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2010/11/08

特別公務員職権濫用罪で最高検に告発された前田恒彦 ~ なぜメディアはこの事実を一切、報道しないのか?

前エントリーで元大阪地検特捜部の前田恒彦に対する告発状が受理されたと速報した。
この速報は時事通信の告発人代表への取材に基づいている。
その経緯についてはこちら
しかしその後、尖閣ビデオのYouTube流出が大ニュースになり、前田恒彦の告発状が受理されたというニュースはなく、時事通信もこれを配信をしていない。
また、主要メディアにはこの件に関するプレスリリースを送っているが、彼らは一切、黙殺している。
これは現在のマスメディアの状況を如実に表す大変に興味深い事例だと私は思う。

何よりも、、、
小沢一郎を刑事告発し、さらに不起訴処分になると検察審査会に審査を申し立てた「謎の市民団体」のことはあれだけ大々的に報道してきたメディアが(※1)、一転、この件では一社も漏れることなく無視を決め込んでいるところが面白い。
現状、前田恒彦が問われているのは証拠隠滅(2年以下の懲役又は20万円以下の罰金)というきわめて軽い罪である。にもかかわらず、この件が朝日新聞の「スクープ」により表沙汰になった時、メディアは「検察の信用は地に堕ちた」などと大々的に報道した。
しかし、私たちが告発した罪状は特別公務員職権濫用罪。以下にその条文を改めて記すと、、、

******
特別公務員職権濫用罪(刑法194条)
裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したときは、 6か月以上10年以下の懲役又は禁錮に処せられる。
******

刑の重さは証拠隠滅とは比べものにならない。
にもかかわらず、本当に一社として報道するメディアがないということは、普通に考えればこの件に関して記者クラブの縛りがあるか、もしくは最高検から「書いたら出入り禁止にする」などの強烈なプレッシャーがあるかのどちらかだろう。
つまり最高検としては前田恒彦については、どうしても「証拠隠滅」でケリをつけたかった(=矮小化したかった)。ところがその予定が大幅に狂ってしまう事態が発生した。もし、不起訴にしたとしても付審判請求があり、それでもダメなら、そう、あの検察審査会もあるのだ(笑)。
すべて自分たちの思い通りにいかなければ気がすまない官僚にとって(現在の菅政権に対する官僚どもの巻き返しはその象徴)、たとえ最終的に特別公務員職権濫用罪が適用されなかったとしても、これは我慢がならない事態だろう。

しかしですね、、、
そもそもちょっと考えれば前田恒彦を証拠隠滅罪のみに問うということはあり得ないんですね。
だって普通、証拠を隠滅するのは捕まえられる側である。ある人が罪に問われた時、この証拠があるとヤバい、罪が重くなる、、、ということで証拠となる書類やらデータやらを廃棄してしまう、これが証拠隠滅だ。
ところが今回の場合、捕まえた方が証拠隠滅をしたというのである。ではなぜ前田は証拠を隠滅(FDを改ざん)したか。それは改ざん前のFDがあると村木さんは無実になってしまうからだ。つまり前田は「こりゃいかん、このFDがあると無実だ」とわかっていたのである。

捕まえる方が証拠隠滅した
      ↓
自分が捕まえた人間は無実だとわかっていた
      ↓
職権濫用による逮捕、監禁

これはもう小学生でもわかる論理だ。
だって、出された宿題をきちんとやって提出した小学生に対して、教師がその宿題を廃棄、もしくは隠したうえで、「お前、宿題をやってないじゃないか」と怒鳴りちらしたら、これは証拠隠滅ではなくて暴力だ。
しかも村木事件の場合、前述の例でいえば、この教師の暴力を学年主任や教頭、校長も知っていたということだろう。であれば、普通は一教師だけでなく、その上の人たちも責任を問われなければならない。

ところが、こんな子供でもわかる論理をねじ曲げる検察に対して、証拠改ざんをスクープした朝日新聞でさえ、正面切って批判をしたりはしない。しかも、「それはおかしいではないか」ということで出てきた告発は一切無視。
とすると、朝日新聞の「スクープ」から前田恒彦の当日中の逮捕、証拠隠滅罪適用までの流れはすべて検察と朝日による予定調和、入念に練られたシナリオ、よくよく練り込まれたウドンであり、他のすべてのメディアもその予定調和に組み込まれていると言っていいだろう。
そうしたことが明らかになっただけでも、告発の第一段階は成功だったと私は思っている。

※1 謎の市民団体が検察審査会に審査を申し立て時のニュース

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コメント

「裏道」さんの言う通り、結果がどうあれ、<告発の第一段階は成功だった>と、僕も思います。八木さんと一緒に、ご苦労さんでした。
ともかく、”架空”?組織たる「検察審査会」なる超権力を作った法務官僚やその間接的協力者たる政治家や弁護士会(左派系=人権派が多いハズ。)の発言がこの件についてあるのでしょうか? 以前は「反・貧困」の旗を振っていた宇都宮健児(現会長)の応援をしていましたが、今の僕は昔仙石(旧社会)を応援してたと同様の”裏切られ感”で、権力に上り詰めた者の人間的哀れさを感じています。顔の表情が醜くなっています、仙石狸の。
ここに至って、大変な闘い?”政権交代にやっと足を突っ込めるか否か”の、と思っています。鳩山政権誕生時の、期待感はしぼみつつあり、止めをされるか否かです。無能政治家・千葉景子がまだ居るなんて最悪ですが、「検察審査会」の実体を暴いて下さい。可能なら、死をも厭わない「正義感」溢れた仙波敏郎元警察官の応援も求めて下さい。(僕は、いつか東京に来てもらって、≪「公僕と正義」について≫双方向討論できる場を作ってみたいと思っているくらいです。前の中井国家公安委員長にはメールで「仙波氏を警察庁に復帰させて」とお願いしたことがあります。)

※僕の、敬愛する仙波氏の発言です。
【101106仙波敏郎氏インタビュー】
http://www.ustream.tv/channel/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88-%E5%B2%A9%E4%B8%8A%E5%AE%89%E8%BA%AB%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8Bustream

投稿: 通称・勝手連 | 2010/11/08 23:13

お世話様です。
前田元検事の件、本当に見事にスルーされていますよね。どうやら大新聞様と大テレビ様は「強きを助け弱きを挫く」という報道姿勢になっている様で...。

・田中康夫ちゃんのブログ大炎上
既に拝見したかもしれませんが、例の中国漁船の件の発言で康夫ちゃんのブログが大炎上していますが、恐らく国会答弁の発言に対しての事でしょうが、康夫ちゃんはちゃんと日刊ゲンダイの「にっぽん改国」に、この様に書いていますよ。
それがこれです。一部抜粋しますが、一人でも多くの方に読んで欲しいです。

「既に9月30日の予算委員会でも指摘した様に、領海侵犯や違法操業、入管法違反という毅然たる「王道」でなく、公務執行妨害という「覇道」で逮捕の意気地なき判断ミスを前原氏が下したのが、その後の迷走の原因。
まっ、斯(か)くなる”お子ちゃま大臣”を糾(ただ)した所で詮方ないので話を先に進めれば、反政府デモが禁じられている鬱憤(うっぷん)を、反日デモの形で発散している可哀相な存在が中国国民。それと同じ土俵で日本も激高した所で問題は解決しません。
貪欲に国益を追求するナショナリズムの大国が中国。が、アメリカとて同じく、貪欲に国益を追求するデモクラシーの大国なのです。国家とは本来、国益を追求してこそナンボの存在。とするなら、こちらが成熟した国家として、笑顔で握手しながら机の下では”急所”を握る、大人の外交戦略を打ち立てるべき」

全く同感です。それに前原外相は康夫ちゃん曰く「「見れば一目瞭然」と前原誠司外務大臣が、海上保安庁を所管する国土交通大臣時代に豪語していたヴィデオ」の発言をしてなぜ全国民に映像を公開しなかったのだろうか。映像流出は公開ではなく立派な危機管理体制の甘さであり、国民に映像公開しなかった現政権の責任の重大性はもちろんの事、映像を流出させた人間がいた事を問題視すべきだと思います。(これに対して英雄視しているコメントもあるようですが)情報管理がしっかりしている国家ならこんな事はありえない事です。知る権利は国民が国に対して請求するべきで、テロの情報流出やパソコンの共有ファイルによる流出を見れば「情報」という武器に対する扱いがずさん過ぎます。

それと、何だか前原外相と思考回路が似ている大阪府知事の橋下クンが中国に行く前と帰国後の発言が思いっきり変わっていて、相変わらずぶれまくりなのが分かります。ちなみに産経新聞の配信記事がこれです。


「厳しい状況だが切れない関係」上海から帰国の橋下知事

産経新聞 11月1日(月)23時42分配信
 上海万博の閉幕行事への出席のため訪中していた大阪府の橋下徹知事は1日午後、関西国際空港に到着。日中関係について「厳しい状況にあるが、民間や経済レベルでのつながりが必要だというメッセージを示すことができた」と成果を強調し、「日中間は切れない関係であることを確認できた」と述べた。

 今回の訪中をめぐっては、いったん招待取り消しを伝えた中国側がその後一転して再招待するという経緯もあり、報道陣からは「政治的に利用されたのではないか」という質問も上がったが、橋下知事は「利用するならしてもらっていい。一番良くないのは計算外になることだが、今回は僕の意図通りだった」と話した。

相変わらず自分のブレを反省していません。

以前にも書きましたが、「アメリカは中国に甘く」そして自国の経済を一番潤してくれる国を真のパートナーと認めます。人民元の切り上げを表向きには声高に主張していますが、これもあくまでパフォーマンスに過ぎません。そう遠くないうちにアメリカが中国の属国になる可能性の方が大でしょう。なぜ今まで「日米同盟」と言いながら北方領土も竹島も尖閣諸島も現状のままのなのか。日本の領土でありながら実行支配されていてるのに、何が安全保障なのだろうか。真に必要なのは、新党大地の鈴木宗男氏や佐藤優氏の様な「粘り強い外交能力」です。

投稿: 阿部 裕 | 2010/11/08 21:23

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