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2010/10/08

週刊文春が明快に書いた検察&メディアの意図

週刊文春と週刊新潮という媒体は自民党政権時代から、権力の意図する「空気」を巧みに醸成して煽る役割を担ってきた。
週刊誌は記者クラブメディアではないから、新聞、テレビでは報じられないスクープを放つ時があると思っている人も多いだろう。たしかにそういう側面もなくはない。
しかし、一方で週刊誌の記者の有力なネタ元は結局のところ記者クラブメディアの面々や有力議員の秘書である。したがって、権力の意図する方向へ世論を持っていくための「空気」を増幅して煽りたい時、あるいは敵対政党や勢力の動きを止めるためにスキャンダルを流したい時には週刊誌が使われることになる。
実際、私はかつて与党議員の秘書が「あの雑誌のコラムのネタ元はだいたいオレ。〇〇(自分の名前)ページだね」といったのを聞いたことがある。

そんな媒体である週刊文春の今週号を図書館で見た。
活版ページのトップは『小沢一郎「消滅」』という記事である。中身を読んでみると、検察審議会の議決に関する郷原信郎の指摘さえ読んでいれば、すぐにデタラメの羅列であることがわかるといったレベルである。したがって読む価値はないのだが、ただこの記事の結びは興味深かった。なぜなら、そこに検察&メディア、あるいは霞が関権力の意図が明快に書いてあったからだ。以下、その部分。

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 三人の元秘書は、九月二十四日の公判前整理手続きで無罪を主張すると表明した。検察と全面対決することとなり、公判の長期化は避けられない。
 小沢氏の裁判は、元秘書の公判とは別に、今後、裁判所が検察官役を果たす弁護士を選任することから始められる。当然のことながら、元秘書の裁判内容が小沢氏の公判にも影響を与えることになる。
 つまり、小沢氏が「刑事被告人」である期間は予想以上に長くなることもありうるのだ。それが長期化すればするほど、小沢氏の政治生命の火は消えて行くばかりなのである。
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私はこれを読んで「やっぱりな」と思った。つまり、検察審議会の議決内容の正統性などどうでもいいのである。要は長期間にわたって小沢一郎を「刑事被告人」という立場に縛り付けることで、その政治生命を終わらせることが最大の目的なのだ。将来、小沢に無罪判決が出る可能性が高い。というよりも、無罪判決以外に出ようがない。だが、そんなことは彼らの知ったことではない。その時までに小沢の政治生命が終わっていればいいのであって、たとえその時点でメディアに対する責任論が出たとしても、みんながやっていたことなのだから個別の責任など追及されようもない。
だから朝日新聞も平気でこのような社説を書く。

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小沢氏のけじめ―民主党はこれでいいのか
 菅直人首相と民主党は小沢一郎元代表に対し、政治的なけじめを強く求めなければならない。証人喚問に応じるなど国会での説明を促し、離党勧告か除名をする。最低限、それが必要だ。
 小沢氏はきのう「政治活動は淡々と続ける」と述べ、離党も議員辞職もしないことを明言した。真相解明は「司法の場に移っている」とし、国会での説明にも前向きと言えなかった。
 検察審査会の議決で強制起訴は決まったが、公判の行方は予断を許さない。しかしながら小沢氏には、自らの政治資金をめぐる問題で元秘書ら3人が逮捕・起訴された時点で、すでに極めて重い政治的な責任が生じている。
 鳩山由紀夫前首相とともにダブル辞任に追い込まれたのに、わずか3カ月後に党代表選に立ち、多くの国民を驚かせもした。一連の政治行動に、選良としての節度を見ることはできない。
 有権者の期待を裏切らず、歴史的な政権交代の意義をこれ以上傷つけないためにも、強制起訴決定の機会に議員辞職を決断すべきだった。
 今後、法廷で闘うということだが、そのかたわら国会議員の重責を果たせるとは到底考えられない。
 民主党ではこれまで、疑惑を持たれた国会議員の多くが、自発的に離党したり、除名処分を受けたりしてきた。小沢氏が自らけじめをつけないというなら、これから厳しく問われるのは菅首相と民主党の対応である。
 菅首相は「議員の強制起訴は初めてであることも踏まえ、岡田克也幹事長が検討している」と、小沢氏の処分の判断を党に丸投げした。小沢氏の証人喚問についても、「国会で議論し、決定すべきもの」「本人が判断するのが望ましい」と繰り返している。
 小沢氏は先の代表選で党所属国会議員の半数近い支持を得た。ここで窮地に追いつめれば、党内に亀裂が走り、政権基盤が揺らぎかねないと恐れているのかもしれない。
 しかし、首相は「クリーンな政治」を掲げて再選を果たしたのではなかったか。今のような対応を続けるなら、民意は離れ、ねじれ国会を乗り切ることもおぼつかなくなるに違いない。
 何より懸念されるのは、与野党の対立が激化し、臨時国会で国民生活にかかわる政策論争や法案審議が滞ることだ。参院選後、国会のねじれを契機に、議論を通じた合意形成を重んじる「熟議の国会」を目指す機運もうかがえただけに、そんな展開は避けたい。
 そのためにも、菅首相と民主党は小沢氏のけじめの問題に、できるだけ早く結論を出す必要がある。
 野党も小沢氏喚問を国会の駆け引きの道具にしてはいけない。政治とカネの問題は必要があれば、法案審議と切り離して、別の舞台で徹底的に議論すればいい。
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これは小沢一郎の言うがごとくまさしく権力闘争だ。したがって小沢が辞任をする必要はまったくない。

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コメント

僕もすでに他の掲示板に書いてますが、今回の”強制起訴”の意図は、全くこのことだけに尽きるのです。<つまり、検察審議会の議決内容の正統性などどうでもいいのである。要は長期間にわたって小沢一郎を「刑事被告人」という立場に縛り付けることで、その政治生命を終わらせることが最大の目的なのだ。>
あとは、どうこの”攻撃”に我々は対峙するか、できるか?!だけです。
それで僕なりには、先ずは既に”戦闘?”が始まってる名古屋の≪河村・庶民革命≫から、反撃し、地方から中央へと、流れを変えたらと思うのです。

投稿: 田村 秋生 | 2010/10/08 11:16

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