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February 14, 2008

日本郵政社長が西川善文という不幸

昨日から日経で「点検 日本郵政」という連載が始まった。その「上」を読むと、2008年用の年賀ハガキは36億枚販売されたが実際に差し出されたのは29億枚だったという。JP労組によればこの差の多くは局員が自己負担で買った
「自爆営業」だったとか。社員には1人平均1万枚の販売目標が課されたが、これは実質的なノルマで、それを達成できない局員が自分で購入して金券ショップに持ち込んだりネットに出したりして売ったとういことらしい。

そもそも日本郵政の社長である西川善文はこの2008年の年賀ハガキを「民営化の試金石」と位置づけて、発行枚数を前年実績比で2億枚増やしたとのこと。そうして前年の2倍の宣伝費を投じた結果がこれだったわけだ。

アホな話である。
メールがこれだけ普及したいま、年賀状の発行枚数が右肩下がりになることは小学生でもわかる話だ。
そもそも小学生はもはや年賀状など書かない。というか書くことができないのである。なぜかというと友だちといえども住所がわからないからだ。いわゆる緊急連絡網にしても電話番号が書いてあるだけ。ま、これは個人情報保護の観点から見れば仕方がないことだが(なにしろ担任の住所すらわからない)、その結果、子どもが年賀状を書かなくなっていることは確実で、そういう子どもたちが成長していけば、携帯の普及と相まって今後ますます年賀状というものの発行枚数は少なくなっていくだろう(最近はさらに携帯のデコレーションメールの普及もこの流れに追い打ちをかけているようである)。

にもかかわらず年賀状を民営化の試金石に位置づけるなどというのは世の中の変化が理解できていない証拠で、こういう人物がトップにいるというのは日本郵政の社員のみならず国民的に不幸だといえる。
なにしろ西川というのは、まだ日本経済が右肩上がりの時代の成功者であって、しかも住友銀行のなかでトップにまで上り詰めたのだから、徹底的な合理主義、ノルマ主義の信奉者であろう。
この類の人物にとって、社会的なインフラ、セーフティネットとしての郵便局などという考え方はムダ以外の何ものでもなく、およそ理解の範疇の外にある。儲からない分野、地域は切り捨てる一方で、儲かる分野ではスケールメリットを生かした商売で富の集中を呼び込み、結果として民営化は大成功だったとアピールする。これはJRの民営化とまったく同じパターンであるが、その行き着く先が今日の格差をますます増長させ、社会の歪みを増大させることは間違いない。

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