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2007/07/04

突きつめれば人事

元長銀執行役員の箭内昇氏が書いた「メガバンクの誤算」という本がある。刊行当時、非常に興味深く読んだ一冊なのだが、この本の最終章(だったと思う)の章タイトルはいまでも印象に残っており、ことあるごとに思い出す。
そのタイトルとは「突きつめれば人事」。

およそ世の中のありとあらゆる組織、会社から団体、スポーツのチーム、地域のコミュニティにいたるまで、その組織がうまくいっているかいっていないか、結果を出しているかいないかを突きつめていくと、最終的には人事に行き当たる。つまり人事のうまい組織は結果を出し、ダメな組織は悪循環に陥るわけで、その意味で「突きつめれば人事」というのはまさに卓見である。
ま、これは考えてみれば当たり前のことで、ある組織で独裁的な権力を持っている人物がいる場合、その権力の源は人事権だ。たとえある会社の社長がワンマンでも、その会社自体の業績が上がっているのであれば、権力者による人事権が機能的に行使されているということであり、スズキ自動車などはその典型だろう。
一方、ダメな組織というのは人事権を持っている人物のセンスが悪いということに尽きる。よくあるパターンはワンマンな人間が、能力を度外視して自分に対してゴマをすってくる、いわゆる茶坊主だけをとりたてていくケースだ。
カルロス・ゴーンが日産に入ってきたときに社員に話を聞く機会があったのだが、そのときに印象的だったのは「これまで能力はあるのに人間関係に問題があった(ゴマをすれなかった)人が普通に出世するようになった」という言葉である。話を聞いた社員は、これを見たときに「ひょっとするとうちの会社は立ち直るかもしれないな」と思ったという。

初代防衛省大臣とやらが辞任をした。しばらく前に「イラク開戦は誤りだった」と珍しく真っ当な意見を吐いていたと思ったら(もっともそのことで袋だたきにあったが)、今度はいきなり「原爆投下は戦争終結のためにししょうがなかった」ときたものである。このぐらいのことをいう議員自体は自民にも民主にもゴロゴロいるのかもしれない。しかし何よりも驚いたのは、この人物が長崎県選出であったということだ。防衛大臣だった云々はこの際二の次である。たとえ自民党といえども広島と並ぶ被爆県である長崎から選出された人物がこのようなことを平然と言う場面を目前にしては、もはや怒りを通り越して呆れるしかない。
ま、辞任の会見を見ていると、単純に“壊れた”人間という印象しか受けない。そして当初、この“壊れた”人間を任命したアベシンゾーも同じレベルで壊れている。
問題はこの壊れた人物が日本の最高権力者(=内閣の人事権者)であるという事実だ。人事がダメな組織は必ず廃れる。大変困ったことに、この場合の組織というのは「国」そのものである。

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