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2010/01/16

霞が関独裁の崩壊

昨日の民主党・石川知裕議員と池田光智氏の逮捕、及び大久保隆規氏の再逮捕について、個人的感想を以下に述べる。

まず、これは当ブログではもう何回も述べてきたことの繰り返しになり恐縮だが、日本は民主主義国家ではない。民主主義を装った世界でも最高度に洗練された独裁国家である。したがって、今回の検察の行動を「民主主義国家とは思えない」と批判するのは的外れで、「いよいよ独裁の正体を現した」と見るべきである。
つまり明治以降、第二次世界大戦前も後も、基本的にこの国の権力者は変わることなく霞が関の官僚なのだ。
しかも、第二次世界大戦で敗戦という結果を招いてしまった官僚は、この失敗から学び、戦後、民主主義という仮面をかぶった独裁という、より高度な手法を手に入れした。そのポイントとなるのが司法とメディアである。
以下は昨年4月1日のエントリーに引用した文章であるが、再掲する。

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「われわれは印象社会とでも呼ぶべき牢格子=島国のなかに囲い込まれているが、その印象の表面をあくまで印象としてかき回す、いわば記号操作こそが、最高度に達した権力の手法にほかならないのである。」
「マスコミと裁判所は権力の手法の二大武器だ。そして、それらはみごとに重なっている。」
(1989年7月31日初版 岡庭昇著 『この情報はこう読め』より)
******

こうして霞が関は、自らの権力を脅かす危険人物が登場すると、司法とメディアを駆使して徹底的に叩き潰してきた。
ところが、その霞が関にとって難敵が登場する。それが言わずと知れた小沢一郎であり、そして鳩山由紀夫である。
とくに小沢一郎は、かつて権力の内側にいただけに、この国の成り立ちを熟知している。その人物が、この国の独裁権力の行き詰まりを見抜いて、権力のありようを根本からひっくり返すべく再登場してきた。
しかも霞が関の権力維持装置であった自民党のポンコツ化に伴って、小沢一郎が選挙という民主主義の手続きを経て、内閣総理大臣の座に就くことが確実視され始める。これまで総理大臣などというものは、所詮、いかようにでもコントロールできる存在であったが、小沢一郎が就任すれば話は違う。
そこで、小沢を失脚させるために打って出たのが昨年の大久保秘書逮捕だ。この検察と小沢の対決は結果的に小沢の民主党代表辞任で終わったが、しかしこれは別に小沢の負けを意味するものではなかった。なぜなら小沢と同じ方向性を持つ鳩山由紀夫が代表に就任し、小沢自身も選挙対策という枢要なポジションを手に入れたからだ。
そして総選挙が行われ、独裁権力にとって悪夢である政権交代が起こった。もちろん、この政権の中にもウイルスは仕込んであるが、しかし全体としては自民党政権とはまったく性質を異にする、霞が関のコントロールがきかない政権が出来上がってしまった。しかも与党の幹事長には小沢一郎が就任。権力闘争の第一幕は鳩山・小沢の勝利に終わった。

しかし、長年にわたって権力をほしいままにしてきた霞が関が、ここで引っ込むはずもなく第二幕が始まる。
まずはメディアを使って連立政権に対する徹底的なネガティブキャンペーを展開した。曰く、民主党政権では日米関係が決定的に悪化する、株価は下がりさらに景気は悪くなる、中国要人の天皇陛下との会見はルール違反の政治利用だ、、、などなど。
しかし、そのいずれもがすぐにウソだとバレてしまう。アメリカは怒っていないし、株価も下がるどころか上がり、中国要人との会見については、そもそも中曽根康弘が動いていたことも明らかになる。
しかも、この一年間の大騒動の中でメディアリテラシーを鍛えられた国民は、どんなにメディアが大騒ぎをしても冷静に事態を分析している。結果、これだけネガキャンをしても内閣の支持率は思ったように下がらない。
そうこうしているうちに、第一幕で小沢一郎を代表辞任に追い込んだ大久保秘書の裁判が始まったが、この公判の雲行きが怪しくなってきた。ま、これは当たり前の話で、もともと無理筋の話をでっち上げただけだったのだ。
しかし、これが検察の敗北に終わってしまえば、いよいよもって霞が関は権力の座から滑り落ちる。となれば長年の既得権益は剥奪され、さまざまな不正も白日のもとにさらされることになるだろう。
そこで最後の大勝負に打って出たのが、今回の逮捕劇だと思う。
本日の民主党大会では、小沢は幹事長の続投を表明し、鳩山総理は 「私も小沢幹事長を信じています。どうぞ戦ってください」と言ってそれを了承したという。
当たり前の話であるし、それで何の問題もない。
いよいよもってこの国を独裁支配していた連中が仮面を捨てて素顔をさらし、国民の選んだ政権に対して戦いを挑んできたのだから、政権側はこの敵と対峙して鎮圧しなければならない。
そしておそらくそれは成功するだろう。
その勝利の瞬間が真の意味で政権交代完了の時であって、新しい時代の始まりとなる。

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コメント

 彼ら(検察)の自信は、自分たちが資格試験に通った者だということでしょう。本当のエリート(選ばれた者)ではない。彼らの発想は、資格試験を通ったものだけがこの国を指導すべきだということ。危険な戦前の発想だ。こうした古い人間は舞台から早く退場してもらいたい。

投稿: クセルクセス | 2010/01/17 16:57

さすがに逮捕の報にはおどろきました。
けれどそれは、果たして追いつめられたのはどちらだろうかというおどろきです。

そしてご指摘されているように、この国の「権力」の在処がどのようなものなのかを、深く考えさせられました。

杞憂に過ぎないでしょうけれど、今回ばかりは逮捕されたことにより、むしろみなさまの身の安全が気になるところです。

石川代議士ならびに逮捕されたみなさまを心より応援いたします。

投稿: yoak | 2010/01/16 21:08

本日、TBSラジオ土曜午後九時半からの「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」は宇多丸氏ポリープ休養中のため、秀逸なる「小沢一郎・マイケルジャクソンほぼ同一人物説」を提唱した西寺郷太(政治オタクにしてミュージシャン)が代役を務め、ゲストに国会担当、武田一顕を迎えるそうです。当然、武田記者の党大会のレポートもあると思います。楽しみです。

それにしても、今朝の堀尾正明の番組での「大宅映子の辛口コラム」は酷かった・・・

例の○×方式でコメンテーターを仕分けしていきませんか?


投稿: kumagayapiano | 2010/01/16 20:57

はじめまして、私も国民は日本の民主主義について見直すべき時だと感じます。

虚偽記載はいけないことですが
それでもそれだけで逮捕?

ホントに悪いことしてる連中は
ほっといて?

石川さんは誰が見ても人相悪くないし
検察は何やってるんでしょう。

投稿: たか | 2010/01/16 18:16

結局石川議員も在宅起訴で終わるのでしょうか?

個人的には検察のやろうとしていることも理解は出来るけど・・何も出てこないんじゃないの?とおもってます

大体家に4億円くらい金庫に入れておいてはいけないんですかね(笑)
アノ4億とこの4億がどう違うか・・一枚一枚サインしてないから見分けはつかないよ~

ただ石川さんは逮捕されてかえってよかったかな?まさか自殺はしないよな・・とは思っていたけど身柄が確保されてこの方が安心できます・・

投稿: 大和は国のまほろば・ | 2010/01/16 16:17

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