはアンタッチャブルであり、絶対に変えてはいけない基本原則です。その「平和主義」の核心にかかわる問題においてすら、閣議決定で解釈が変えられるなどという前例が作られてしまえば、他の分野にまでこの手法は及んでいきます。結果として、憲法の基本原則が機能しなくなってしまう。それは立憲主義が崩れることを意味します。

「我々には憲法を尊重し遵守する義務があるんです。政治家が守らなければならないのは、立憲主義であり三権分立です。安倍さんがやろうとしていることは、その三権分立や立憲主義の基本を無視し、それを壊す危険性を持っている。だから反対せざるをえない。これば右とか左とかではなく、民主主義や法律をまっとうに学んだ人間であれば誰でもわかるきわめて当然のことを言っているにすぎないと私は思っています。その当然が当然のこととして通じなくなり、むしろ異端のものとして扱われるようになれば、もはやファシズムの危機です。

「(略)集団的自衛権を認めてしまえば、本格的な軍事協力や武力行使を求められることになる。それでいいのですか、ということです。
 そもそも、憲法九条は戦争放棄と戦力不保持を定めていて、自衛権の発動による武力行使は、わが国への武力攻撃があった時、他に適当な手段がない場合に、必要最小限度の範囲で認められるされてきたわけですが、その「必要最小限度」をいくら緩めたところで、わが国への直接攻撃がなければ武力行使はできないのです。

「(略)何百、何千という若者が犠牲になるかもしれない決定を、憲法論議を回避し、閣議決定で解釈を変更して行うことは、日本の将来を担う若い人たちに対して大変に失礼なことではないでしょうか。人の命の大切さを考えれば、正々堂々と憲法改正を主張し、徹底的に国民に説明、議論すればいい。そのうえで憲法改正は国民の判断に委ねるしかないと思う。」

「『ワイマールの落日』と同じ轍を踏むようなことは、歴史から学ぶ者として、また政治家として、断じて認められません。集団的自衛権については、秘密保護法の時のように与党から一人の反対ということにはならないと思います。そう願っていますが、しかし、たとえ一人であっても、かつて斎藤隆夫が軍隊の横暴に議会で声をあげたように、自分の信念を貫こうと思っています。自分が現職の政治家として、ドイツがワイマール憲法を葬り去った一九三〇年代のような局面に立ち向かうことになるとは思いませんでしたがね。」

孫崎享氏の『小説外務省』の中に登場する外務事務次官は「『力の強い者の考えを自分の思想とする』ことになんの躊躇もしない」人物として描かれていますが、現在の日本では政界からメディアにいたるまで「安倍晋三という権力を握ったバカの考えを自分の思想とすることになんの躊躇もしない」人びとが溢れかえっているということなのでしょう、、、


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