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2007/03/20

予定調和国家

遅ればせながら先週月曜日に放送された田中康夫出演のアクセスを聴いた。
 今回のテーマは「公務員の天下りあっせん禁止に賛成か反対か」。ま、こう問いかけられればほとんどの人は賛成で、実際のところ登場したリスナーのほとんどが賛成であった。
 そんななかである警備会社に勤めている人からの電話の内容が興味深かった。

 この人が以前に勤めていた警備会社はある時期から自衛隊の天下り先になったという。最初は幹部が会社に入って来たが、その後、自衛隊を退職した一般の若い隊員までもが面接もなしにどんどん入ってきたそうだ。ところがこうした連中は概して役に立たない上に口の利き方も知らず態度だけは大きくて使いものにならないという。もちろん、なかには自衛隊を退職後、自分で職を探してやって来る人もいて、この人たちはやる気もあるし職場に慣れようとする。しかしいわゆるコネ入社組は民間としての常識がない。そしてこういう警備会社は他にもあって、警察OBを積極的に受け入れる会社もあるという。
 ところで、いま日本社会では治安の悪化が叫ばれている。実際、犯罪捜査における検挙率は驚くほど下がっているというニュースもしばしば耳にする。いまや新築のマンションのセールストークにおいてセキュリティは重要なポイントであるし、一戸建てにおいても警備会社と契約している世帯をしばしば目にする。もはや安全とはカネで買う時代なのである。
 こういう社会状況に対して警察は何をしているのか。もちろんそれを問えば「一生懸命にやっている」と答えるだろう。しかし警察という組織のことのみを考えれば、実は治安は悪い方がいい(良くする必要はない)とも言える。なんとなれば、それは民間の警備会社の需要が増えることであり、したがってより多くのOBの天下り先を確保できることを意味するからだ。この推測が正しいならば究極の予定調和、あるいは自作自演である。
 しかしそんなことがあり得るのだろうか。
 私はあると考えている。
 小室直樹氏は名著『危機の構造-日本社会崩壊のモデル』の冒頭で「現代日本は、機能集団が同時に運命共同体としての性格を帯び、かかる共同体的機能集団の魔力が、日本人の行動を再現もなく呪縛することになる」と述べている。
 このブログで繰り返し述べていることだが、日本は完璧な官僚独裁国家である。しかもその官僚は各官庁に所属し、しかも彼らは共同体的機能集団の魔力にとりつかれている。彼らは徹底的に自らの省益を追求し、そのためには国益を損なおうが、国民の命を犠牲にしようが関係ないのである。
 そしてこれも以前に述べたことだが、この体制は本当に旧ソ連のそれに似ている。その旧ソ連はチェルノブイリ原発の事故をきっかけとして崩壊したと私は考えているが、ここへきて事故や事故隠しが続々と発覚している日本の原子力発電に、破局的な事故が起きないという保障はない。それどころか、日に日にそれが近づいているようにさえ思えてしまうのである。

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