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2012/11/10

「社員の不安が募るから税金を投入して欲しい」と主張する
東京電力のブラックぶり

本日(11月10日)の日経朝刊には、東京電力社長・広瀬直己のインタビュー記事が掲載されている(11面企業総合)。
タイトルは「東電『原発、4月再稼働は困難』 コスト削減上積みへ 広瀬社長、賠償負担『国と議論の場を』」。
iPadの電子版では広瀬の写真はモノクロなのでわからなかったが、改めてウェブ版を見てみると、着ているワイシャツはブルーのカラーシャツで、高そうなネクタイを締めている。
ま、そんなことはどうでもいいのだが、問題は記事の内容。
広瀬は「福島第1原子力発電所事故の損害賠償や除染の費用を巡って新たな支援策を政府に要請したことについて『国は具体的な議論を進めてほしい』と重ねて求めた」。

これは東電が政府に対して追加支援要請をしたことを受けてのインタビューだ。
11月8日の日経朝刊1面(タイトルは「東電、新たな支援要請 経営方針発表 賠償・除染で負担増 」)にはこう書かれている。

 東京電力は7日、福島第1原子力発電所事故の損害賠償や除染を継続するため、政府に新たな支援策の検討を要請することを盛り込んだ経営方針を発表した。東電の負担が、政府が当初見込んでいた5兆円を上回り、10兆円に達する可能性を指摘。今後もコスト削減を強化するものの、東電単独で巨額の負担増に対応するのは困難だと判断した。

3.11後、政府や東電は、福島第一原発の破局事故処理について、可能な限り低く見積もる努力をしてきた。
その理由は、「本当にきちんと賠償しようとすれば、東京電力が何度倒産しても、あるいは日本という国家が破産しても足りないほどの被害がすでに発生している」(京都大学・小出裕章助教)からだ。あの破局事故((現在進行形だが)がそれだけの規模であったことは彼らも十分わかっている。
しかし、本当の被害規模を国民が知るに至り、それを償わなければならなくなったら、自分たちのこれまでの生活、地位はすべて吹っ飛んでしまう。それがわかっているから、彼らは国民の生命や財産を見捨てたわけだ(従来の法律をもってすれば、人が住んではいけない地域が福島から関東にかけて膨大にある)。
ところが、それでも当初の事故処理見積りからは大きく逸脱しそうだから追加支援(=税金投入)をしてくれというのである。

その一方で、原発を止めていると石油などの燃料調達コストが上がるので、一刻もはやく原発を再稼働させて欲しいという。つまり、依然として原発は他の発電方法に比較してコスト的に優位だという立場を捨てていないわけだが、ここには福島第一原発の処理コスト、あるいは他の原発の廃炉コスト、さらには高レベル放射性廃棄物(万年単位での管理が必要で、その最終処分地すら決まっていない)の管理コストは入っていない。
まったくもって原子力ムラの人間というのは狂っているとしか思えないのだが、さらに広瀬の言い分が凄い。

 広瀬社長は費用の規模が見通せず、いつまで返済を続けるか不透明な状況では「会社がどうなるかわからず社員の不安が募る」と指摘し、「国は法律を(予定通りに)しっかり見直してほしい」と強調。「負担割合などを国と議論する場があれば参加したい」と述べた。
(中略)
 今年度上期に約350人が依願退職するなど人材の流出が続いていることについて広瀬社長は、「大部分は給与削減が原因。適切な手を打てる状況にない」と述べ、「流出が止まってきたという手応えはまだ感じられない」との懸念を示した。

福島第一原発の破局事故は、東京電力&原子力ムラ(この中には共産党の吉井英勝議員の原発の津波対策に対する質問に、総理大臣の立場で「万全の体制を整えている」と答弁したアベシンゾーも当然含まれる)による明らかな人災だ。その結果、住んでいた土地を追われ、日々暮らしの不安を抱えている被災者が多数いる。にもかかわらず、加害者側が「社員の不安が募」り、「給与削減」で人材流出している(ということは、世間の平均よりもはるかに高い給与に戻したいということなのだろう)から税金を投入してくれと真顔で言う。

恐るべきブラック体質である。
にもかかわらず、平然とこのようなことを言うブラック会社のトップと、その言い分を垂れ流す業界新聞に空いた口がふさがらない。

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コメント

たった350名退職者だして大変だっていってるの?東電ってまだ、昭和の終身雇用時代に生きているの?
時代錯誤も甚だしい。
現在、500や1000名の退職なんて、全く日常に起こっているのに。あっ、これは米国の話だけど。
こんな会社みると、TPP参加して、潰してやりたくなるわ。

投稿: ダラス | 2012/11/10 23:55

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