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2010/11/15

なぜ、既成政党は共産党までが堕落するのか? ~ 個人的経験からの推測 その2

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ふーむ、、、この事態をどうとらえればいいのか、、、
以来、私はこのことについて考えるようになり、そして一つの結論に達した。

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からのつづき。

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なぜ光文社において総務部の重要度が高いのか。それは大労働争議を経験し、かつ「過激な活動をする組合」がその後も残っていたからである。業績が順調に推移するなか、会社を治める最大のポイントは労務管理にあった。したがって、第一組合と対峙する総務担当役員(あるいは総務部長)の力は必然的に上がっていく。
しかし、、、
見方を変えれば、その総務の力は第一組合の存在がなければあり得ないのである。

一方、第一組合の側に目を転じてみると、彼らは春闘(や秋闘)で過激な活動をすると、あとの期間は世のサラリーマンには考えられないぐらい、のんびりとした会社員生活を過ごし、しかも相当な給料をもらうことができる(改めて断っておけば、ものすごく働いてベストセラーを出している光労組の人も、もちろんいた)。
では、彼らはどのような組合活動をしているかというと、確かにストを打ったりビラを張ったり配ったりしているが、しかしその活動が実った結果、何がしかの成果が上がることはほとんどない。
なぜなら光文社には第二組合があり、そちらの方が圧倒的に人数が多く、こちらが会社と妥結してしまえば、その後にさらなる前進回答があることは絶対にないからだ。

私も所属していた第二組合は、(会社が良かった時代はだが)要求を出して一次、二次と回答が出てくるたびにボーナスについては少しずつ上乗せがあり、だいたい三次回答で妥結していた。
これに対して第一組合は「スケジュール団交だ」といつも批判していた。しかし、彼らも第二組合が妥結するとしばらくしてから妥結する。「会社側の回答は納得できないからあくまで闘う」ということは絶対になく、つまり彼らもまた見事なまでのスケジュール団交をしていたのであった。
もっとも、彼らの言い分では「いくら自分たちが頑張っても御用組合が妥結するからしかたがない」のであって、つまり自分たちの責任ではないということになる。
となると彼らが活動する理由は、突き詰めれば、自分たちは会社にとって手強い存在であるということをアピールするだけなのだ。

と、こうして見ていくと、一見、対立しているはずの総務と第一組合が、実は自らの既得権益を守るための運命共同体として存在していることに気づく。それは右辺と左辺が「=」でつながっている数式のごとく、完全に均衡した、まさにイコールパートナーなのだった。

ところが、この状況が2000年代の半ばあたりから変化してくる。
会社の経営状態が悪くなっていくとともに、これまで総務側の「辺」の中で安定係数として存在していた第二組合が、御用体質から脱皮して、次第に本来の労働組合の機能を取り戻し始めるのだ。

ここで少し自分の話をすると、私はもともと第二組合の中にあって、会社と協調した執行部が提案していくることについてはいつも「反対」していた。春闘や秋闘の妥結提案の職場集会で、他の人がみんな「賛成です。とくに意見はありません」というなか、私は何かひとくさり言わないと気がすまず、あげくの果てに「反対です」というようなことをいつもやっていた。もっともそこは執行部も心得たもので、「あの人はそういう人だから、、、」と割り切っていたし、第二組合の中にも少数ながらそういう人はいた。そして、どちらかというとそういうタイプは編集系に多かった。したがって、2002年の秋に編集から広告へ異動すると、そこでの私は完全に異質なタイプだった。
ところが次第に非編集部門の中にも意見を言う人たちが増えていく。
というのも、たとえば私のいた広告部においては、インターネット広告の伸びと反比例して雑誌広告が落ちていく様子を目の当たりにしているわけで、当然のごとく「大変なことが起きている」ということを日々、ヒシヒシと感じる。クライアントが雑誌広告の予算を減らし、その分をネットへシフトすれば、当然、自分たちの売り上げは減る。もはやかつてのような美味しい商売はあり得ない。とすれば自分の会社も改革していかなければならない。
そう思うのは当たり前の感覚なのだが、ところが経営者や現場の上層部にはその危機感がない。しかも売上げが落ちているはずなのに、なぜかあまり給料は落ちない(最後の方はドカンと落ちたが)。となると、これまでおとなしかった広告部の面々も「これはいくらなんでもおかしい、このままではいけない」と思うようになるわけで、必然的に組合でもいろいろな意見が出るようになる。そしてこの意見に対する会社の反応が鈍ければ鈍いほど、ますます組合で出てくる意見は先鋭化する。

では、この時に第一組合は何をしていたのか。
もちろん活動はしているのだが、そもそも高齢化している組織は定年によってどんどん人が減っていく。
そして、残った人たちの目標は、「しっかり退職金をもらって逃げ切ること」のみなのだ。そして、そういう人たちにとって会社とことを荒立たせるのは、もはや得策ではない。
結果、第二組合との団交の席上で会社側が「そんなことは第一組合も言わない」と言うほどに、会社に対する第一組合と第二組合の立場が逆転してしまったのであった。
先ほどの数式の例で言えば、第一組合は総務の辺に移項し、一方、会社側の辺の中にいた第二組合は反対側の辺に移項してしまったのである(しかもこの両辺はイコールではない)。

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思いがけず、グダグダと長文を書いてしまった。
この駄文をタイトルと結びつけると、要するに現在の政治状況、なかでも共産党の堕落ぶりを見ていると、私はかつて自分がいた会社の第一組合を思い出すのである。
かつて、あれだけ旧権力である与党・自民党を批判していた共産党が、いまや自民党と一緒になって、従来の既得権益をぶち壊そうとした小沢一郎を批判している。それは共産党が実は旧権力と運命共同体であったことの証明だろう。
しかも、ここへきて明らかになったのは、その旧権力と対峙して誕生したはずの民主党政権の現在の主流派もまた旧権力と運命共同体であったことだ。

であれば、、、
小沢一郎のグループは、彼らと反対側の辺へ行くべきではないかと私は思うのである。

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コメント

共産党や過激派(左右)の脅威を強調することで飯を食っている組織・連中も多いのではないでしょうか。

投稿: saheizi | 2010/11/17 10:19

「裏道」さんの、光文社闘争の報告でこの国の労働運動の内実が良く出ていると思います。そして、それが今に続く”左派(特に、共産)の堕落の実態が、スローガン(見せかけ)だけの<偽造された「革命(前衛)党の神話」に依りすがっているだけだから、どんどん”爺さん党”になってきてるようです。(党内中央批判派「さざなみ通信」で組織の内情が語られている)

この問題は、中央政治で「官僚体制打破、公務員改革」をしようとする時なおさら、重要省庁の労組を握ってるのは『国公労連』(共産系)ですからね。法務・検察・最高裁も組合は社民・民主系ではない、、、国民世論を誘導する新聞・メディア業界の労働団体『新聞労連』は朝日労組(共産系)が影響力持ってる、ということに注目して下さい。
何か光文社労組の問題と重なりませんか?!


投稿: 田村 秋生 | 2010/11/16 05:26

大林検事総長の麻布800坪の土地とか福井元日銀総裁夫人の都内数々の土地取得とかの話が
あります。

投稿: かけら | 2010/11/16 01:25

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