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2013/11/20

特定秘密保護法案は霞ヶ関独裁のタガの締め直しである

特定秘密保護法案は、みんなの党が転んだことにより、にわかに成立の見通しが強まってきたわけだが、もとよりこの法案を本当に通したいのは自公政権ではなく霞ヶ関独裁であり、政府は霞ヶ関のお役に立つために頑張っているにすぎない(もちろんみんなの党の転びは予定通りであって、今後、維新や民主の一部も追随するだろう。彼らは「釘を刺した」「言質をとった」などと成果を誇るが、それは本来の落とし所へ向かう際の手続きに過ぎず、すべては予定調和である)。

森雅子という、法案の骨子をまるで理解していない人間を答弁に立たせる一方で、審議をする委員会の与党席がガラガラであることは、この法案に対する与党の興味のなさを象徴している。
では、なぜ与党は霞ヶ関独裁に対してお役に立ちたがっているかと言えば、それは彼らが霞ヶ関のおかげで野党転落から瞬く間に与党に復帰することができたからだろう。

自公が政権に復帰できた最大の理由は、もちろ民主党がズッコケたからだが、なかでも総理大臣の椅子を目前にした小沢一郎を、検察(とメディア)が無実の罪を着せて葬ってくれたことが致命的に重要であり、つまり彼らは霞ヶ関に足を向けて寝られない。

ところで、この小沢一郎抹殺計画は、完全犯罪としてコンプリート寸前だった。
ところが、小沢を起訴に導くべく検察審査会に東京地検から送られた捜査報告書がまったくの虚偽、今流行りの言葉を使えば「偽装」であることがバレて、世間に広く知れわたるところとなった。
なぜなら、この捜査報告書などの資料が何者かの手によってロシアのサーバーにアップされたからで、これがネットを通じて拡散された

この資料を誰がアップしたのかは謎だが、もちろんそれが心ある検察関係者、あるいは弁護側、裁判所側の関係者であったとした場合は現状の法案に照らしても、もちろん犯罪である。
ところが──。
このたびの秘密保護法案は、この資料を受け取って拡散した側までもが罪に問われる可能性が高い。

「特定秘密の保護に関する法律」の第六章雑則には、

第二十一条 この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。

2 出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする。

とある。国会では「ブログが不特定多数の人が閲覧でき、客観的事実を事実として知ら せることを内容とし、ブログに(記事を)掲載している者が継続的に行っているような場合には、(秘密保護法案の)『出版又は報道の業務に従事する者』に該当する場合がある」という政府側の答弁があるが、行政機関がこれに該当しないと判断すれば、処罰の対象となるわけだ。

つまり、あるブロガーが前述の捜査報告書を「これは大変なことだ、オレのブログにも掲載しよう」とアップした途端に犯罪に問われる可能性も十分にあるわけで(リツイートしただけでもダメかもしれない)、いかようにも恣意的運用が可能である。

健全な法治国家のために声をあげる市民の会 声明

マスメディアにしても、元々、記者クラブメティアは官製下げ渡し情報の発表機関であるが、ますますその性格を強めていくはずで、一部の心ある記者によるスクープなどというものは、さらに望めないということになる。

・秘密保護法で「日本の秘密国家は完成」西山太吉さん訴える

上記の記事で興味深いのは、西山氏が「秘密国家になる」ではなく「秘密国家は完成する」と言っているところで、つまり日本は十分に秘密国家だが、これがさらに完成度を増すというわけだが、私も誠にその通りだと思う。

少し前に斎藤美奈子が東京新聞で「秘密保護法案は官僚国家への道」だと書いていたが、私見では日本は従来から完璧な霞ヶ関独裁国家なのであって、この法案の役割はそのタガの徹底的な締め直しである。

それにしても、なぜここまで法案成立を急ぐのかと言えば、その最大の理由は軍事よりも福島第一原発にあると思う。
つまり、ありとあらゆるウソの上に成立していた原子力政策が前代未聞の破局事故によって破綻し、その影響が子々孫々にまで至ることがハッキリした今、それはどうあがいても体制最大の危機なのであって、もはや悠長に国民の首を真綿で締めている場合ではない。

過去の歴史を振り返れば、日本と唯一同じレベルの破局事故を起こしたソ連は、チェルノブイリから5年後に国家体制そのものが崩壊してしまったのであって、この事実に鑑みれば、過去も現在も、予測される未来もすべてを隠し、どれだけ締め上げても締め足りないほどに統制を強めていかないと、現体制を維持すること難しい。
霞ヶ関独裁はそういう認識にあるのではないかと私は思う。

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2013/11/14

もはや1ミリシーベルトは「現実的」でないから、20ミリを受け入れろという「安心・安全対策」

まずは以下の武田邦彦教授の2つのエントリーを参照されたい。

緊急掲載 被曝の限度は民主主義で・・・1ミリと20ミリの違い

誰が「放射線は怖い」と言ったのか?・・・誠実な日本に帰ろう!

武田教授は言う。

「まして「1年20ミリで健康影響なし」というのはまったくのウソですから、犯罪の予備行為として処罰対象にしなければならないでしょう。」

「一般人の被ばく限度を1年1ミリを決めたのは放射線関係の審議会などで、今、「1年1ミリなどという規則はない」と言っている人たちです。」

以上を踏まえた上で、以下の記事を読んでいただきたい。12日の日経に掲載されたものだ(太字、下線部分等はブログ主)。

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除染 現実路線に 「1ミリシーベルト」は長期目標
規制委が線量基準案 与党 東電全額負担を修正

 原子力規制委員会が11日に追加の被曝(ひばく)基準の見直しを打ち出した。この結果、被曝基準と連動する福島第1原発周辺の除染目標も実質的に緩む方向となった。自民、公明両党も同日、除染費用を国が分担するよう安倍晋三首相に提言。実現困難な目標を掲げた民主党政権時代から現実路線への軌道修正が急ピッチで進んでいる。
 11日午後、規制委が開いた「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」の会合。事務局が示した報告書案の討議は予定を1時間近くオーバーし、専門家から20カ所以上の文言修正の要求が出た。
「肝心な所まで行ってないが、一歩前に進まないとキックオフにならない」。会合を主導した中村佳代子委員は終了間際にこう宣言し、やや強引に報告書案の大筋了承を取りつけた。
 最大のポイントは、「1ミリシーベルト」という除染目標の扱い。報告書はこの目標自体はいじらずに「1ミリシーベルト」について2つの点を明確にした。まず、これが長期目標であること。除染だけでなく健康診断や家の清掃も組みあわせて数十年かけて実現する。
 もう一つが、空気中の放射線量から被曝量を推測した「空間線量」ではなく、個人線量計で一人ひとり測った「個人線量」とする点だ。
 福島県内の調査では、個人線量は空間線量の3分の1~7分の1。空間線量は「皮膚や筋肉の遮蔽がない」など極端な前提をおくため、実測値である個人線量より高めになりがち。個人線量とすることで除染目標の実質的な緩和にもなる。
 モデルケースとみられるのが、福島県伊達市だ。同市では原則として空間線量で5ミリシーベルトまでしか除染していない。「個人線量1ミリシーベルト」とほぼ同じ「空間線量5ミリシーベルト」を基準にすれば、除染を効率化でき、復興も進めやすくなる。
 新基準導入の一環として、報告書案は自治会長、医師、看護師らを「相談員」に指名し、被曝を減らす取り組みや線量計の使い方を助言すると打ち出した。
 もっとも、除染方針の修正には異論もくすぶる。全住民が避難する福島県富岡町の宮本皓一町長は7日の記者会見で「限りなく1ミリシーベルトに近づけてほしいというのが私の希望です」と語った。
 1ミリシーベルトは安全と危険の境界ではないというのが国際的な知見だが、「1ミリシーベルト以上は危ない」という見方が広まり、住民帰還が進まない一因にもなっている。報告書が示した個人線量基準案は、1ミリシーベルトという除染の理想を残しつつ、帰還促進に向け現実的な対応を進める苦肉の策だ。
 除染基準の見直しは、除染費用にも影響を与える。
 11日の与党提言は「東電が全額負担」という従来の原則を修正。(1)計画済みの除染(1.5兆~2兆円)は東電に請求(2)再除染や健康診断などの住民帰還支援は国が負担(費用不明)(3)除染ではいだ土をためる中間貯蔵施設は国が負担(1兆~2兆円)する――などの大枠を示した。国費投入額も除染地域がどのくらいになるかで変わる。
 与党提言は除染の進め方でも現実路線を打ち出した。汚染された地域を満遍なく除染するのではなく、帰還可能な地域を優先するよう求めた。政府は来春、福島県田村市の避難指示を初めて解除する方針だ。こうした地域を優先的に除染する仕組みを検討するとみられる。
 政府・与党は今夏以降、福島第1原発の事故対応や東電再建策で国の関与を深めてきた。ただ、汚染水対策や廃炉など解決にメドが立っていない課題も多い。今後の展開はなお波乱含みの情勢だ。
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武田教授は福島民報の「1年20ミリシーベルトまでは健康に影響なし」という記事を引用しているけれども、こちらはより本音丸出しで、「1ミリシーベルトは現実的ではない」という。

これまでさんざん原子力を推進し、反原発の側が破局事故の可能性を指摘すると、「日本ではそのようなことは起こらない」と木で鼻をくくったように答えていた面々が、ひとたび事故が起きると自分たちで決めた年間の被ばく線量を「現実的でないから緩める」というのである。
心の底から呆れた物言いではないか。

挙句の果てに「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」という名称の組織は、「1ミリシーベルトなどと言っているとキックオフにならないから20ミリシーベルトでいい」と言う。
いったいこのどこが「安全・安心対策に関する検討」だというのか?
「キックオフにならない」とはなんという言い草か。

普通に考えれば、「もうそこは帰還できないので別の地域に移住してください。ついてはその費用については国費を投入します」と言うべきである。
もちろん、その費用は莫大なものになるだろうが、それが「人の道」というものだ。
ところが、「そんなことを言い出したら、いくらになるかわからず現実的でないから基準を緩める」という。

全国の右翼諸氏は山本太郎のところへ行っている場合ではない。皇国臣民をかくも痛めつける国賊に対して猛烈な抗議、街宣をかけるべきだろう。

こちらのおせんべい屋さんには、是非、この問題を糾弾するトラックをつくり、走らせていただきたい。

それにしても「現実的」とは本当によく言ったものだが、「1ミリシーベルトは安全と危険の境界ではないというのが国際的な知見だが、『1ミリシーベルト以上は危ない』という見方が広まり、住民帰還が進まない一因にもなっている」などという与太を書く記者にも腹が立つ。こういう記事を書くにあたっては、誰が書いたのか是非、署名入りとして欲しいものだ。

そもそもかねてより私は「現実的」という言葉が嫌いなのだが、それはこの言葉が「文句を言っても、すでに現実はこうなのだからしょうがないだろう」と冷静ぶって高みに立ち、つねに権力の側から「現状追認」を諭す手段として使われるからだ。
これは沖縄の基地や原発、公害など他の問題にについても同様で、要するに権力の手法である。
そして、反対する側、抗議する側に「非現実」というレッテルを貼り付けて記号化し、それをマスコミを使って巧みに印象操作するのだ。

ただ、福島第一の場合がこれまでと違うのは、この破局事故の影響は国内にとどまらないということだ。汚染水を海洋に垂れ流し、再び大気中に放射能を大々的にバラ撒くようなもし現出るうようなことになった場合(これは再び地震が起きれば十分予見し得るだろう)、世界中に被害を拡散させることになる。
そうして各国から抗議を受けた場合にも、この国は「現実的」という言葉を持ち出すのだろうか?

そしてもう一つ。
ではいま現にある放射線管理区域というのはなくなるということでいいのか? その場合、もはやそこには誰が入ってもよく、そこで飲み食いしようが生活をしようが構わないということなのか?
私が記者だったら、それを訊きたいものだ。

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2013/11/13

小泉純一郎の脱原発 ~ 本気で大悪魔(原子力ムラ)に対抗するなら、大悪魔(小泉)にひれ伏してもいい

以下、facebook版「誰も通らない裏道」に書いた、小泉純一郎の脱原発に関するエントリーです。
現時点で、当ブログでは小泉の脱原発を支持します。
もしそれを実現してくれるのならば、「悪魔にひれ伏しても」かまいませんし、そもそも原子力ムラという大悪魔を退治するには、民主党のような始末におえない「悪魔もどき」よりも、あるいは共産党や社民党のような(一応)「善人」(ぽく見える)よりも、大悪魔と同じレベルの大悪魔の方がはるかに力があるのではないでしょうか。

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facebook版「誰も通らない裏道」 10月2日

小泉氏の「脱原発」については、いろいろな意見があると思います。単なる「釣り」だという見方も当然あります。私もその真意は測りかねるところがあります。

ただ、、、

私は小泉氏の『郵政省解体論』という本を(恥ずかしながら)作りました。
その是非はおくとして、当時、私は郵政事業を民営化するなどということは、まったくもって荒唐無稽なことだと思っていましたし、それは小泉氏の話を聞いても変わりませんでした。
なにしろ自民党内で賛同者は一人もいなかったのです。YKKなどと言われて、一応、ニューリーダーの一人と目されていた小泉氏ですが、当時は加藤紘一が総理大臣の地位にはもっとも近いと目され、小泉氏はただの「変人」と思われていました。
自民党総裁選に出ても負けてばかりいたのもこの頃です。

ところが、それでも信念を曲げずにいたら、なんと最後に凄い風が吹きました。
そして総理大臣になった小泉氏は、なんと郵政事業を民営化してしまいました。
そのことの是非は脇に置きますが、あのクソ粘りは大したものだと思います。

取材当時、小泉氏は「郵政省は民営化するべきだ」と言いました。そこでその方法を問うと、「それは回りの人が考えればいい。政治家がやるべきことは旗を立てることだ」と言うのです。そうすると、その先に話を進めていくことができず、とても困ったのを今でも覚えていますが(笑)、今、大事なのは確かに「旗を立てる」ことなのかもしれません。

繰り返しになりますが、小泉氏の真意はわかりません。
しかし、では野党に腹をくくって「今すぐ脱原発」と言える政治家がどれだけいるのかというと、それは疑問です。民主党内にもほとんどいないでしょう。
もちろん、共産党は脱原発だし、ここのところ支持率が上がっているといいますが、この党には限界があると私は思っています。
そういう意味で、郵政民営化における小泉氏的な腹のくくりをできる政治家が求められることは確かです。

余談ですが、前出の本ができた時、小泉氏はこう言いました。
「最初にこの企画が来た時には悩んだけれども、自分はこれ(郵政民営化)でやっていくという踏ん切りがついて良かった」

ついでにもう一つ余談をつけ加えると、この本が出た当時、郵政省は大騒ぎになり、「小泉に儲けさせたくない」というので、大量のコピーをして閲覧したという話を聞いたことがあります。
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facebook版「誰も通らない裏道」 11月13日

小泉純一郎の脱原発宣言について、その真意を訝る、図りかねる声があるのはよく理解できます。

ただ、その良し悪しは別として、小泉が郵政民営化を言い出した時に、そんなことが可能だと思った人は与野党に誰一人いなかったでしょう。
小泉は大蔵族であって、背景に大蔵省の考え方があったとしても、その実現は容易ではないと官僚も考えていたと思います。
ところが、小泉は孤立無援の状態から郵政民営化を実現してしまいました。その「力」は大したものだと思います。

さて、それにしてもなぜ小泉はにわかに脱原発を言い出したのか?
昨日の会見の中で、彼は「原発をゼロにして自然を資源にエネルギー施策を展開しようというのだから、郵政民営化どころの比ではない。」と言っています。
私はこの部分を読んで「なるほどな」と思いました。

これはあくまで個人的な推測ですが、総理大臣時代の小泉(と秘書の飯島氏)にとって、最大の目標は自分の名前を歴史と記録にとどめることだったのではないかと思うのです。
そして記録という意味では在任期間(これは佐藤栄作には届かないものの中曽根康弘を上回っており、史上5位のようです。また総理大臣秘書としての飯島氏の在任期間も恐らく記録的なもので、これに他の大臣秘書時代の年数をプラスすると、調べてはいませんが、おそらく大臣秘書としては歴代1位に近いのではないでしょうか?)、歴史という意味では郵政民営化で、この二つは実現されました、、、

と思いきや。郵政民営化が歴史に残る偉業かどうかは微妙な情勢にあります。
だったら、、、ということで、より大きな目標として登場したのが脱原発なのではないかと思うのです。
もちろん、だからといってもう一度議員に返り咲いてというようなことは恐らく考えていないでしょう。
しかし、そうでなくても脱原発を主導して実現することで歴史に名前を残したいという思いがあるのではないかと推測します。

さて、この推測があたっているして、「そういうことで脱原発を言い出すのはけしからん」という声もあることでしょう。
しかし、今回は郵政民営化と異なり、その方向性自体が圧倒的に正しいことを考えると、私はそれが小泉の個人的な野心を発端としたものであっても構わないと思うのです。

とにかくなんでもいいから原発は二度と再稼働しないで欲しい。今すぐ脱原発の道筋をつけてくれるのなら、「たとえ悪魔にひれ伏してでも」(野中広務が小沢一郎と組む時に言ったとされる言葉)いいと私は思います。

というか、原子力ムラという大悪魔を退治するには、それと同じスケールの大悪魔でないとかなわないのではないでしょうか。
民主党は2030年代までに、、、などと言っていいましたが、そんなヤワなことを言っている場合ではないのです(ま、それがこの党のダメさを象徴しているわけですが)。

それにしても……
小泉がこんなことを言い出すと、「『今すぐ原発ゼロ』なんて言わないけど、段階的に原発依存度は下げていくべきだ」などと訳知り顔で言う「ジャーナリスト」までもが一気に陳腐に見えてくるから面白いものです。
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2013/11/11

原発熟女おもらし汚染水

とりあえず最後まで見ていただければと思います。


原発熟女おもらし汚染水 投稿者 kraftwerk1

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2013/11/03

宮台真司 ~ 「やはり今回の過剰反応はあまりにも醜い、『だったら米長の時に何黙ってるんだよ』ということですよね。」

・「宮台真司 「天皇と政治」 2013.11.01」

「実は天皇陛下が政治的な発言や行動に関係してくる、そうしたいろんな経緯がいままでもありました。
今回の事件とよく似ているのは、2004年に園遊会で、当時、今は亡くなっていますが、将棋の名人であった米長邦雄名人が、「教育委員会のお仕事、ご苦労さま」というふうに陛下に言われて「日本中の学校で国旗をあげ、国家を斉唱させることが私の仕事です」とかですね、私に言わせればあさましくも「陛下のために私はこんなに頑張っている」というふうな政治的な発言をしたところが、陛下は「やはり強制になるということではないことが望ましい」というふうに述べられているんですね。
今回、山本太郎議員のことについてこれほど激烈に反応するのであれば、なぜ2004年に激烈に反応しないのかということになりますので、このような恣意性、まあいいとこどりというかご都合主義な、まさに天皇の政治利用そのものだということをまず最初に申し述べておきましょう。
さらに翌年、陛下がサイパン島をご訪問になった際に、周囲、とりわけ宮内庁の強い反対を押し切って「バンザイクリフ」、つまり兵隊さんたちが「天皇陛下万歳」と言って海に飛び込んでいったそういう場所で慰霊をされたんですね。これもですね、これを一生懸命押しとどめようとしたことがきわめて政治的な行動ですよね。」

(中略)

「さて、先ほどの米長さん、あるいは今回の山本さんの行動。あのね、みなさん、天皇陛下をもっと信頼なさったほうがいいですよ。米長さんは僕に言わせればあさましくさもしい発言に対して諌めましたよね。で、今回も何か手渡し時にですね、なんにも反応されなかった。そういう態度によって十分に自らの意向を示しておられるし、最終的には「バンザイクリフ」の慰霊を宮内庁が止めたような形で天皇陛下、あるいは皇族の意向が表に出ることがないようにブロックされていますけれども、いろいろな立ち居振る舞いから僕たちはその意志を忖度することが、実はできないわけではないんですね。そうしたことを考えあわせますと、やはり今回の過剰反応はあまりにも醜い、「だったら米長の時に何黙ってるんだよ」ということですよね。平等にやれっということです。恣意的に反応しているかぎりこれはすべて天皇の政治利用なんですよ。
しかし先ほど言ったように、天皇の政治利用がいかんと言っているのではないのですよ。うちらは天皇の政治利用なくしては、「近代化」もできなかったし、敗戦後の再近代化もできなかった。その未熟さを私たちは克服しているのか、いないのにね、過剰反応反応をするのは、、、」

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「天皇の政治利用」の名の下に気に食わない議員を潰すことこそ
「天皇の政治利用」である

「天皇の政治利用」の名のもとに、日ごろから気に食わなかった存在である議員を潰すことこそ、まごうことなき「天皇の政治利用」だということを指摘しておきます。

・八木啓代のひとりごと
あの、皆さん、請願て何かご存じですか?

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2013/11/02

「小沢叩き」と「太郎叩き」

山本太郎叩きが物凄い勢いである。

読売新聞社説
山本議員の直訴 天皇の政治利用に自覚がない

・3K
陛下に手紙手交 礼失する山本議員の行為

・早川忠孝
山本太郎氏の議員辞職を求める

まあ、その他有象無象による大バッシング。
私はこの光景を見て2009年から始まった小沢バッシングを思い出した。
そういえば、叩いている顔ぶれも既視感のある面々が多い(笑)。

小沢一郎と言えば、いまや完全無罪の人だ。ところが、この国のメディアや政治家は、総理大臣を目前にした野党第一党の代表を引きずり下ろした(もちろん実行犯は検察だが)。
では、なぜ小沢は引きずり降ろされたのか? それはマスメディアや政治家の後ろに控える霞ヶ関にとって、小沢総理大臣は、正しい意味での「体制の危機」だったからだと思う。
小沢「事件」の経緯について、ここで書くことは差し控えるが、この経緯、そして検察が検察審査会までいってやったことをつぶさに検証すれば、日本が法治国家であることが疑わしく、また小沢を民主党の座から引きずり下ろした面々にリーガルマインドがあるとは到底思えない。
で、まあそういう面々が今度は「山本太郎を処分しろ」と喚いている。

早川忠孝は言う。

「国会議員が公衆の面前で、天皇に直訴して天皇に何らかの政治的行為をさせようとしたのだから、この非行は絶対に不問にしてはならない。」

山本太郎は、天皇陛下に「福島の現状を知って欲しかった」と言っている。
山本太郎の手紙を仮に陛下が読まれたからと言って、現在の立場で「政治的行為」ができるわけではないし、それは手紙を渡した本人だってわかっていることだろう。
そして、山本太郎を批判する側は、手紙の内容ではなく、もっぱらそのやり方に批判の的を絞っている。
だが、そもそも「福島が大変なことになっている」というのは政治的主張なのだろうか? 

私の考えでは、福島(だけではないが)の現実は子々孫々にまで影響を与える重大なもので、それは事実だ。
ところが、この国では「福島の現状はコントロールされている」「福島第一原発の事故は収束した」などという“キテレツな政治的主張”がある
まさに山本太郎が言うところの「子どもや作業員」を放置した破局事故の責任企業が、それゆえに1000億円の黒字を計上すると「熱心なコストダウン」の結果だという。
つまり、東京電力にとって、事故処理、賠償、福島を中心として放射能の影響を受けざるを得ずに生活する人びとはすべてコスト、つまり自らの企業活動の「敵」なのであって、そのコストをできる限り下げたいというのが、この会社の歴然とした意志なのである。
しかも、この国のメディアや政治家は、この東電の企業意志を「是」とする立場にある。

こういう「現実」を前に、徒手空拳から国会議員となった山本太郎が、天皇陛下に手紙を渡した行為を、当ブログは断固支持する。
また、メディアも含めた権力の側が、これだけヒステリックに苛立っているということは、その行為が的にあたっていることの証拠でだと思う(ちなみにこれは体制内批判者というポジションに安住している、たとえば共産党にはできないことだ)。
だからこそまた山本太郎には言いたい。
「第二の小沢にならぬよう、気をつけろ」と。

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2013/11/01

日本最大の不敬企業を見逃して、直訴を袋叩きにする日本の病

facebook版「誰も通らない裏道」からの転載。

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おそらく私の頭が悪いのでしょうが、彼のやったことがなぜ悪いのか私にはさっぱりわかりません。
「あんなことをやっても支持している人がいる」「一票入れた人間は頭がおかしい」という意見が溢れかえっているようですが、私は福島第一原発の収束宣言をした野田佳彦に投票して当選させた人の方が、あえて言いますが、はるかに民度が低いと思います。

「TPPはけしかんらん」とか「憲法改正を阻止しください」とかいう内容の手紙を渡すのならば、それは政治利用かもしれません。
しかし、政治がその役割を完全に放棄している福島の状況について直訴するのがなぜ悪いのか?

一方で東京電力は1000億円以上の黒字を出したと言われています。ではなぜ、このような黒字が出たのか?
本来、やらなければいけないこと、被災者への賠償、作業員の保護、汚染水の処理、除染、、、といった本来、やらなければならないことについて、徹底的に手抜きをした結果です。
そもそも、なぜ福島であのような破局事故が起きたのか? それは東京電力が経済合理性を再優先して、安全マージンをどんどん下げたからにほかなりません。

自分たちさえ良ければ、後のことは知ったことではないという会社が批判されず、「なんとかしなければ」と思っている人間が袋叩きにあうというこの社会に、私はこの国に巣食う根本的な病を感じます。

古来、天皇が見守ってきた土地を放射能によって汚染させた会社こそは最大の不敬企業であると断言します。

・誰も通らない裏道
不敬企業、不敬メディア(2009/04/10)
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