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2008/01/18

広告で雑誌のお里が知れる?

またぞろ偽装である。今回は古紙再生紙。再生紙における古紙の配合率が偽装されていたという。
そもそも古紙再生紙を使うというのは、環境意識が高いことのアピールなわけで、企業によっては古紙再生紙を名刺に利用しているところも多い。
ところが結果的に利用者の意識とは裏腹にこれがまったく見当違いな行為であったわけで、このようなイメージの部分の信用を偽装によって失墜させてしまった製紙会社各社は食品偽装をしていた会社とは別の意味で罪が重い。
企業にしても、あるいは一つの商品にしても、ブランドイメージの構築こそは最重要ポイントであり、その部分が傷つくのは一大事なのである。

ソトコトという雑誌を初めて購入した。
浅田彰と田中康夫の「憂国呆談」がソトコトで再開されていたからだ。
この2人の対談はいくつかの雑誌を渡り歩いてきた。私はNAVIに連載されていた時に読み始めたが、以来、欠かさず愛読しており、ソトコトに来る前は週刊ダイヤモンドで月イチで掲載されていた(この時には誌面に掲載されていない分もweb上で読むことができた)。
その対談がソトコトで復活したわけである(ちなみに私が読んだのは復活2回目)。

初めて手に取ったソトコトという雑誌は環境、エコロジー、スローライフにテーマを絞っており、グラフィックもきれいである。なかなかイメージのいい雑誌で、広告的にも表2見開きがソニー、表4がANAとなかなかのものだ。
こういう雑誌であるからクライアントソースは限られるだろうが、うまくセールスをすれば出広へ結びついていくと思われる。

なんていうことを思いながら誌面を見ていたら後半に東京電力の広告が入っていた。内容はオール電化住宅である。

雑誌の広告には純広告とタイアップ広告がある。純広とはクライアント側が自分で原稿をつくり雑誌に掲載するものだ。純広はなにしろ自社でつくるわけだから自社で宣伝したいことをすべて表現できるメリットがある。が、一方で誰が見ても広告という体裁なので読者はその部分をスキップしてしまう可能性も高い。
テレビでいえばCMの時間にチャンネルをかえるのと同じことである。
一方、編集タイアップというのは、その雑誌のテーストにあわせるため、原稿制作を媒体社側に依頼する。もちろん事前に打ち合わせをしてクライアントは希望を出すが、一方で純広告よりも表現に制約が入る場合が多い。
ただ、それでも近年の雑誌広告においてはタイアップ志向が強くなっている。
それは読み飛ばしを防ぐためで、ほとんどの雑誌にはこのタイアップ広告が入っている(なかには広告なのか編集記事なのか区別が難しいものも多い)。

ソトコトに入っていた東京電力の広告もタイアップ形式で、誌面のテーストに非常になじんでいて他の編集誌面から違和感なくこのページに入っていくことができる作りである。
東京電力からすれば、この手の雑誌への出広というのは願ったりかなったりで、単に読者へのオール電化住宅のセールス以上に、イメージアップという部分で効果があるだろう。たとえばショールームにこの雑誌を飾れば、来店者は「ふーん、ソトコトに出てるのか、オール電化って環境にいいんだナ」と思うわけである。

ここで私が知りたいのは、編集部にとって東京電力というクライアントはぜんぜんOKだったのか、それとも少しは悩んだのかということだ。
少なくともこれだけ環境、エコロジーを重視した媒体に、オール電化住宅のタイアップ広告を掲載するというのは、私に言わせればそれだけで「この雑誌の環境意識なんて所詮そのレベルのものかよ」ということになる。「な~んだ」ということですね。
ちなみにオール電化住宅についての私の考え方はこれ

雑誌広告においては、まずは営業が代理店やクライアントを回ってセールスし、脈がありそうであれば料金や掲載方法をつめていく。広告営業的には東京電力というのは筋のいい会社であるから、広告が取れればうれしいだろう。ただしお金をくれれば何でもいいというわけにはいかないわけで、あまりにも雑誌のコンセプトとかけ離れた出広についてはとくに編集長の了解をしっかり取らなければいけない。

たとえば、もしソトコトにマクドナルドが広告を出したいと言ってきたらどうだろうか。多分、タイアップでも純広でも断るだろう。それでもあきらめなかったマクドナルドは「マクドナルドのハンバーガーやポテトは100%安全です。気軽に安く食べられるスローフードです」というような広告をつくってきて「この原稿でどうでしょう?」と言ってきた。が、それでもやっぱり断るだろう(と思うが、、、)。

と、まあそういう手続きを踏んだ上でオール電化住宅のタイアップが掲載されているのであれば、私の目にはやっぱり「なんだかな、、、」と映る。しかもその数ページあとには電事連の見開き広告も掲載されてるんですね-核燃料リサイクルはクリーンエネルギーとゆーやつ(^_^;)。

もちろんのこと、そして当たり前のこと、お金儲けは大切で、許容範囲内であればそれを優先させてもいいと思う。東京電力や電事連はしっかりとお金を払ってくれる、その意味で優良クライアントでもある。
だけど、、、
「ソトコト」のようなコンセプトの雑誌がそれでいいの?とも思う。
このケースで「お金が欲しい、だけどこの内容では、、、」というのならば、せめてオール電化は純広のみOK、電事連は断るぐらいの判断が必要だったと個人的には思う。
ま、もちろんあくまで広告も含めた編集方針が首尾一貫しているのならばという話であるが。

もう一つの疑問。
ソトコトと関係の深いらしい坂本龍一さんはこういう広告をどう思うんでしょうかね?

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