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2010/11/19

柳田失言騒動に対する違和感の正体

柳田なる法務大臣が自らの失言がきっかけで大バッシングを浴びている。
今のところ本人は辞意を否定しているようだが、与党内からも更迭論が出ているようなので、そう遠くない時期に辞任することになるのだろう。

さて、私はこの人物の失言を擁護する気は毛頭ない。
ただ一つ、大きな違和感があるのは、この法相が立ち上げた「検察のあり方検討会議」がスタートしたとたん、この騒ぎが勃発したことだ。

そもそも、第二次菅内閣の組閣時から、柳田は法相としての適格性が疑われていた。
ま、これまで法務大臣というのは、どちらかといえば伴食系のポストであったから、平時であれば柳田程度で十分だっただろう。ところが、現在の法務省というのは平時ではない。そういう時の大臣としてはいかんせん器に非ずであったことは否めない(もっとも弁護士資格を持ち、死刑制度反対論者だった前任者にしてからがあの程度ではあったのだが)。

しかし、この柳田がとにかもくにも「検察のあり方検討会議」を立ち上げたこともまた事実である。しかも、そのメンバーには郷原信郎や江川紹子という、法務省にとっては好ましからざる顔触れも含まれていた。
おそらく、法務行政に精通していた大臣が人選をしたら、この二人は選ばれなかっただろう。
つまりこれは素人だからできた人選であり、しかも結果的に珍しく期待ができそうな雰囲気が漂っていた。

では、ここで柳田が更迭された場合、「検察のあり方検討会議」はどうなるのか?
それは次の法務大臣の手に委ねられるわけで、現状、その行方についてはまったくわからない。
ただ、この騒動のお陰で当面、会議どころではないということにはなるだろう。
となれば一番喜ぶのは誰か? いうまでもなく検察である。
自分たちの意に沿わない人間が紛れ込んだ検討会議の開催を、とりあえずは先延ばしにするぐらいのことはできるだろう。その間に新たに就任する法務大臣に対して、巻き返すことも可能かもしれない。
法務行政に素人だった柳田が更迭された場合、おそらく次の大臣は弁護士資格を持つなど、多少なりとも法務知識を持つ人物が就任するだろう。であれば、かえって法務官僚としては取り込みやすい可能性はある。それは千葉景子の例を見れば明らかだ。
ということで、当面、私は次の法務大臣の人選と「検察のあり方検討会議」の行方を注視する必要があると思う。

それにしても、、、

野党の連中は柳田に「二つの答弁」を繰り返されていた時には、それを何も言わずにスルーしていたくせに、「そういう答弁をしてりゃあいいんですよ」と言われた途端に怒り出すのもアホな話である(※)。

※参考ブログ
・世に噛む日々
「議員の劣化」は、「国会の劣化」であり、それはそのまま、「ニッポンの劣化」につながるのだ。

これって、さんざんバカにされていたことに気がつかなかった人間が、「あんたたちバカだね」と言われたとたんに「そうか、オレたちバカにされてたんだ」と気がついて怒り出すようなものなんじゃないのかね?

そうしてもう一つ。
柳田に「こういう答弁をしていればいいいんですよ」と教えたのは、間違いなく官僚だろう。青天の霹靂で法務大臣になった人物が、自分で「こうやって答弁すれば乗り切れるナ」と考えつくことはあり得ない。
つまり、柳田は官僚の振り付け通りに答弁していただけなのである。
とすると、この失言もどこかで官僚が柳田に振り付けたのではないか?
そんな疑問を持つ私は、自分では陰謀論者ではないと思っているのだが。

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コメント

でくの坊と申します
いつもブログを拝見させて頂いています

ラターシュさんの今日のブログに以下の記事がありました
もうお読みになったかもしれませんが、お話がリンクしていたのでコメントに貼り付けさせて下さい

http://latache1992.blog56.fc2.com/blog-entry-366.html
転載開始
当初、グルメブログにおいて・・
菅内閣では唯一の期待できるかた・・とご紹介した、
柳田にニ言ある!
でお馴染みの (笑)
柳田センセイ。

仲間内の会合で・・ついつい気が緩んじゃったのと、
多少のサービス精神もあったのでしょう。
言ってることはまったく間違ってません。
むしろ、過去の自民政権では・・
当たり前のハナシです。

計算違いがあったとすれば・・・
言ったその場に・・NHK広島支局のカメラがあったってことです。
映像を見た編集幹部は、すぐさま地元選出の自民党議員に連絡をしました。
この議員も当初・・自分の頃は当たり前のハナシだったので、
大した攻撃材料にはならない・・と、踏んでました。
しかし・・
国会でこれを聞いた、葬る官僚の見立ては異なっていました。
「これは使える!! オレたち葬る官僚の地位を脅かす・・大臣直属の・・検察改革の検証委員会などを作った柳田は、けしからん! 柳田を葬り去って・・作ったばかりの諮問機関 検証委員会を早速潰すには、これしかない!」
恐るべき・・霞ヶ関官僚の謀略です。

折角・・
20年近い議員生活の間、法務関係の議員活動には1回も触れたことはない・・
と言う、まったくしがらみのない (笑) 大臣だったのに・・・。
そして、
この顔ぶれの内閣では唯一、
良い仕事をしそうな匂いのする・・
大臣だったのに・・・。
その椅子は、風前の灯火です。 (苦笑)
会期末までには、辞任の見通しです。

折角、作った検証委員会も・・
葬る官僚のお眼鏡に適った・・
神奈川あたりで選挙やってる・・あのかた・・・(苦笑)
新放務大臣のもとで、
もう委員会・・と相成ることでしょう。 (苦笑)
転載終了


投稿: でくの坊Dek | 2010/11/20 05:01

僕も全く、同じです。
「検察のあり方検討会議」がどうなってゆくのか、こっちの方が心配です。仙波元警官にしてから、小沢無き「民主党政権」にそれほど期待してないようだけど、それでもこういう見直し・検討の動きを評価してると思います。
「裏道」さんが言うように、<素人だからできた人選>であり、<法務行政に精通していた大臣が人選をしたら、この二人は選ばれなかった>でしょう。僕には、千葉景子より”ズッとマシ”だし、<柳田は官僚の振り付け通りに答弁>し、<失言もどこかで官僚>に振り付けられてしまうほどのアホ政治家ではあるけれど、期待を全く裏切った千葉の方を許せないから、また「検討会議」の座長か何かで出てきたから、それほど(仙波氏と同様)期待はしてなかった(江川女史と郷原氏だけでは)のですが・・・。
ともかく、誰が次の法務大臣になるか、ですね。

投稿: 通称・勝手連 | 2010/11/19 14:12

まったく同意です。
国会は茶番劇場なんでしょうか。

「検察のあり方検討会議」がはじまったとたんに大騒ぎというのも、なるほど!ですね。ぼくも陰謀論には与したくありませんが、そう疑われても仕方ないような…

投稿: 山やま | 2010/11/19 13:11

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柳田稔法相が、自身の支援会にて、答弁には「個別の事案については答えを差し控える」と「法と証拠に基づいて適切にやっている」の2つを覚えておけば十分だと発言したことで、政局に一気に火がついた。 国会軽視だと批判されて、辞任必至、場合によってはあれやこれや含めて内閣総辞職に至り兼ねない形勢のようである。 いくら穴埋め人事だと言っても、起訴便宜主義の意味も答えられないような素人に法相を任せたのは法律家とし... [続きを読む]

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