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2011/09/26

「陸山会事件」判決 ~ マスメディアは「西松事件」に遡って総括すべきである(追記あり)

本日午後、「陸山会事件」の判決が出る。マスメディアは「陸山会事件」と表記し、主に石川知裕衆院議員を中心にした報道をしているように見受けられる(あくまでザックリした印象だが)。
しかし、この事件のそもそもの発端は「陸山会事件」ではなく、「西松事件」なのである。
2009年の3月、小沢一郎の秘書である大久保隆規氏が逮捕、起訴された。
時、あたかも政権交代を賭けた大一番の衆議院選挙前。
民主党代表は小沢一郎であり、何事もなければ総理大臣の座は確約されていた。
そこに起きたのが「西松事件」であった。
マスメディアはこれをきっかけに小沢の責任論を展開、総力をあげて「辞任すべき」という論陣を張った。
当時、有力とされる「政治記者」はこぞって「政治とカネの問題=小沢」とはいう印象操作に狂奔し、新聞記事のリードには、小沢という固有名詞の前にしばしば「西松事件で秘書が逮捕された……云々」という形容詞をつけていた。

たとえば、以下は2009年3月10日の日経の社説である。

*****
 政治の現状にあきれ果てた。これが大多数の国民の実感だろう。経済危機が一段と深刻になっているのに、政治は機能不全に陥っている。日経平均株価は終値ベースでバブル経済崩壊後の最安値を更新した。
 西松建設の巨額献金事件で公設第1秘書が逮捕された民主党の小沢一郎代表への批判が強まっている。先週末に共同通信など各報道機関が実施した世論調査では、辞任を求める声が5―6割に達した。8割前後の人が小沢氏の説明は「納得できない」と回答している。
 麻生政権への視線も厳しい。大きな「敵失」にもかかわらず、内閣支持率は10%台に低迷。世論から不信任を突きつけられたままだ。
 私たちは来年度予算成立後の衆院解散を求めてきた。世論調査の結果は、国民が自民、民主両軍にピッチャー(党首)を代えて決戦に挑む覚悟を求めているようにもみえる。民主党も自民党も危機管理能力を問われており、政治のリセットに向け早急に態勢を整える必要がある。
 民主党内では小沢氏の代表辞任は避けられないとの見方が広がっている。小沢氏は身の潔白を強調しているものの「個々の一つ一つの献金についてはわからない」と述べるなど、説明にはあいまいな点が多い。
 小沢氏は秘書が起訴されることはないとの見通しを示しているが、この前提が崩れれば政治的、道義的な責任は免れない。次期衆院選への影響も含め、民主党は小沢氏の進退問題で賢明な判断が求められる。
*****

あるいはこんな記事も。

・ザ・ジャーナル 岸井成格
小沢秘書逮捕と見るに堪えない政局

さて、ではこの「西松事件」はどこへ行ったのか? すでにこのブログでは何回も書いてきたことだが、なくなってしまったのである。
検察は大久保氏を逮捕、起訴して公判に持ち込んだが、その過程で、なんと検察側の証人が検察の描いた構図を否定する証言をし、結果、検察は窮地に追い込まれた。
そこで勃発したのが「陸山会事件」であり、石川議員とともに大久保氏も再び身柄を拘束された。そして、大久保氏の公判は「西松」から「陸山会」へと訴因が変更されたのである。
しかして、、、
本日の判決では、大久保氏は無罪と言われている。
また、石川議員についても、JNNの大スクープがあったにもかかわらず、それが公判に影響を与えたという話は一切ない(↓動画の3分50秒あたりから)。石川氏の場合は執行猶予付きの判決も予想されているが、実質的には無罪といっていいだろう。


asazuba3 投稿者 thinkingreed

つまりこの2年間の小沢をめぐる「政治とカネの問題」というのは、何の実態もない印象操作、言論操作だったのだ。にもかかわらず、検察審査会による強制起訴議決の末にこれから始まる小沢公判は、この「陸山会事件」の延長線上にある。
いったいこの状況はなんなのか?

歴史に「たら、れば」は禁物だが、もし「西松事件」というでっち上げがなければ、小沢一郎は総理大臣になっていただろう。そして、おそらくは「国民の生活が第一」の公約を実行し、昨年の参議院選挙でも勝利をおさめ、政権は安定したものになっていたはずだ。
そしてまた、もし小沢が総理であったならば、3・11後の、とくに福島第一原発破局事故への対応もまったく違ったものになっていたものと思う。
その意味で、この2年間、政治を不必要に混乱させて国民生活を悪化させ、しかも原発事故での人災的側面を拡大させた張本人は、突き詰めれば検察とメディアだと私は断言する。
にもかかわらず、その張本人たちが↓のような与太話をしているのだから、呆れる他はない。

・おーい、とらちゃん出番だよ!
「対談」橋本五郎・星浩・飯尾潤 なぜ、「政権構想」はここまで空虚になったのか。(鍋常のゴミと、朝日のゴミに、言われたかぁ~ないってもんだ~♪)

いま、「西松事件」→「陸山会事件」の総括を求められているのはマスメディアである。

***************

以上、ここまでは本日、午前中に書いたものである。
そして午後、判決が出た。
結果は3人の秘書、全員が有罪。

これを受けて早速、朝日新聞は、小沢一郎についても「政治的責任」を問う姿勢を示している。

つまり、私の予想は外れたわけだ。
が、しかし、だからこそ私はこのニュースを聞いて慄然とせざるを得なかった。

そもそも、この公判の論告は↓のようなものであった。

・郷原信郎 TwitLonger

郷原氏のこの文章を読むと、氏は少なくとも司法はまともな判断を下すだろうという予想の下に特捜検察批判をしている。ところが、判決はそうではなかった。
私はここに、これまで一応、戦後の日本が装っていた法治国家やら民主主義国家といった素振り、建前をかなぐり捨てた独裁権力の意志を見るのである。
そして、この小沢一郎への弾圧から東京電力の救済まではすべてつながっている。
片や総理の座を目前に冤罪をでっち上げられ、片や人類史上最悪の放射能災害を引き起こし、それが今も続いているにもかかわらず、その会社から一人の逮捕者も出ることはない(しかもこの会社が発表はウソとデタラメだらけである)。これらすべては権力の意志によるものに他ならない。
検察批判のデモを主催すれば痴漢冤罪の罠が待ち受け、電力会社へ抗議に行けば逮捕される国。
しかも、ほとんどの国民がそれに対してさしたる疑問も持たず、わが身にも放射能が降りかかっても怒らない国。
ニヒリズムなのか、はたまた岡庭昇氏が指摘するようにエゴイズムの極なのか、、、
2011年9月26日は、かくも奇天烈な国に生きているということを再確認した日なのであった。

そしてもう一つ。
これから反原発や反検察の運動しようという人たちは、相手が恐るべき独裁権力であることを、まず心にしっかと刻み込み、根性を据えてから行動を起こしていただきたい。


参考リンク
小沢秘書逮捕報道~いま問われているのはメディア自身である

Gwngos

かくもさまざまな言論操作

Small
『東京電力福島第一原発事故とマスメディア』

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コメント

この判決は小沢さんが
好きか嫌いかの問題出ない。
日本の司法の危機、暴挙である。
司法の暴挙を停止するには世論の喚起しかない。でも、巨大マスメディアが口をつぐんだままである。この状態で手立てがあるのかと思うと暗澹たる思いである。
きわめてこわい時代である。


投稿: 杉本 てるこ | 2011/10/01 11:03

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